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【受賞発表】書き出しで魅了する作品(note継続1周年記念)

ペンネーム「お疲れカツカレー」と申します。

note継続1周年を記念して、
2026年1月12日から1月31日までの期間に
書き出しで魅了する作品(最大100文字)を
募集しました。

その結果、119作品もの
素晴らしい書き出しが集まりました。

ご投稿いただいた皆様には
たいへん感謝しております。

これに加えて、
2026年2月1日から2月8日までの期間に
読者の方々に
お好みの作品への投票をお願いしました。

全部で380票が集まりました。
お忙しい中、
ご投票いただき、
ありがとうございます。

投票結果を受けて、
今回あらためて、
投票数の多かった順に
20作品をご紹介したいと思います。

投票数の多寡によらず、
いずれも素晴らしい作品ではあるものの、
note継続1周年を記念する
ある種の「お祭り」として、
本記事をお楽しみいただけると幸いです。


■1位 25票(作品番号031)ベスト書き出し賞
きのころ 様

今朝、郵便受けに入っていた一通の手紙。
差出人の名前はない。
胸騒ぎに、震える手で封を開ける。
中に入っていたのは、
途中まで書かれた私の遺書。
覚えはない。
だが、間違いなく私の筆跡だ。
日付は明日になっていた。

作品番号031

差出人のない手紙がポストに投函される。
最初の2行で、
読者は「奇妙な世界」「非日常」に
引き込まれますね。

しかも手紙の中身は、
自分自身の遺書。
そして自分自身の筆跡。

インパクトが大きいです。

そして最後のダメ押しは、
遺書の日付が明日だということ。

1ページ目にこの書き出しがあったら、
読者は、
次のページをめくらずには
いられないことでしょう。

「差出人のない手紙」という、
ある意味、
ミステリー小説における
王道のテクニックを用いつつも
そこから畳み掛けるように
驚きと謎を読者に突きつけていく手法。

お見事です!

きのころ様には
ベスト書き出し賞
お贈りいたします。


■2位 19票(作品番号003)1年間がんばったで賞
お疲れカツカレー

ユウコは犯人じゃない。

当時、彼女は問題児だったし、
ウサギが消えたとき、
餌やり当番でもあった。

クラス中が彼女を疑い、
私はかばった。

なぜなら犯人は私だから。

そして今、
刑事の私は、殺人犯となった彼女を追う。

作品番号003

ユウコは犯人ではない。
ならば誰が犯人なのか?

最初の1行で
読者の無意識に訴えかけます。

しかし、犯人は私!
え!?
小学生時代に何があったのか?
主人公は悪者なのか?

そして今は
主人公は刑事、ユウコは殺人犯!?

おいおい、何があったんだ!?

もしそう思ったのなら、
作者の術中にハマっています!

note継続1周年、
おめでとうございます!
そして危うく、
ご法度の1位を取るところでした。

1年間がんばったで賞を自分自身に贈ります。


■3位 16票(作品番号072)がんばりスギで賞
お疲れカツカレー

「ギックリ腰に効くエッセイってありますか?」

書店員は驚いた表情をみせた後、
ささやく。
「どこでその話を?」

私は確信した。
やはり存在するのだ。

「読ませてください。」

私は導かれるままに
書店の奥へと進んだ。

作品番号072

ひそひそ話って、
話している本人たちは
ひっそり話しているつもりでも
周囲はとても気になるもの。

しかもギックリ腰に効くエッセイ?
ちょっとコミカルな話が始まりそうな予感。

気になりますね。
書店の奥には何があるのか!?

