ヘミシンク10年 ー フォーカス27で、私は迷子だった。
ヘミシンクを10年続けた。
フォーカス27にも行けた。
それでも──ガイドには会えなかった。
もし今、同じように迷っている人がいるなら、この話はあなたのために書いている。
ヘミシンクは週に2、3回行っていた。
毎回フォーカス27まで行き、ガイドを探す。
フォーカス23以上では人に会うことができ、話もできる。
しかし、話すことといえば世間話程度の内容だった。
出会った人に
「あなたはガイドですか?」
と直球で聞いたことも何回とある。
そのときは、大体ポカンとされて立ち去られてしまう。
なんというか、思春期の頃、異性と仲良くなるが、
「好きです」と告白した瞬間に距離を取られ、離れていく感じだ。

ある時、黒人の優しそうな紳士が現れた。
私は話しかけた。
静かに、穏やかに話を聞いてくれるので、普段の生活や仕事の話を聞いてもらった。
そして、切り出した。
実はガイドを探している。
あれもやった。これもやった。
でも会えない。
どんどん話を続けた。
すると、その紳士は突然大きな声で言った。
「静かにしなさい。明日、あなたは死ぬんですよ」
私は、はっとした。

それは、中学の頃の愛読書
『死んでもともと』(菅原義道著・知的生きかた文庫)の一節だった。
「明日死ぬと思えば、すべて何でもない」
という禅問答的なやり取りである。
ちなみに著者は禅僧だ。
中学時代、私は何のために生きているのだろうと思っていた。
死ぬ勇気もないのに、死にたいと思っていた。
その頃に支えになった本、と言っても過言ではない。
今でも内容を覚えている。
ヘミシンクでは、このように登場人物の発言の中に
「自分の過去の記憶の断片」が関係することが多々あった。
そのため、フォーカス領域での対話というものは、
「自分の深層意識が登場人物として投影されている」
のか、
「フォーカス領域という次元を超えた世界に実在の登場人物がいて、そこにアクセスしている」
のか、
疑問に思うこともよくあった。
実際、いまだに疑問である。
それでも、私は精神世界の探求のためにフォーカス27を訪れ続けた。
そして、5年、10年と時が流れていった。
しかし、ヘミシンク創始者ロバート・モンロー本人や、坂本正道の著書に書いてある世界は、
10年以上ガイドに会えなくても、私に毎週フォーカス27を訪れさせるくらい魅力的だったのだ。
そして少なくとも、
私はフォーカス27を訪れて登場人物と話ができた。
ヘミシンクCD Going Home の Flying Freeでは鳥さんと一緒にお空を飛ぶこともできた。

それは、ヘミシンクを聞いたこともない人には想像もできない世界だ。
だから「その先もあるはず」と思った。
しかし結局、当時は何も得られなかった。
もしくは、何か得られたかもしれないが、よくわからない。
その程度の感覚しか持てないままだった。
そして私は、ヘミシンク音源の改造を思いつく。
その話は、また次回。
しかしこの10年間は、精神世界を歩くための筋力トレーニングをひたすら行っていた時間でもあった。
・イメージ力の大幅な向上
・変性意識状態への出入りの高速化
・変性意識状態維持力の向上
・集中時間の増大
この効果を体感するのは、ヘミシンク開始から20年が経った頃である。
成果を実感しないままフォーカス27を訪れ続けた10年間。
私は迷子だった。
だが、迷子でい続けたからこそ、
次の扉を開く準備が整っていたのかもしれない。
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(続く)
このnoteは、
「意識」と「身体」、そして「その先」を探る記録です。
まだ結論は出ていません。
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