超合金列伝①スーパーロボットの王者コンバトラーV
鉄人28号が先駆け、マジンガーZによって確立されたスーパーロボットは、日本が産んだ偉大な文化と言って間違いありません。それを強烈に後押ししたのが精工でずっしり重たい「超合金」たちでした。ロボットアニメの進化はキャラクター玩具と連動していたのですが、その両輪がチビッコを熱狂の渦に巻き込んでいきます。
今回はスーパーロボットが産声を上げた時代を、アニメと超合金という2つの視点で綴ります。
●今回の資料は主にヤフオクやアマゾン、5chや海外のまとめサイトからの転載となります。

❶超合金に憧れた日々

僕のnote投稿はいつの間にか「好きだったもの列伝」の様相を呈してきました。そこで自分の遠い記憶を掘り返し、最も古い「欲しかったもの」をたぐってみると…それは昭和の悪ガキが片っ端から脳を焼かれていた超合金だったんです。言うまでもなく超合金はポピーのブランド名ですが、今回はスーパーロボット系玩具の総称として統一しますね。

スーパーロボットという概念は、やはり1972年の『マジンガーZ』ということになると思います。これ以降毎年のように伝説となる名作ロボットアニメが放送されることになりました。このロボアニメ黎明期はまだ基本フォーマットが確立されていなかったので、各作品ごとに特色が際立っていたように思います。
今振り返ってみると制作側も「ロボアニメという幻想の世界で何が表現できるか。」という様々な挑戦をしていたように感じます。僕は最もピュアな時期にこの洗礼を受けたので、特に思い入れが強いのかもしれませんね。『スーパーロボット大戦シリーズ』に一度でもハマった人ならこの心境をご理解頂けるのではないでしょうか。


ロボットアニメが隆盛を極めたのは、スポンサーの玩具メーカーとの相性が抜群だったことも一因でした。当時の僕の夢はロボパイロットになること。
😆「あーあ、早く宇宙人が攻めてこないかなあ」
その夢を僅かでも叶えてくれるオモチャに惹かれるのは自然の摂理だったように思います。女の子がぬいぐるみを愛おしむように、男の子が超合金に憧れるのはもはや本能なのかも知れませんね。
そんな訳で悪ガキ連中はそれぞれの「お気に入り」をゲットするのですが、お宝を見せびらかしたくなるのもまた本能。その品評会は近所の公園でしたが、たちまち不毛なケンカが始まります
😤「俺様の鋼鉄ジーグにかなう訳ねえだろ。」
😠「にゃにおう!烈風正拳突きで穴開けてやるわ。」
😒「Xボンバー?しらねえ。」
ロボパイロットになりきって楽しく遊んでいるうちはいいのですが、そのうち暴力という実力行使に出る輩が出る始末。愛と平和を謳うアニメから何も学んでいないですね、バカ過ぎんだろ!しかしあの頃がたまらなく懐かしいです。

球体関節による“マグネット・ジョイント”はミクロマンなどとも互換性があって人気でした。しかし砂場で遊んでると砂鉄がくっついて汚くなるのがたまに傷。



当時の思い出として強烈に記憶に残ってるのが、ガンダムが不人気だったことです。皆の意見は一致していました。
😒「ガンダム?必殺技もないのに勝てるわけねえ。」
もっとも『機動戦士ガンダム』は中学生以上をターゲットに制作されていたということなので、幼年期の子供には難しかったのかも知れません。僕もこの作品の素晴らしさに気がついたのは、1981年のガンプラブーム以降の再放送でした。これはリアルロボット系の元祖であるガンダムの本質を、スポンサーのクローバー社が理解できなかった齟齬が一つの要因であると思います。ミリタリー系の雰囲気を押し出していれば、もうちょっと人気が出たんじゃないでしょうか。



僕はロボットアニメを狂ったように見ていましたが、実はあんまり超合金を買ってもらえなかったんですよ。しかし友達連中が遊んでいるのを見て猛烈に憧れていました。特に幼馴染の悪友FM7くんが殆どの超合金を揃えていたので妬んでいましたね。そんな訳で特に思い出に残る作品を振り返っていきたいと思います。
❷超電磁ロボ コンバトラーV 1976年
「V・V・V! ビクトリー!!♪」で開始3秒でテンションMAXになるアニソンでも屈指の名曲でした。
握りこぶし全開のVで〆るド演歌調のEDも神がかっていましたね。「身長57m体重550トン〜」はもはや男の子の基礎教養です。