しかし、ギックリ腰は
がんばりスギている証拠でもあります。

少しゆっくりすることも重要です。
がんばりスギで賞を自分自身に贈ります。


■4位 15票(作品番号059)もはやプロで賞
パンダ 様

喫茶店でモーニングを食べる朝は、
たいてい何も起こらない。

でも、何も起こらない場所だからこそ、
ときどき、どうでもいい物語を
拾ってしまうことがある。

今日は、そんな朝の話。

作品番号059

この書き出し。
もはやプロの作家クラス。
そう思いません?
うますぎる。

何気ない日常。
喫茶店でのモーニング。

でも、何も起こらない場所だからこそ、
何かが起きる。

あっという間に
非日常へのゲートが開通。

読者はそこで起こるであろう物語に
興味津々。

パンダ 様には
もはやプロで賞
お贈りいたします。


■4位 15票(作品番号098)ラビリンスで賞
きのころ 様

朝、目が覚めると、
隣で知らない女が電話をしていた。
私のスマホで。
私の声で。

叫んでも声は出なかった。
鏡の中の私は眠っている。

女が一瞬だけ私に顔を向けた。
そして、私の声で電話の相手に告げる。

「起きました」

作品番号098

目覚めると隣に知らない女。
しかも私のスマホで、
私の声で話している。

なになに!?
何が起こっているの!?
ミステリー?
サスペンス?
ホラー?
幻想小説?

読者は迷宮(ラビリンス)に誘い込まれます。

声が出ない主人公。
しかも起きていることに気づかれた!

続きが気になる~!

きのころ 様には
ラビリンスで賞
お贈りいたします。


■6位 13票(作品番号117)ベスト愛しさと切なさ賞
わたりあめ 様

どうして神様は、あの時の「またね」が最後だと教えてくれないんだろう。

砂浜の波が引いていく。

波の音が笑い声をかき消した。

どこまでも広がる鼠色の空。

白い雲を探す。

あの日の笑い皺は、もうどこにもなかった。

作品番号117

事前に知りようがないこと。
人との別れ。
あのときの「またね」が最後の言葉になる。

波のように
寄せては返す思い。

美しい表現。

笑い皺(わらいじわ)の人はどんな人で、
主人公とはどんな関係だったのか?

愛しさと切なさが入り交じる。
続きが気になる。

わたりあめ 様には
ベスト愛しさと切なさ賞
お贈りいたします。


■7位 12票(作品番号103)輝ける星で賞
くいたろう 様

「みて、赤い星きれい」

ママのやさしい声に、
ぼくは少しだけ背のび。

「あれは、
もうすぐなくなっちゃう星の色なんだよ」

ぼくのしずかな声に
少しおどろくママ。

ぼくは、
ぐーんと
星にちかづいた。

作品番号103

始まりと終わり。

子どもも、いつかは大人になる。
輝ける星も、いつかはなくなる。

でもそれはずっと先の話。

子どもの成長を見守りながら、
輝ける星との今を大切にする。

母と子、
子どもの成長と母の愛情を書かせたら、
右に出るものはいない書き手。
それが、くいたろう様。

くいたろう 様には
輝ける星で賞
お贈りいたします。


■8位 11票(作品番号038)ユーモラスかつシュールで賞
ちょろす 様

もう、かれこれ20分ほど、真顔のパンダが、食パンをスライスせずに投げてくる状態が続いている。

食パンの角が当たる。なぜ耳を落としてくれないんだ。その白黒がついたのは、さらに20分後のことだった。

作品番号038

パンダが食パンを一斤ずつ投げつけてくる。
20分間も。
ユーモラスかつシュール。

パンダは何か訴えたいことがあるのか?
主人公とパンダの関係は?

さらに20分後、白黒がつく。
パンダだけに?

いったい何があったのさ!

ちょろす 様には
ユーモラスかつシュールで賞
お贈りいたします。


■9位 8票(作品番号001)空のおかげで賞
お疲れカツカレー

「空のおかげだ。」

そうつぶやくと、
彼女は眩しそうに目を細めた。

頭上には一本の飛行機雲。

スマートフォンを構え、シャッターを切る。

橋の欄干に佇んでいたアオサギが
大きく羽ばたく。

その年、彼女は作家になった。

作品番号001

爽やかな青春物語を思わせる書き出し。

青い空。
夏の飛行機雲。
まぶしそうに写真を撮る彼女。

彼女は作家になった!?

アオサギの意味するものは?

