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「ゲームは1日1時間」は40年前の基準だった。親こそ知るべき"5つの新指標"【発達障害・グレーゾーン】


「ゲームは1日1時間」

多くの家庭で、
当たり前のルールになっていますよね。

香川県では条例にもなっているそうです。

でも、
発達凸凹キッズを育てる家では、
このルールがほぼ毎日破綻しているのではないでしょうか。

「あと10分で終わりだよ」と予告しても、
時間が来ても切り替えられない。

タイマーを鳴らしても無視。
取り上げると癇癪。
隠しても探し出す。

そして親は、
毎日のように同じ言葉を繰り返します。

「ルールを守れないあなたが悪い」
「いい加減にしなさい」

夜になって冷静になると、
今度は自分を責める番です。

「ルールを守らせられない私はダメな親だ」
「他の家はちゃんとできているのに」

そんな日々を送る方は、
本当に多いと思います。

先日、私はある記事を読んで衝撃を受けました。

世界最大のメタバース企業Robloxの幹部が、
こう言い切っていたのです。

1日1時間という基準は、
40年前のテレビ時代のもので、
今の時代にはもう機能しない、と。

今日はその記事を紹介しながら、
発達凸凹キッズの親こそ知っておくべき
新しい視点を共有させてください。



「1日1時間」が時代遅れである理由

参考にしたのは、
NewsPicksに掲載された
Roblox本国幹部へのインタビュー記事です。

「ゲームは1日1時間」は40年前の基準。Robloxが提唱する"健康な没入"5つの新基準

この記事の中で、
Robloxの保護者支援責任者である
エリザベス・ミロヴィドフ博士が
こんな指摘をしていました。

40年前のテレビは、
情報を一方的に「受け取るだけ」のもの。

でも今のオンラインゲームは、
友達と宿題を教え合ったり、
一緒に何かを作り上げたりする
「社会活動の場」になっている、と。

つまり同じ「画面の前にいる時間」でも、
中身がまったく違う。

記事の中で、
私が一番ハッとしたのは
こんな例えでした。

公園で友達と3時間遊んでも、
親は怒らない。

でもオンラインで友達と1時間遊ぶと、
親は怒る。

この矛盾。

Wi-Fiを突然切る行為は、
公園で話している子どもの口を塞いで
無理やり連れ帰るのと同じ。

そう書かれていました。

ゾッとしました。

私が息子に対して
何度もやってきたことだったからです。


発達凸凹キッズには「もう一つの破綻」がある

定型発達の子にとって
「1日1時間」が時代遅れだとしたら、
発達特性のある子にとっては
二重に的外れな基準になります。

理由は2つあります。

ひとつ目。

前回のYouTube記事でも書きましたが、
ゲームやデジタルコンテンツは
凸凹キッズにとって
「逃避」ではなく「補給」です。

学校で過剰適応してきた脳の
クールダウン装置として
機能している側面があります。

それを時間で機械的に切り上げると、
回復が完了しないまま、
翌日のフルパワーに突入することになる。

過剰適応の記事でも書いたように、
回復しきれないまま走り続けた子は、
GW明けや5月に崩れていきます。

ふたつ目。

ASDの子の脳は、
「予測できない切り替え」に
強い負荷がかかる特性があります。

「1時間経った、はい終わり」という
時間ベースの強制終了は、
脳にとって認知的な急ブレーキ。

アイコンタクトの記事で書いたように、
脳が一つのタスクに集中している最中の急停止は、
それ自体がダメージになります。

つまり「1日1時間ルール」は、
実は定型発達の子向けですらない上に、
感覚特性や没入特性のある凸凹キッズに当てはめると、
さらに無理が出る基準なのです。

うちで毎日起きていた癇癪も、
ルールを守れない息子のせいではなかった。

そう気づいて、
申し訳ない気持ちになりました。


時間ではなく「5つの指標」で見るという発想

ではどうすればいいのか。

Robloxの記事で提唱されていた
「5つのウェルビーイング指標」が、
すごく参考になります。

ストップウォッチを持つのではなく、
子どもの生活全体を俯瞰する目を持つ。

チェックすべきは時間ではなく、
生活の質。

具体的には、こんな指標です。

ひとつ。睡眠が足りているか。
質は保たれているか。

ふたつ。食事のリズムが崩れていないか。
家族との食卓を楽しめているか。

みっつ。学校の課題や生活に
著しい支障が出ていないか。

よっつ。家族や友人との関係が
保てているか。

いつつ。自分の意志でデバイスを置く
「コントロール感」があるか。

これらが守られていれば、
画面時間が多少長くても問題ない、
という考え方です。

この発想は、
