AI時代の創作メモ|「なろう 気持ち悪い」の正体。スマホが物語の正義を書き換えた(#創作論 #Web小説 #note #エッセイ #書籍化 #生成AI #画像生成AI)
こんにちは。こんばんは。
普段はラノベを書いている「うら表紙」と申します。
検索窓に「なろう」と打ち込むと、
関連ワードのかなり高い位置に
「気持ち悪い」という言葉が出てきます。
私自身、Web小説を書いている身として、
この言葉には胸がチクリと痛みます。
気になってその理由を調べてみると多くの場合、
主人公たちの「常識から外れた極端な行動」に対して
違和感や嫌悪感が向けられていることがわかります。
少しでも自分を不快にした相手を徹底的に破滅させたり、
絶対に従順な人間関係(奴隷)をお金で買ったり……。
たしかに現実の道徳から見れば、
彼ら(なろう系主人公)の行動はかなり歪んでいます。
しかし興味深いのは、
物語の中ではその歪んだ行動が決して
「悪」としてではなく、
むしろ主人公の「正義(正しいこと)」として描かれ、
読者もそれに快感を覚えているという点です。
なぜ、
現実の道徳と彼らが信じる「正義」は
これほどまでにズレてしまったのでしょうか。
今日は、
そんな現代の物語が映し出す「正義」の形について、
最近考えていることの途中メモです。
昔の定番ドラマといえば、
時代劇やサスペンスや刑事ドラマを
思い浮かべる人が多いでしょう。
偉い人や警察が悪人を裁く物語が人気だったのは、
人々の根底に「社会への信頼」があったからだと思うのです。
頑張れば報われる、社会は正しい方向に向かっている。
確かに当時は誰もがそんな風に思える時代でした。
でも、今はどうでしょうか。
終身雇用は崩壊し、
一生懸命働いてもなかなか報われない。
経済はずっと停滞したままです。
昭和の一般家庭を描いた「サザエさん」も、
平成の一般家庭を描いた「クレヨンしんちゃん」も、
今ではどちらも“勝ち組”の象徴とされるほどです。
そんな理不尽な現実の中で、
社会への信頼はどうしても薄れてしまいますよね。
だからこそ、理不尽な世界から脱出して、
自分だけの固有の力を得て、
絶対に脅かされない「安全圏」を確立したい。
自分の殻にこもって、
自分自身の万能感をダイレクトに満たしたい
という欲求が生まれるのは、
私は筋が通っていてとても自然なことだと思うのです。
さらに今は、物語を楽しむ環境も大きく変わりました。
昔は、テレビはお茶の間で楽しむものでした。
商業雑誌だって、
どうしても家族の目には留まってしまいます。
だから、
テレビや商業雑誌の主人公が力を振るう時には、
「世界平和」や「他者の救済」といった、
誰もが納得できる大義名分が必要でした。
自分の復讐や欲望を剥き出しにすることは、
どこか恥ずかしいことだったからです。
でも、web小説は
「スマホ」という1対1の完全に遮断された空間で楽しむものです。
そこには、家族の目も社会のフィルターもありません。
「他者からどう見られるか」という羞恥心が消滅した、
いわば「密室」です。
その結果、
web小説の中の正義は、
「社会的な善悪」ではなく、
「自分(読者)にとって快適か、不快か」という、
極めてプライベートな基準にすり替わってしまいました。
そのような空間では、
現実の道徳とぶつかるような行動も、
自分の快感のために平然と肯定されます。
なろう系主人公の倫理観が歪んで見えるのは、
「密室」を前提としているからなのです。
スマホという密室の中で、
人間の剥き出しの自己都合だけを
煮詰めて作られた「密室専用のルール」
がそこにはあります。
それを、
現実の開かれた空間の道徳で測ろうとするから、
強い歪みを感じてしまう。
そして、なぜか、
その歪みを抱えたまま
コミックやアニメといった
「公共の場」に流通させちゃうんですよね…。
「濾過」しないままな放流するエンタメの仕組みも、
「なろう 気持ち悪い」という印象を広げた
一因になっていると私は思っています。
あとがき:
仕事で会報誌をつくっていた頃、季節の手仕事を紹介するのに「歳時記」を学んでいた時期がありました。だからふと思い出したのですが、今日は夏越の祓(なごしのはらえ)――半年間でたまった罪や穢れを祓い清めて無病息災を祈願する日です。この日、一部地域では厄除けとして「水無月」を食べます。氷を模したこのお菓子は、かつて庶民が手にできなかった涼の象徴でした。届かないものの形を模して代替するという行為は、万能感をなろう系に求める心とどこか響き合っている気がしますね。要するになろう系は現代版「厄除け」なのです( ー`дー´)キリッ 異論は認めます(笑)
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カランコロン

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