空のおかげで賞を自分自身に贈ります。


■9位 8票(作品番号016)絶妙なお疲れ賞
関谷ユウコ 様

大学時代の知人からLINEがきた。

この十年、あいつはずっと不定期に、
絶妙な疲労感を残すメッセージを送り続けてくる。

作品番号016

日常の中に潜む、
なんとも言えない疲労感、徒労感。

「あるある、そういうの!」って
読者は共感してしまう。
そして続きを期待してしまう。

しかも、たった2行の文章で。
プロよりもプロ。
さっさとプロになれ。

関谷ユウコ 様には
絶妙なお疲れ賞
お贈りいたします。


■9位 8票(作品番号079)ドラマにしたいで賞
隼(ハヤブサ) 様

東大から俺宛てに合格通知が届いた。

俺は受けていない。

第一、俺は高卒の引きこもりなのだ。

作品番号079

東大からの合格通知。

おめでとう!といいたいところ。

しかし、受験していない。
しかも、引きこもり!

いったい何があった!?
そして今後どうなる?

今後、主人公の人生逆転劇、
サクセスストーリーが始まるのか!?
私は思わず期待してしまいます。

マンガやドラマ向きの書き出し。
続きが気になる。
ドラマならば、
主演は、誰にしようかな?
そこまで考えてしまいます。

隼(ハヤブサ) 様には
ドラマにしたいで賞
お贈りいたします。


■12位 7票(作品番号005)某・北国の普通の会話で賞
お疲れカツカレー

「書き出しって大事だべ。」

「んだか?」

「んだべ。」

「んだの?」

「んだ。」

「んだべか?」

「んだべじゃ。」

「んだなぁ~。」

「んだんだ。」

「んだば考えて書くべ。」

「んだ。」

作品番号005

なんも面白いことないべ。

ただの夫婦の会話だもの。

んだんだ言ってるだけだべ。
んだべ?

某・北国の普通の会話で賞を自分自身に贈ります。


■13位 6票(作品番号002)ゴーウエスト賞
お疲れカツカレー

紙飛行機に乗って、
私は旅に出た。

偏西風に逆らい、西へ、西へ。

嵐で紙が濡れたら、ドライヤーで乾かした。

凍える夜は、毛布にくるまって眠った。

生と死を飛び越え、
ある朝、私は気づく。

ここが新世界であることに。

作品番号002

これ、けっこう考えて作りました。

紙飛行機に乗って旅に出る。

空想って素敵ですね。

ただ、それだけでは面白くないので、
主人公には試練を与えました。
・偏西風(逆風)
・嵐で紙が濡れる
・凍える夜

そして生と死を乗り越えての
新世界です。

新世界って何?
これからどうなるの?
そもそもなぜ西へ?

気になるでしょ。

ゴーウエスト賞を自分自身に贈ります。


■13位 6票(作品番号015)吾輩はロースカツ賞
みみずくの耳 様

吾輩は豚肉である。
まだ調理方法は決まっておらぬ。
なにせ、まだ塊肉である。
すでに生命は宿しておらぬが、このまま腐りゆくのは忍びない。
この美しい薄桃色の肉体をぜひ有効にカツ用してもらいたいと願っている。

作品番号015

言わずと知れた、
夏目漱石の「吾輩は猫である」のパロディ。

豚肉をモチーフに
素材を活かしてうまく調理した書き出し。

豚肉の気持ちになって考えましょう。
そんな国語の授業は始まりはしませんが、
実際に、みみずくの耳 様は考えた。
豚肉の気持ちを。

みみずくの耳 様には
吾輩はロースカツ賞
お贈りいたします。


■13位 6票(作品番号019)青春50きっぷ賞
わたりあめ 様

「私、20歳になる前に死ぬの」

教室で早弁しながら、親友の朋子が言う。

それが朋子の口癖だった。

死神がデスノートに朋子の名前を書き忘れたらしい(と、朋子は言う)。

私たちは50歳になった。

作品番号019

ハタチになる前に死ぬ。
そう言う君は
教室で早弁(はやべん:昼前に弁当を早く食べること)。

まず生と死のコントラストがいいですね。
死ぬという人が生命力に溢れているという
ちょっとしたユーモア。

そして死神から逃れて、
二人は50才に。

新しい青春が始まりそうな予感がします。

わたりあめ 様には
青春50きっぷ賞
お贈りいたします。


■13位 6票(作品番号029)オトンオカン賞
シングルの手前 様

うちのオカンは、
オトンが浮気しているという
ありもしない幻想に取り憑かれている。

ここ30年、ずっと。

ヒラヒラの、赤いパンティーの亡霊。

それはある意味、幸せなことなのかもしれない。と、娘の私は思うのだ。

作品番号029

1行目から面白い。
そして言葉選びがうまい。

父・母という書き方なら
浮気ネタは、
少しシリアスな話になるところですが、
オトン・オカンとすることで、
これから始まる話が
コミカルな話であることがわかります。

