アンスリウム(無機主体用土での栽培)
急に、ふと思ったんですよ。
そういえば、Xでもサロンでも、アンスリウムを無機主体用土で育ててるっていう人、聞いたことがないような気がする・・・と。
ちゃんと育ってはいるのだけど、初心者のくせに、実はものすごくハードルの高いことをしているのではないかと思い、調べてみた。
▶️ほぼ無機用土でアンスリウムを育てる人は少数派
世界的にも、日本でも「アンスリウム=熱帯雨林の樹上植物=バークやピートで育てる」というイメージが根付いていること、実際、大手ナーセリーや園芸書はバーク+ピート+パーライトを推奨しているということで、有機混合の用土で育てている人が大多数らしい。
・・・そうだったのか。
ちなみに、学術論文やレビューで「Anthurium(アンス)」の生育に使われる「Growing medium(培地)」を調べたものには、有機+無機混合型が多く使われていて、「完全に無機100%」というのはほとんど見つからない、らしい。
▶️なぜアンスリウムを無機主体用土で育てる人が少ないのか?
これはズバリ、冒頭に述べたとおり、アンスリウムを無機主体用土で育てることにはいくつかのハードルがあり、それをクリアにしていくよりも、有機主体用土で育てた方が管理レベルを無駄に上げることなく、「早く」「確実」にアンスリウムを大きく育てることができるから。
👉アンスリウムを無機主体用土で育てることのハードル
・保水性が落ちる
無機資材だと水持ちが悪くなるので、水やり頻度が上がるか、根が乾き
すぎることへの対処が必要になる。
・養分の蓄えがない
有機質がないと、土壌中に蓄えられる窒素・微量要素・有機酸などが
少なく、施肥管理をしっかりしないと足らなくなる。
有機質を入れると微生物が少しずつ養分を供給してくれるが、無機質オ
ンリーだと液肥管理が命綱になる。
・pH変動・アルカリに戻る力が強い
無機素材(特に赤玉やゼオライト、珪酸塩白土など)は酸性を保ちに
くい。
無機系は緩衝力が弱く、液肥や水質の影響でpHがすぐ動くが、鹿沼や硫
黄を組み合わせて酸性維持できると理解してる人は少ない。
・根のサポートに時間がかかる
有機質があることで根の成長初期がスムーズなことが多い。
▶️無機主体用土だと成長が遅い気がする
我が家では、アンス以外のアロイド系ではさほど感じないというか、むしろすぐに成長するし、すぐ大きくなって置き場所を問題を起こす原因になっているというのに、アンスの成長は遅いと思っていた。(あくまでも我が家での話)
確実に大きくはなってきているのだけど、ゆっくりゆっくりといった感じで、とても花芽をつけてくれるような段階になく、また、そこにたどり着くまでまだまだといった様子。
これもどうも無機主体用土で育てていることが関係しているらしい。
👉アンスリウムを無機主体用土で栽培すると成長が遅い理由
・養分の“自動供給”がない
有機主体だと、バークや堆肥が微生物分解されて緩やかに窒素・リン
酸・カリを放出してくれるが、無機主体だとこのバックアップがゼロ。
→ 液肥を忘れたり、濃度が足りないと即効で不足=成長停滞に直結す
る。
・微生物が少なく“根圏シグナル”が弱い
有機分のある土では微生物が住み、根の成長ホルモンを刺激したり、
鉄・マンガンの可溶化を助けたりするが、無機は無菌に近いので、
根が環境に働きかける力が弱くなる。
→ 「根はきれいだけど、葉のサイズアップが遅い」現象につながる。
・水と肥料の“バッファー”が小さい
有機分はスポンジのように養分と水を保持するため、 根が必要なときに
吸いやすいが、無機は保持力が低い。
→ 液肥が抜けるとすぐに栄養ゼロ状態になり、水やり後は育つが次
までの間が「空白」になりがち。
・根温・湿度にシビア
無機主体は空気量が多い=酸素供給は良いけど、温度や湿度の変動が直
に根に伝わるため、一時的な低温や過乾燥があると根の伸びがピタッと
止まりやすい。
▶️アンスリウムを無機主体用土で育てることのメリットはある?