色々考えたのですが、超合金とアニメが最も融合した作品はコンバトラーVだったように思います。スーパーロボットの魅力の一つは未来科学に対する憧れでしたが、超電磁エネルギーというギミックを利用した合体という演出は極めて秀逸でした。磁石を模した南原コネクション司令塔や、アナライザーを彷彿とさせるロペットの合体シーンなんかも印象に残っています。ロボアニメの人気のバロメーターの一つが使用する武器のバリエーションなんですが、その点でも40種類以上とトップクラス。代名詞とも言える超電磁ヨーヨーは皆真似してましたよ。






スーパーロボットの最大の見せ場は何と言っても必殺技。僕はスーパーロボットとリアルロボットの境目は「必殺技の有無」だと思っています。超電磁タツマキからの連続コンボで炸裂する「超電磁の必殺の技・超電磁スピン」のインパクトは絶大でした。直前のタイミングで主題歌が挿入される演出で毎週チビッコたちの興奮は最高潮に。主題歌が流れないと不発なのもお約束でしたね。
プロレスで言うならば「殺人フルコース」からのスリーカウントで、テーマ曲が流れる中でレスラーが勝ち名乗りを上げるのと同じようなカタルシスがありました。





これは嫁さんが言っていたのですが、コンバトラーVは女の子がメインパイロットに編入されていたことも画期的でした。それまでのスーパーロボット作品の登場するヒロインは「守ってもらう存在」であり、戦闘に参加しても主人公の足手まといという位置づけに過ぎませんでした。それに対してバトルチーム紅一点、南原ちずるは主人公、葵豹馬と対等で信頼できる仲間として描かれています。
第一話では南原博士の孫という責任感からか超勝ち気なキャラでしたが、徐々に女の子らしい一面を見せながらも健気に戦い続けるという展開に。このギャップに心を奪われたオタク少年も多いんじゃないでしょうか。キャラデザの安彦良和さんの美少女像に加えて、超ミニスカートやシャワーシーンのサービスカットは無茶苦茶ドキドキしましたよ😍





このシーン探すの苦労したんですよ。男の子って本当にバカですね~😁











物語としては敵方のキャンベル星人の描写が印象に残っています。特に美形悪役キャラクターである大将軍ガルーダの出生の秘密が前半のクライマックスになっていました。キャンベル星人は「どれい獣」という名称に象徴されるように、特権階級意識の強烈さが徹底されていました。作中では捕虜になっていた地球市民が強制労働されている描写が頻繁に登場します。その究極の演出がハーフロイドの存在でした。
ハーフロイドはキャンベル星人を補佐するアンドロイドなのですが、上半身のみが壁から生えているような形状。見た目は人間のハク製のようで、この造形は相当イカれています。自分の力では歩くこともできないという、生まれながらにして奴隷であるということが、幼い僕でも瞬時に理解できてゾッとしました。銀河鉄道999の機械伯爵が、哲郎の母を剥製にしたのと同じ思考回路ですよ。
プライドの塊のような大将軍ガルーダは「壁飾り」と罵ったり、ビンタでシバキまくったりとやりたい放題。そうすると今度はハーフロイドが地球人に更に過酷な命令を下すという負の連鎖が…ああ、かつて勤めていたブラック企業を思い出して嫌になります😟
こんなサイコパス将軍をも一途に愛する存在が本作もう一人のヒロインであるミーア。ガルーダに想いを寄せていたものの「所詮人間とロボットでは」と冷たくあしらわれるという悲しい展開に。豹馬との一騎打ちで敗れたガルーダは、間一髪でミーアに救われたくせに
「キサマの為に卑怯者呼ばわりされたのだ!」
と、電磁鞭でシバキまくる始末。DV中毒のお前言われたくねえよ!



ある意味二人のいびつな愛憎表現だったのかもしれません。
ついに連戦連敗で実母オレアナに見限られ、リストラを宣告されてしまうガルーダ。ミーアはガルーダの復権の為、自らどれい獣デモンでの出撃を決意します。それまでハープを奏でる淑やかな彼女が、鬼気迫る表情で作戦指揮を取る姿に圧倒されましたよ。もうここらへんから展開が見えているのですが、悲壮感あふれる生還を期せずしての出撃でした。刺し違える覚悟の玉砕戦法でコン・バトラーVをあと一歩まで追い詰めるも、逆転され瀕死の状態に。
ガルーダはノコノコと戦闘母艦で救出に向かうのですが、逆に超電磁タツマキを喰らってピヨリ状態。どこまでドジっ子なんだよ!ついに超電磁スピンのプレリュードで万事休すかと思いきや…
「ガルーダ様、ミーアがお護りいたします!」
ここら辺の声優さんの熱演は神がかっていて、今聞いても胸が熱くなりますね。なんでも担当された千々松幸子さんは子役や母親役が中心だったことから、美女役をやることに最高に気分が良かったとか。ちなみに5号機の子供パイロット北小介も同時に演じられてるのですが、全然気がつかなかったです。