そして「赤いパンティーの亡霊」。
読者は、
この強烈な単語の意味を
どうしても知りたくなります。

浮気を疑うオカン。
絶対面白い物語のはず。

シングルの手前 様には
オトンオカン賞
お贈りいたします。


■13位 6票(作品番号035)気になる予兆賞
よう 様

30歳を目前にして、手のひらにひとつ、小さなほくろができた。

病気かな、と思って最初は心配したけれど、半年経っても変わらない。

代わりに、生まれつきあった足の裏のほくろが消えていた。


占いに行こうと決めた。

作品番号035

物語には予兆となるエピソードが
よくでてきます。

例えば村上春樹作品なら、
猫がいなくなったり、
新たな人との出会いがあったり。

この書き出しでは、
突如、現れた手のほくろ。
そして時期を同じくして、
消えた足のほくろ。

読者は思わず想像してしまいます。
これは何の暗示なんだろう?と。

続きが気になります。

よう 様には
気になる予兆賞
お贈りいたします。


■13位 6票(作品番号089)インセプションde賞
不屈の屈葬 様

目を覚ましても、まだ夢の中。
厳密には、夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中の夢の中。

現在、夢14階。
脱出には、しばらくかかりそうだ。

作品番号089

古来から人類は夢を重視してきました。
占いに使ったり、
自己分析に使ったり。

そんな不思議な夢を効果的に使った書き出し。
起きても起きても夢が続く。

ここは夢か?
それとも現(うつつ)か?

でも不思議と悲壮感はない。
夢から脱出できるのか!

不屈の屈葬 様には
インセプションde賞
お贈りいたします。


■13位 6票(作品番号095)福男賞
ヤスジロウの記 様

ことの始まりは或る神社で引いた「おみくじ」
そのおみくじにはこう書かれていた。

「大凶。但し今すぐ北へ向かえ、さすれば大大吉」

ちょっと面白い。
どうせやることもない。
暇つぶしに北へ歩きだす。

するとそこには…

作品番号095

神社でおみくじを引く。
ここまでは静かな始まり。

しかし、書かれていた内容から
一気に不思議の世界へ。

大凶だけど、
北に向かえば大大吉に変えられる。
なんだそれ!?

主人公は飄々とした人物。
暇つぶしに北へ歩き出す。

物語が展開していきそうな予感がしますね。

ヤスジロウの記 様には
福男賞
お贈りいたします。


■13位 6票(作品番号097)ファイヤーファイター賞
ひろいてん 様

出勤すると会社が炎上していた。

火事ではなく、サイバー攻撃の渦中にあった。

『保守担当者が不審なファイルを開いたらしい』

SNSでスケープゴートされている担当者は、今朝、行方をくらませた同棲中の彼女だった。

作品番号097

会社が火事!?
と思わせて、
サイバー攻撃での炎上。

しかも担当者は
行方をくらませた同棲中の彼女。

書き出しから怒涛の展開。
このあとどうなる!?
火は消えるのか!?

ひろいてん 様には
ファイヤーファイター賞
お贈りいたします。


以上が
119作品中、
投票数の多かった20作品になります。

他にも興味深い作品が多くありますので、
今後も機会を見て、
紹介していこおうと思っています。

なお、
魅力的な書き出しとはいったい何か?
どんな要素があれば、
読者が魅了されるのか?

そこについては
今後、分析して記事にしていこうと思います。

また、
改めまして、
素敵な書き出しのご投稿、
さらには各作品へのご投票、
ありがとうございました。

追伸、
だいぶお疲れ気味なので、
皆様の記事を読んだり、
コメントへの返信は明日以降を予定しております。

コメントは大好物ですので、
どんどんお願いします。

週末ゆっくり返信させていただきます。

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お疲れカツカレー チップをいただけるような素敵な雑記が書けたらなぁ~(遠い目)。