だったら、有機無機混合の用土で育てた方がいいやんと思うわけだけども、私はそれだとうまく育てられないから無機主体用土で育てるしかない。
私が育てられる用土だという以外になにかメリットはあるのかと調べてみた。
結果をサマるとこんな感じ
・有機主体
スタートダッシュは早いけど、劣化・病気リスクで根寿命が短い。
・無機主体
初速は遅いけど、環境が崩れにくく根寿命が長い。
無機主体用土で育てると、「葉が大きくなるのに時間がかかるけど、植え替え後に崩れにくくて長期的に安定」って現象につながるらしい。
どういうこと?とさらに深堀したけど、あんまり納得はできていない。
とりあえず、調べた結果はこんな感じ。
・分解しないから環境が安定
有機資材は、時間が経つと分解して「細かい粒」になる。
→ 通気性が悪化、酸素不足 → 根が窒息して傷みやすい。
無機資材は形がほぼ変わらない
→ 根が長期的に呼吸できる。
・pHの急激な変動が少ない
有機資材は分解に伴いアルカリ化/酸性化を繰り返す。
無機資材は基本的に化学的に安定 → pHの変動幅が小さい。
→ 根にとってストレスが少なく、長期にわたって均一な環境を維持。
・病原菌・虫の温床になりにくい
有機資材はコナダニやカビ、細菌が繁殖しやすい
→ 根腐れ・病気のリスク増。
無機資材だと、そもそも微生物が繁殖する“餌”がない。
→ 根が病気で突然死するリスクが激減。
・根の酸欠ストレスが少ない
有機資材だと、水を含むとスポンジ状になって空気を押し出してしまう。
→ 長期的に見て「根が老化せずに生きやすい」。
無機資材は粒間の隙間がしっかりある。
→ 水をやってもすぐに酸素が戻る。
無機資材も赤玉土や鹿沼土なんかは劣化してくると粉状、粘土状になるし、
それこそ私がpH調整を日々やっているようにアルカリに寄せられるから強引に酸性に戻すような作業が発生してるわけだし、アンスリウム(細菌感染)に記録したように細菌感染だってする。
有機資材といってもココチップなんかだと乾いてくると縮むのだし、通気性のよい鉢や環境であれば酸欠にはならないと思うわけで・・・。
なんかすっきりしない調査結果ではある。
▶️でも、アンスリウムを無機主体用土で育てることはできる
そりゃもう管理レベルは高くて大変。
用土(用土のpH調整②)やアロイド系が必要とする要素(肥料と活力剤③)に記録した通り、常に用土のpHを気にしながらしょっちゅう液肥やら活力剤やらで要素を与えてやらなければならない。
過剰にならないよう欠乏にならないような絶妙なバランスで。
また、葉(アンスリウムへの葉水や葉面散布の効果)に記録したように、根からだけでなく葉や茎などからも栄養を吸収できるよう葉面散布なども重要になってくる。
当然ながら環境も重要で、風通し、光量、湿度、通気性にも気を配る必要がある。
最近ラックのファンを増やし、ラック内の空気循環をバージョンアップさせ、その上で部屋全体の空気をサーキュレーター3台体制で動かしている。
ラックは前面は開いているので、前から吸い込まれて横向きにゆっくり流され、内部の空気が吸い込まれて外に吐き出されるように設計してある。
アンスリウムは光量もそこそこ求められるが、有機主体用土であればそこまでシビアになることもない。しかし、我が家は無機主体用土での栽培であるため、飽和寸前の光量を狙って育成ライトをよりよいものへ変えて、数も増やし、光合成のバックアップを行っている。
湿度は常に70%~80%を維持できるよう、近距離で3台の加湿器で最大出力で稼働させ、それがうまいことラック内にいきわたるよう置き場所やサーキュレーターの位置を調整している。
通気性においてはプランターラックを使用して、鉢底の穴からも通気が行えるようにしている。
こうした細かい管理を続けなければ、無機主体用土でアンスリウムを育てるのは難しいのかもしれないが、現段階の私の栽培スキルでは逆に、なぜか逆に、これでないとうまく育てられないのだからしかたがない。
でもまぁ、ゆっくりだけど、確実にちゃんと育ってはいるし、葉っぱも株もどんどん大きく、丈夫に育ってきているのは実感しているから、無機主体用土でもアンスリウムを育てることは可能ということ。
▶️まとめ
無機主体用土でアンスリウムを育てる人は少数派であり、それは無駄に管理レベルがあがる、管理コストが増える、負荷が大きいため、有機主体用土と元肥で育てられるならその方がよいと思う。
私だってできることならそうしたい😭
でも、手間暇、時間、コストをかければ、無機主体用土でもちゃんとアンスリウムは育つし、有機主体用土で育てたアンスリウムと品質が異なるわけではないことは私自身が証明している。(はず)
