「100巻超え」が当たり前の時代のマンガを語り継ぐために長い長い文章を書いていきます
113、144、107。この数字が何を意味するか、おわかりだろうか。正解は、『ONE PIECE』、『はじめの一歩』、『名探偵コナン』の最新既刊数(2026年1月11日現在)である。
ジャンプ、マガジン、サンデーと3大少年マンガ雑誌にどれも単行本が100巻を超える金字塔が君臨している。ちなみに『グラップラー刃牙』から始まる刃牙シリーズも本編だけでトータル150巻を超えている。
これに対して昨今の人気が出た作品『鬼滅の刃』は23巻、『呪術廻戦』は30巻で完結しており、前述の生きる伝説的な作品たちと比べればだいぶコンパクトになったとはいえる。それでも30巻だって十分に長いのだが。
毎年注目される『このマンガがすごい!』でも、こうした少年マンガがランク入りすることは珍しくない。しかしその多くは、連載初期の「ニューカマー」として選出されるケースがほとんどだ。
今年も『サンキューピッチ』と『魔男のイチ』がトップ10にランク入りしていたが、まだまだ連載は始まったばかりだ。
それが悪いとは思わない。結構前にちょっとした物議を醸したりしていたのだが『このマンガがすごい!』に毎年『ONE PIECE』がランク入りするような状態はどうなのかとは確かに思う。新しく人気が出そうなマンガ、新しい才能をより後押ししていこうという色の強いこのムックにとっては、30巻を超えて刊行が続くような人気連載作品は相応しくないのだろう。ワンピースとコナンと一歩と刃牙で上位独占する年とかあるなら見てみたいような気もするけど。
長編マンガを語る上での諸問題
問題にしたいのは、長編マンガは長編になるほどにまとまった形で語られにくくなるということだ。理由はいくつか思いつくがまず何といっても「長い」30巻超える作品を語るにはそれ相応に文章だって長くなる。
そしてちょっと昔の作品にあった傾向として「ダレる」っていうのもある。具体的な作品名は挙げないが、人気連載というものはそう簡単に終わらせてくれないもので、後から振り返るとなくてもよかったエピソードで作品のテンションが下がった状態で終わったりすると作品トータルのクオリティも落ちた気がして語ろうという気持ちが萎えたりするものである。
そして最後に「同時代とのズレ」だ。人気作品というものは人気であるほどにその時代状況とか当時の流行に影響されるもので、それを時間がたってから改めて論じるということは当時の時代状況とか込みで語る必要が生まれる。それでもきっちり書けば当時の時代状況を作品とセットで論じた興味深い論考になるのだが、書く方は大分骨の折れる作業になる。かくして筆は止まり、記事は完成しなくなる。
やっぱり少年マンガ、特に週刊少年マンガの連載作品というものは、同時代でリアルタイムに楽しむのが一番面白いものだろうなあとは思う。X(旧Twitter)では毎週「#今週のワンピ」がトレンドを飾り、カジュアルな感想が洪水のように流れている。そのスピード感こそが、現代的な長編マンガの楽しみ方であるとも言えるだろう。
noteで「長編マンガ」を長く語ります
ここからはちょっと口調も変えて今後の宣誓をします。
それでも、それでも私みたいな人間は文章って形式で長編連載作品を論じた文章を読みたいし書きたいと思っています。上の方で色々面倒臭い要因など挙げましたが、それなら黙って書けばよいのです。長編作品を書くと文章も長くなるなんて当たり前のことではありませんか。長く書けば良いのです。手短に要約したければAIに任せておけばいいんです。
というわけで、前からちょこちょこ書いていたのだが、改めてnoteにて長編マンガについての文章を書いていきたいと思います。
とりあえずご挨拶替わりに『はじめの一歩』の11巻~32巻までの内容についての文章を書きました。32000字ほどあります。千堂と一歩の因縁と木村と間柴の激戦について語り尽くしました。
私がちょこちょこ寄稿している「ねとらぼ」と「電ファミニコゲーマー」でも長編マンガ『ダイの大冒険』について記事を複数書いてます。
改めてこうやって並べてみると『ダイの大冒険』についてめちゃくちゃ文章書いてる……。しかもどれも文章が長い……。最終的に三条陸先生に直接インタビューすることも出来ました。
記事からはさすがにマニアック過ぎてカットされたのですが、三条先生がデビュー間もない時期にコミックボンボン誌で連載された『トップ1』という作品。子供の頃に読んで衝撃を受けたその感動をご本人に直接お伝えすることができ、まさに感無量でした。
長編ではないですが、ジャンプ+での話題作『ルックバック』と『タコピーの原罪』についても文章書いてます。
タイザン5や藤本タツキは非常に興味深い作家なので、今後もなんかしら文章書きたいと思っています。実は『ルックバック』の後に発表された『さよなら絵梨』についてはすでにまとまった文章書いてたりするのですがまあそれはいずれ公開します。『ファイアパンチ』や『チェンソーマン』についてもまとまった形で文章書く準備しているので気長にお待ちください。
ほかにも『ゴールデンカムイ』、『ワールドトリガー』、『ダンジョン飯』、そしてなにより『ONE PIECE』についてはまとまった文章をこの場で発表したいと考えておりますので、興味のある方はフォローしてもらえるとありがたいです。あと岩明均先生の作品については作家論としてまとまった文章書きたいと思っているのですがこれは『ヒストリエ』の続きを待つような気持ちで待っていただけるとありがたいです。
上のリンク貼った文章を読めばわかるようにどれもこれも長い文章ばっかりなので、もし『ONE PIECE』についての文章を書くとすれば途方もない長さになることはほぼ確定しておりますがしょうがないと思います。だってそれだけの内容をそれぞれの作品が描いているんですもの。今後ともよろしくお願いします。
