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高校の必修科目「情報Ⅰ」で学んでほしい! 医薬品に関する情報の扱い方

高校では2003年より「情報」科目が設置されましたが、2022年に「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」の2つに再編されました。必修となっている「情報Ⅰ」では、情報を取捨選択して活用する力を身につけることなどを目指します。大学生の活動などから、成果の検証はしているのでしょうか。

文科省の学習指導要領

「情報」に関する学習指導要領(解説)には、下記のように書かれています。

情報編  高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説

12ページ

https://www.mext.go.jp/content/000166115.pdf

先生方は試行錯誤しながら、授業内容を考えていることと思います。卒業後、大学生や社会人になってから、情報を取捨選択して活用する力が発揮できているか、検証は行っているのでしょうか。

最近、Xで拡散されている下記の署名活動は、大学生が中心となって行われているようです。この活動の発信を見て、ぜひ「情報Ⅰ」の授業で医薬品に関する情報の取り扱いについても学ぶ機会を作ってほしいと思いました。


HPVワクチンの男性への無料接種を求める署名活動

人に何かを勧める情報を発信する際には、「責任」についても考える必要があると思います。特に、医薬品は人体にとって異物であり、健康被害につながる可能性があるので、軽々しく勧めるべきではないでしょう。

「無料接種を求める」ということは、「接種を勧める」ことにつながります。署名を呼びかけている学生たちは、どこまで法律や一次資料を確認したのでしょうか。

男性へのHPVワクチン接種について、下記のように署名を呼びかけています。ここには、効果に関して添付文書に書かれた範囲を超えた表現があります。

chng.it/KMqtzJhY7C


添付文書は、PMDAのサイトなどで誰でも確認することができます。

シルガード9 添付文書(第3版)より


「署名活動の主旨」にも、下記のように書かれています。

具体的には男性がかかる、中咽頭癌、肛門癌、陰茎癌、並びに男女問わずの性的接触で感染する尖圭コンジローマなどの予防にもなることが明らかになっています。

chng.it/KMqtzJhY7C

けれども日本では、「中咽頭癌」「陰茎癌」の予防効果は承認されていません(下記参照)。


シルガード9 審査報告書(2020年07月21日)
シルガード9 審査報告書(2025年08月25日)
2025年8月に新たに追加された効果は、「肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2 及び 3)」です。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2025/P20250917002/170050000_30200AMX00746_A100_1.pdf

厚労省の資料にも、下記のように書かれています。

06資料2HPVワクチンの男性への接種について(2025年7月4日)

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001515471.pdf


https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001515471.pdf

「署名活動の主旨」には下記のようにも書かれていますが、集団免疫についても承認審査では確認されていないはずです。

また、男性の接種率を高める必要がある、もう一つの理由が、集団免疫を獲得することで子宮頸がん等の撲滅が近づくということです。すなわち、若い世代の中で男女共にHPVワクチンの接種率が向上することで、男女間の感染の広がりを抑え、接種していない女性の子宮頸がんも減少させることができるということです。

chng.it/KMqtzJhY7C
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001515471.pdf

医薬品の情報発信に関しては、薬機法(医薬品医療機器等法)などで定められた広告規制があります。医薬品の広告が適正を欠いた場合には、国民の保健衛生上、大きな影響を与えるおそれがあるためです。


署名活動は広告にはあたらないかもしれませんが、男性が接種できるHPVワクチンは「ガーダシル」と「シルガード9」しかなく、結果的にそれらを勧めることにつながる活動です。署名を呼びかけるなら、広告と同じように法律を守る必要があるのではないでしょうか。

医薬品等の適正広告基準では、「明示的又は暗示的であるか否かにかかわらず承認等を受けた効果効能等の範囲をこえてはならない」ことになっているはずです。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日薬生監麻発0929第5号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf

医薬品等適正広告基準の改正について(平成29年9月29日薬生発0929第4号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179264.pdf