ガルーダはミーアを収容して修理しようと急ぐのですが、その秘密の修理工区には思いもよらぬ光景が…なんと自分と同じ姿の試作アンドロイド達が大量廃棄されていたのです。このシーンはかなりグロくてトラウマになりました。
「自分をキャンベル星人だと信じていた滑稽な機械人形…それがこの大将軍ガルーダか!ミーアよ笑ってくれ!私はお前と同じロボット、母上の操り人形だったのだ!!」
この慟哭は幼いながらも心打たれましたね。ここから前半の最終話は殆どガルーダが主演という感じで展開していきます。


やっぱりオレアナ様も美形に拘ってたんでしょうか。



やっぱり人間、たとえ手遅れでも反省することが肝心です。あ、ロボットだったか😅
出世の秘密に絶望するガルーダは、廃棄された自分を模した巨大ロボットを発見。自分と同じ捨てられた存在であることにシンパシーを感じ、コンバトラーVとの最後の戦いへと赴きます。ここからの武人として死に場所を求めるガルーダはカッコよかったですね。男はやっぱり愛の力で覚醒するのが王道です。
ミーアの亡骸を抱きしめながらの正々堂々の戦いは一進一退の攻防に。え?ボスキャラのオレアナ様は…忘れてください。怒りに直管フルブーストがかかったガルーダに瞬殺されましたから。ガルーダの最後はスーパーロボットアニメでも屈指の名場面だと思います。
「コンバトラーよ、この戦いこそ悔いのない戦いであった!ミーア、もう決しておまえを離さない!決して・・・」








蔑すまれていたにも関わらず想いの人を慕い続けるミーア。そして同じ立場であったことを悟ったガルーダは、それまでのどうしようもないヘタレ将軍とは別人のような凛々しさでした。敵方のラブロマンスは『超電磁マシーンボルテスV』のリー・カザリーンや『闘将ダイモス』のライザなどに引き継がれていきますが、ここまでのインパクトはなかったように思います。




アニメージュのインタビューでは総監督である長浜忠夫氏ははじめ、制作スタッフが「悪のサラブレッド」と題してガルーダへの想いを綴っています。特に声優を担当された市川治氏は、最終話のアフレコ日には事前に風呂に入って身体を清めるなど気持ちを整えて収録に臨んだと言います。そして心の雑念を払い、画面を睨みつけ台本は読まずに演じきったとか。まさにプロ根性!ここまで気合を入れて演じてもらったガルーダはキャラクター冥利に尽きるんじゃないでしょうか。
コンバトラーVは玩具メーカー側の規制が多かったそうですが、その中でも子供たちに多くのメッセージを伝えようと奮闘してくれた制作スタッフの皆さんに感謝ですね。

❸合体超合金の元祖として










アニメが絶好調なら当然超合金も飛ぶように売れてました。超合金「コンバインシリーズ」の売りは何と言っても合体メカニズム。これは玩具史上初めての試みだったので制作には相当苦労したようですが、合計重量1.35kgはまさに超合金の王者とも呼べる風格。友達で持ってるやつは「V・V・V! ビクトリー!!♪」と口ずさみながら合体分離を心ゆくまで堪能していました。羨ましいぞ!
しかし5機がセットになってる「コンバインボックス」は何と定価7900円、現在では倍以上の感覚でしょうか。幼児の買い物としては相当高価でした。そうすると
🤭「あ、こっちのバラ売りのやつでいいでしょ!」
と母上様の甘言に乗せられた不幸者は、延々と足首だけのバトルクラフトを転がして遊ぶハメに。確かバラ売りで全部揃えたほうが割高だった記憶があります。ここらへんはポニーの計算通りという所でしょうか。


ただ原作の合体メカニズム自体がかなり無理のある構造だったので、全体的なバランスはイマイチでした。パンプアップされた上半身に対して腰から下が貧弱すぎ、全日本プロレスに来ていたB級外国人レスラーを彷彿とさせましたよ。合体部分のパーツも貧弱で、折れたりした日にはガムテープで補修するハメに。チビッコギャングどもは超合金を砂場や銭湯に持ち込む奴も多く(この頃はまだ僕も銭湯に通ってました。)日々傷だらけになっていくコンバトラーV。なんだかますますケガしたレスラーぽいぞ。





