スカスカの平和主義より、痩せこけて帰ってきた祖父の記憶を信じたい。『永遠の0』が教えてくれた愛の正体。
ちょっと一息、本の時間。
読書感想文です。
今回は、百田尚樹氏の『永遠の0』です。
ブルーレイまで買った大好きな物語
原作を読む前に映画館で観て、信じられないくらい号泣したのを覚えています。
ブルーレイのスペシャルボックスまで手に入れたほど大好きな物語ですが、改めて小説として向き合ったとき、そこには映像とはまた違う、心を引き裂かれるような『厚み』がありました。
この物語は、単なる戦争映画の原作ではありませんでした。
臆病者と呼ばれた天才の「愛のコア」
天才的な技術を持ちながら、誰よりも死を恐れ『臆病者』と蔑まれた男、宮部久蔵。
今の平和ボケした時代から見れば、彼の願いは当たり前のことに見えます。
でも、あの特殊な時代において『生きたい』と願うことは、どれほどの恐怖と孤独を伴うものだったのか。
読み進めるほどに、彼の抱える葛藤に胸が締め付けられ、目頭が熱くなりました。
「娘に会うまでは死ねない」・・・その約束が突きつける葛藤こそ、時代が変わっても変わらない『愛することの本質』ではないでしょうか。
私の中に残る、祖父の「生きた証」
この本を読んで、私は亡き祖父の話を思い出しました。
海上輸送中に撃沈され、二日間も海をさまよった祖父。
奇跡的に生きて帰ってきたとき、実の母でさえ『あれは誰?』と言うほど痩せこけていたそうです。
戦後も、近くを通る列車の音を敵襲と勘違いして飛び起きる日々。
今でいうPTSDだったのでしょう。
『戦争はするなよ。』『むごかった』。
祖父がポツリと漏らしたその言葉は、どんなメディアや活動家が垂れ流す正義の言葉よりも、重く、鋭く、私の心に突き刺さっています。
記憶をどう繋ぐか
スカスカの言葉で感情的に平和を叫ぶのではなく、あの時代を必死に生き延びた人たちが残した記憶を、リアリティとして伝えていく義務が私たちにはあります。
作中の宮部久蔵が命をかけて守ろうとしたものは、今の私たちに繋がっているといえるでしょう。
読み終えたとき、タイトルにある『永遠』『0』という言葉に、あなたならどんな意味を見出すでしょうか。
ぜひ、自分自身の血肉となる言葉を、この本から見つけてほしいです。
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