『アリアドネの声』読書感想
ちょっと一息、本の時間。
読書感想です。
今回は、井上真偽氏の『アリアドネの声』です。
"ドローン一機で、三重苦の女性を救えるか?"
目も見えず、耳も聞こえない女性を救え
物語の舞台は、地震で崩壊した建物の中。
そこに取り残されたのは、目が見えず、耳も聞こえず、話すこともできない女性。
絶望的な状況下で、唯一の希望となったのは一機のドローン『アリアドネ』でした。
見えない内部、限られた情報。
ドローンの声だけを頼りに進む救出劇には、今までのミステリーにはなかった新鮮なワクワク感がありました。
「物足りなさ」と「心地よさ」
正直に言うと、少しだけ物足りなさを感じた部分もありました。
最新技術を駆使した救出劇は鮮やかですが、安全な場所にいる救出側と現場との間に、手に汗握るような『切迫感』は控えめかもしれません。
『そんなにうまくいくかな?』と、つい現実的な視点に戻ってしまう瞬間があったのも事実です。
人間のドロドロした感情や、心をかき乱す刺激は少なめですが、だからこそ心地よさもあったので良いとも思いました。
読み終えたあとに残る、静かな余韻
ハラハラする恐怖よりも、純粋な『謎解き』のロジックに集中できます。
物語の核を読み終えたあと、『彼らはこの後、どうなったんだろう……』と、登場人物たちの未来に思いを馳せてしまうような、優しくて少し切ない余韻が残りました。
怖いのが苦手なミステリーファンにとって、これは一つの『正解』のような一冊です。
✅ミステリーは好きだけど、怖いのは苦手
✅知的な謎解きや、最新技術に興味がある
✅血の流れない、優しい余韻のある物語を探している
といった要素が、もしあなたが一つでも当てはまるなら、この『アリアドネの声』は、ちょうど良い読書体験になるかもしれません。
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