そんな記憶が薄れかけていた6年後の1982年、突如として
「宇宙にはまだこんなに凄いやつがいた!」
というキャッチフレーズとともに、DX超合金『電磁合体コン・バトラーV』が発売。より洗練された合体とプロポーションで、強度不足を解消した新型DX超合金です。6年後にわざわざ再販されるというのはそれだけコンバトラーVの人気が高く、かつ何度も再放送されたからなのでしょう。この時僕は小学校三年生で、時はガンプラ全盛期。もういい加減スーパーロボットでもあるまいし・・・なんて思うわけないでしょ!超絶欲しかったに決まってますよ。そもそもガンプラを中心としたリアルロボットとスーパーロボットは別腹なんです。しかしこの時期になると電子ゲームやらマンガやら欲しいものだらけで、結局購入は泣く泣く諦めたのでした。



それから長い時が流れて2025年のクリスマス…ついに買ってしまいましたよ!嫁さんにさんざん嫌味言われて、バーターでハンドバック買わされましたが😅この巨大なボックスが到着した時は興奮して寝れませんでした。やっぱり男の子はいつになっても成長しませんねえ。
この時僕のアニメ友達である10歳の甥っ子が遊びに来てたのですが
😲「え、コレ僕へのプレゼントじゃないの?」
😤「キミにはまだ50年早い!」




嫁さんから隠さないと😁
❹説明不要のデカさ、ジャンボマシンダー


イタリアのMSXユーザーが書いたCGです。



デカアァァァァァいッ説明不要!!ジャンボマシンダーの登場だ!
超合金シリーズと別ブランドで展開されたポピーの人気シリーズです。特徴は説明不要のデカさで、全高約60cmほど。お子様が乗って遊べるという狂気のサイズです。流石に金属は使用できずポリエチレン性でしたから、どっちかっていうとソフビ人形の巨大版という趣でしょうか。




牧れいさんのミニスカートを翻しながら戦うパンチラアクションが華麗でした。

スーパーロボットだけでなく仮面ライダーらの特撮やカメバズーカなどの敵キャラも登場し、おもちゃ屋さんの店頭に並んでる様は壮観でした。当時はコンバトラーの重戦車モードや、グレンダイザーと合体できる専用スペイザーに乗ったクソガ…アワワお子様が、道路の真ん中で遊んで車の進行をストップさせたりしてました。









またシリーズで共通の前腕部交換オプションがあり、これによって原作にはない夢のパワーアップが可能となるのもチビッコの心をくすぐりました。ライディーンがロケットパンチを発射するなんてカオスな組み合わせも可能です。




ジャンボマシンダーはチビッコが屋外で遊ぶことを想定していたため公園や道路、果てはプールや海水浴場でも見たことがあります。遊びに行った海水浴場で、ゴミ捨て場に打ち捨てられたマッハバロンを見て凄く悲しくなった記憶がありますよ。
しかし「憧れのスーパーロボットとずっと一緒にいたい」という気持ちを最も具現化したのがジャンボマシンダーでした。当時を知る方は、遊んでいなくても何処かで見たことがあるのではないでしょうか。




❺タイムマシンの限界に挑戦


いかがだったでしょうか?今回は始めて「TVゲーム以前の時代」を綴ってみました。アニメと超合金が憧れだった頃はもはやセピア色の光景なのですが、その記憶を辿るのは凄く楽しい作業でした。タイムマシンの限界に挑戦してみましたよ😁


前回の「ゲーム機列伝」のイントロで「昭和悪ガキの生活実態」という特集をしたんです。皆さんに多くのコメントを頂いたのでその資料を漁っているうちに、どうしてもスーパーロボットについて書きたくなっちゃったんです。2週間完全に脳みそが幼稚園児化していて
😤「ゴッドバード・アタック!心臓部発見!」
とか叫んでたら嫁さんにシバかれました😅

そんなノリノリで執筆しているうちに、気がついたら恐ろしい分量になってしまいました。どうしてもコレが入れたい、あのネタもあったっけと長くなっちゃうんです。という訳で今回は泣く泣く半分、というか3分の2をカットして、コンバトラーVの特集ということにしました。次回はこの後編になります。
「昭和雑誌列伝」も途中なのに何やってんでしょうね。MSXユーザーの矜持を忘れた訳じゃないんですが、もう少しお付き合い頂けると嬉しいです。それではまた次回、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
サイボーグMSX


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