「情報Ⅰ」でこのような基準についても学ぶ機会があれば、承認の範囲について調べ、書いてはいけない部分に気づくことができたのではないでしょうか。また、このようなルールを無視して推奨している医師たちに、疑問を持つきっかけになったかもしれません。

HPVワクチンについて情報を発信するのであれば、最低限、添付文書は確認するべきだと思いますが、確認している人はどれくらいいるのでしょうか。

「ガーダシル」と「シルガード9」は、どちらもメルク社(日本法人は「MSD株式会社」)の製品です。人に勧める以上、メルク社が過去にどのような問題を起こしたかも調べる必要があると思います(下記参照)。


署名活動の責任

「署名活動の主旨」でもっとも注意するべきだと感じる部分は、接種後の健康被害についてです。

しかし、研究によって、HPVワクチンの接種と報告された有害事象の関連性は低いことが明らかになっています。

chng.it/KMqtzJhY7C

まだ継続中のHPVワクチン薬害訴訟で健康被害を訴えている人たちがいるのに、「関連性が低いことが明らかになっている」となぜ言えるのでしょうか。

「名古屋スタディ」と呼ばれる調査を、きちんと自分の目で確認したのでしょうか。

HPVワクチンに関して、接種と多様な症状の因果関係は「ない」という結論が出たわけではありません(下記参照)。

2022年に積極的勧奨が再開されましたが、安全性が確認されたからではありません。

三原じゅん子厚労副大臣(当時)が、厚労省の審議会も経ずに、勝手に2021年4月にMSD社へ要請し、その結果、製薬会社からの圧力がありました(下記参照)。

薬害オンブズパースン会議の請求によって開示された、田村憲久氏(当時の厚労大臣)と三原じゅん子氏宛の文書が公開されています。

HPV ワクチンの積極的接種勧奨再開に関するMSD 株式会社との交渉経過の公表に関する要望書

署名活動をする前に、このような背景も知っておくべきだと思いますが、どこまで調べたのでしょうか。

署名活動に賛同している医師は、一般社団法人「HPVについての情報を広く発信する会」が運営する「みんパピ!」のメンバーなどの推奨派です。「みんパピ!」については下記の記事で取り上げましたが、こちらも承認の範囲を超えた発信をしています。

何より先に、署名活動をしている学生たちは、被害者の声を聞いたのでしょうか。

HPVワクチン薬害訴訟で原告として闘っている被害者の方たちは、様々な場で、実際に起きていることをご自身の「声」として届けようとしています。

被害者の「声」に耳を傾け、娘に接種を勧めた母親がどれほど後悔しているか知っていたら、このような署名活動ができるでしょうか。

学校では多くの場合、推奨する医師の話を聞く機会を作っても、被害者の声を聞く機会は作っていないのではないでしょうか。両方の話を聞いてこそ、取捨選択する力が育まれると思います。

せっかく科目として「情報」があるなら、まずは、自分がどうするか判断するための情報を集めて選択できる力をつけることが重要です。それさえもできていない状態で、軽々しく人に勧めるべきではないでしょう。

署名活動をしている学生は、「子宮頸がんなどで苦しむ人を減らしたい」という思いで動いているのだと思います。けれども、一方で「接種後の被害で苦しんでいる人」がいることにも目を向けることができてこそ、情報を取捨選択して活用する力が育まれたといえるのではないでしょうか。

人のために何かしたいと考える中高生も多いようですが、医薬品を勧めることは、古着を集めて海外に送る活動などをするのとは違い、人の命や人生に関わることです。

ですから学校では、このような活動の結果、接種後の被害に苦しむ人が増える可能性もあることに気づけるような授業を行ってほしいと思いました。

もし、接種を勧めることによって被害者が増えたら、接種を勧めた罪悪感で苦しむ人も出てしまうでしょう。そのような被害者を出さないためにも、「情報」の授業があるのではないでしょうか。

下記は、オンライン参加が可能です。まずは先生方に、被害者の声を聞いていただきたいです。

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