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帝国海軍の大本営発表「ブーゲンビル、ギルバート航空戦」  海軍悪玉論4

 海軍悪玉論2では、海軍は陸軍以上に、デタラメな大本営発表をしていたと書いた。典型的事例として台湾沖航空戦を挙げたが、その11か月前に起きたブーゲンビル島沖航空戦、ギルバート諸島沖航空戦についても言及したい。

 1942年11月の第三次ソロモン海戦で日本は戦艦2隻を喪失したことで、ガダルカナル島、ニューギニアで苦戦している陸軍に無断で、日本主力艦隊をトラック島に引きあげてしまった。
 1943年がに入ると帝国海軍のうち、ビスマルク諸島ニューブリテン島ラバウル基地の航空隊と軽巡、駆逐艦部隊だけが戦闘を継続し、消耗していた。同年2月、ガダルカナル島から撤退する。
 同年4月、
い号作戦の督励のため、ブーゲンビル島のブイン基地を経て、ショートランド島の近くにあるバラレ島基地に視察に赴く山本五十六連合艦隊司令長官が搭乗する1式陸上攻撃機を、アメリカはガダルカナル島ヘンダーソン基地から出撃させたP-38戦闘機18機で待ち伏せ攻撃し、撃墜した。(海軍甲事件

 1940年7月成立の両洋艦隊法の結果、アメリカ海軍は新造艦を加えたスプルーアンス中将率いる第5艦隊を1943年6月に編成した。

帝国海軍は、トラック島からギルバート諸島方面に9月、10月空母、戦艦等からなる艦隊が2度出撃したが、会敵せず空振りに終わった。

 1943年11月1日、旧イギリス領ソロモン諸島ブーゲンビル島に連合軍が上陸、帝国海軍は2日に重巡妙高、羽黒、軽巡河内ほか駆逐艦6隻を向けたところ、羽黒が大破、軽巡河内、駆逐艦1隻が沈没したため、米船団撃破を断念してニューブリテン島ラバウルに引き上げてしまった。

 米海軍第5艦隊の航空攻撃に対して日本海軍は、空母搭載機をラバウル基地に陸揚げして応戦、11月5日から17日まで、6次にわたってブーゲンビル島上空で航空戦が行われた。(ろ号作戦

 続いて米軍の強襲上陸部隊は、11月21日、旧イギリス領ギルバート諸島タラワ、マキンの両島に上陸した。(海軍は、1942年8月のマキン奇襲後、警戒はしていた。)ギルバート諸島上空において4次にわたるラバウル航空隊による航空攻撃が行われた。

このブーゲンビル、ギルバート航空戦の海軍大本営発表の戦果は、

撃沈:戦艦3隻,空母14隻,巡洋艦9隻、駆逐艦1隻,その他4隻
撃破:戦艦3隻、空母5隻、巡洋艦3隻、基地区間6隻

であるが、米海軍の記録によると、撃沈ゼロ、撃破は空母2隻等である。それに対し、日本側は200機以上の航空機を失った。

 1943年9月御前会議で絶対国防圏を定めており、本来は日本海軍は、ラバウルを放棄して、基地航空部隊は絶対国防圏に集中配備すべきであった。また海軍陸戦隊が開戦後、上陸占領したソロモン諸島、ギルバート諸島の島々も放棄すべきであったが、山本五十六の後任の古賀連合艦隊司令長官は、強行に反対した。

 11月に帝国海軍が行ったブーゲンビル、ギルバート航空戦はいずれも絶対国防圏の外であり、絶対国防圏外の帝国海軍陸戦隊および海軍特別根拠地隊占領の島の防衛ために、本来は保全すべき空母艦載機、基地航空戦力を海軍のメンツのために無駄に消耗してしまったのである。

 帝国海軍は、統帥上の責任を回避するために、嘘を承知でデタラメな大本営発表を行ったと思われる。

1943年12月、米海軍機動艦隊はいよいよ北半球のマーシャル諸島クェゼリン環礁およびウォッジェ環礁の日本海軍基地を急襲し、応戦した海軍機との間でマーシャル諸島沖航空戦が戦われた。

  1944年1月、絶対国防圏内にある委任統治領南洋諸島(マリアナ諸島(サイパン)、カロリン諸島(トラック、パラオ)、マーシャル諸島)防衛のため、日本陸軍の少壮参謀らはマーシャル・ギルバード航空戦の大戦果を信じて、海軍の管轄である南洋諸島に関東軍から陸軍部隊を抽出し、海軍指揮の下に分散配置した。

 2月、マーシャル諸島に米軍が侵攻してきた。その知らせを聞いたトラック島の帝国海軍は、トラック軍港を放棄、パラオに拠点を移転したが、それも危なくなり、急いで艦隊を安全なスマトラ島近くのリンガ泊地に撤退させ、マーシャル諸島の日本陸軍部隊を見殺しにした。(続く)

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