11/17 HPVワクチン薬害訴訟(東京) 製薬会社の責任とは?
2025年11月17日、HPVワクチン薬害訴訟 原告本人尋問を傍聴しました。東京地裁では最後の原告本人尋問です。原告3番さん、15番さん、59番さんが法廷に臨み、自身の被害やこの裁判にかける思いを訴えました。今回も詳細なレポートは書けませんが、メモをもとに感想を書きたいと思っています。この日は10時から17時過ぎまで、長時間にわたって原告本人尋問が行われました。1回では書き切れないので、何回かに分けて報告します。この記事は5本目です。
被告側弁護士の決めつけ
前回からの続きです。
1本目
2本目
3本目
4本目
被告側は、原告117人の症状はすべて「心因性」であり、接種前から症状があったことを証明しようと、様々な質問をしてきます。けれどもそれらの質問は、無理矢理感のあるものばかりだと感じました。
例えば15番さんには、「6年生のときに耳鼻科と胃腸科に32回通っていて、たくさん学校を休みましたね?」と質問しました。接種前も1年間に32日休んでいたことを示したかったのだと思いますが、これには15番さんも「は?」という反応をしていたようです。
15番さんは耳鼻科へ、アレルギー性鼻炎の治療で通院していました。私もアレルギー性鼻炎で耳鼻科に通ったことがありますが、そのために学校を休んだ記憶はありません。授業が終わってからでも行けますし、土曜日も行けると思います。一般的な児童・生徒の行動から考えれば、休まないでも通えるとわかるはずですが、そう考える弁護士は被告側にはいないのでしょうか。あるいは、そこを突っ込むしかないくらい、切り札がないということなのでしょうか。
3番さんには、何度も「家族と旅行に行きましたね?」と確認していました。確かに3番さんは、家族と何度か旅行に行っています。被告側弁護士は、「旅行には行ける元気がある」ということを示したかったのだと思います。
けれども、彼女たちは体調に波がある中で、旅行に向けて体力を温存したりしながら準備をして、現地でも体調に合わせて観光したり、時には部屋で休んでいたりと、症状に理解のある家族だから一緒に行ける旅行なのだと思います。「元気だから旅行に行く」とは限らないのです。
他にも「学校には行けないのに、好きなことはできる」と決めつけていましたが、彼女たちは学校にも行こうと努力しています。けれども、旅行などと違って学校は週5日連続で行かなければなりません。数日前から体力を温存するなどの調整ができず、一度体力を使い切ってしまうと、リカバリーに時間がかかるので、またしばらく休むことになってしまうのです。
激しすぎる「体力の消耗」
今回の3人だけでなく、原告の皆さんの話を聞いていると、体力の消耗が異常に激しいということがわかります。
中高生にわかってもらうために例えるなら、「ONE PIECE」のルフィがニカ(ギア5)になって、時間が経つとヨボヨボになってしまう、あんな感じではないかと思います。もちろん見た目があのようになるわけではありませんが、体力的にはあれぐらいの消耗感があるように見えます。あのようになってしまったら、自力で動くことはできません。だから、車椅子などが必要になるのです。
ルフィは肉を食べれば復活しますが、原告の皆さんに必要なのは「時間」です。何かを頑張って成し遂げた後は、数日、数週間、あるいは一ヶ月以上動けない日々が続くのです。今回法廷で証言した3人も、回復するまでには相当な日数が必要になるでしょう。
前日に開催された「薬害根絶フォーラム」では、東京原告の1人である倉上万莉佳さんが登壇しました。勇気を出して実名で語っている倉上さんのお話は、下記の動画で見ることができます。
彼女は異常な倦怠感について、「酷いときには自分の上に人が5人乗っているような体の重さやだるさ」を感じると言っています。そして体力については、「健康な人が持っている体力ゲージを100とすると、私は10か20しか持っていません」と語っていました。
11月17日に東京地裁で倉上さんをお見かけしましたが、車椅子を使っていて、声からも体力の消耗の激しさがうかがえました。おそらく、「薬害根絶フォーラム」での発表とこの日の傍聴に向けて体力を温存し、この2日間で10か20しかない体力をすべて使い切ってしまったのでしょう。
ですから被告側弁護士や証人となった医師が車椅子や杖を使うことについて、「本当は歩けるのに使っている」と決めつけることにも、疑問を感じます。裁判で闘うなら、原告の症状をきちんと理解した上で闘うべきではないのでしょうか。原告の症状をきちんと調べた上で、それは自社の製品とは関係ないと言えるなら説得力がありますが、被告2社は原告の症状について知ろうとせずに「心因性」だと決めつけています。きちんと知ろうとしていたら、杖や車椅子がどのような役割を果たしているかわかるはずです。
原告の症状をきちんと調べようともせずに「心因性」と決めつけている2社は、人の命に関わる医薬品を販売する製薬会社として、責任を果たしていると言えるでしょうか。
たぶん次が最後になると思いますが、続きます。
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