発達凸凹キッズの親にとって
本当に救いになります。

「うちの子、ゲーム時間が長すぎる」と
悩んでいた親が、
よく観察すると、
睡眠も食事も学校生活も保てていることに気づく。

そんな場面はかなり多いはずです。

逆に、ゲーム時間が短くても、
食事が崩れていたり、
家族との会話がなくなっていれば、
それは黄色信号。

時間を見るより、生活を見る。

これが新しい時代の基準です。


5番目の指標こそが、凸凹キッズの最大の課題

ここからが本題です。

5つの指標の中で、
Robloxの幹部も
「最も重要」と語っていたのが
5番目の指標。

「自分でデバイスを置ける
 コントロール感」

これが、
発達凸凹キッズにとって
最大の難関なのです。

理由は、
これまでの記事でも繰り返し書いてきました。

セルフモニタリング、
つまり自分の状態を客観視する力が
弱いからです。

「もう疲れている」
「夜中になっている」
「目が痛い」
「お腹が空いている」

こうした内側の信号を、
自分でキャッチしにくい。

だから親が「やめなさい」と言わないと
止まれない。

じゃあ、永遠に親が
時間管理係をやり続けるしかないのか。

違います。

コントロール感は、
生まれつき持っている能力ではなく、
練習して身につけていくものです。

ここからは
具体的な練習方法を書きます。

予告→終了→振り返りのサイクルを作る。

「あと15分でやめてみよう」と予告する。
本人が時計を見ながら終わる経験を積む。
終わった後に「自分でやめられたね」と承認する。

この繰り返しです。

最初はうまくいきません。
でも10回に1回でも自分で止められたら、
そこが起点になります。

体感を言語化する練習も大事です。

「今日は2時間やったけど、疲れた?」
「目が痛い?」
「肩こってない?」

そう聞いて、
自分の状態を言葉にする練習をしてもらう。

ASDの子は、
自分の身体の状態を
うまく感じ取れないことが多い。

だから「疲れている」という感覚を
親が言葉で輪郭づけてあげることで、
少しずつ自分でも気づけるようになっていきます。

ゲームを始める前に、
「終わりの予定」を一緒に決めるのも
有効な方法です。

ルールを上から押しつけるのではなく、
本人が「今日は何時までにする」と
宣言する形にする。

自分で決めたルールは、
他人から押しつけられたルールより、
ずっと守りやすい。

そして大事なのは、
完璧を求めないこと。

最初は守れなくて当たり前です。

「自分でやめられた日」が
月に数日あれば、
それは大きな前進。

時間ではなく
「コントロール感を育てる」という
長期目線で見ると、
毎日のバトルの意味が変わってきます。


親が「監視員」から「伴走者」に変わる

NewsPicksの記事の中で、
執筆者である角田拓志氏が
こんな転換を提案していました。

ペアレンタル・コントロール、
つまり「制御」する関係から、

ペアレンタル・エンゲージメント、
つまり「関与」する関係へ。

この転換は、
発達凸凹キッズの親にこそ
刺さる言葉だと思います。

私たちは長らく、
ゲーム時間の監視員を
演じ続けてきました。

タイマーを持って、
目を光らせて、
超過したら叱る。

でもその役割は、
親と子のあいだに
「対立構造」を作ってしまいます。

本来、親は子どもの敵ではなく、
味方であるはずです。

一緒に「どう付き合うか」を考える
伴走者であるはず。

時間で叱るのをやめて、
こんなふうに聞く関係に変えてみてください。

「今日は調子どう?」
「目疲れてない?」
「ご飯食べた?」
「明日の準備した?」

それだけで家の空気は変わります。

子どもも、
取り締まる相手としての親ではなく、
気にかけてくれる相手としての親と
向き合えるようになります。


時間より、生活より、子どもの心

「1日1時間」というシンプルなルールに
頼りたくなる気持ちは、
痛いほど分かります。

シンプルだから、楽なのです。
時計を見ればいいだけだから。

でもそのシンプルさは、
子どもの個別事情を
全部切り捨てた上に成り立っている。

我が家のルールは、
我が家の子に合わせて作るしかありません。

Robloxが提唱する5指標は、
その出発点として優れたフレームです。

今日から、
時計を見るのをやめて、
子どもの顔を見てください。

寝られているか。
食べられているか。
学校に行けているか。
誰かと笑えているか。
そして、自分でブレーキを踏もうとしているか。

それが何より大切な指標なのです。


参考記事:
「ゲームは1日1時間」は40年前の基準。Robloxが提唱する"健康な没入"5つの新基準
(NewsPicks/角田拓志氏)



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