【第46回】イヤホンなしで外に出られない。なのに話しかけには気づかない
こんばんは!ねこ丸です!!
ADHD当事者のわたしが、日々の失敗を「あるあるだよね〜」って笑いながら、ちょっとだけ賢くなって、ポジティブに帰るこのnote、46回目!!
今日は、わたしの体の一部と言っても過言ではない、あの相棒の話です!!
「イヤホンをしてて、話しかけられても気づかない。でもイヤホンなしでは、外に出られない」問題!!!
肩を叩かれてビクッとするたび謝ってるのに、それでも手放せない、耳の中の最愛の相棒。
この複雑な関係、本日、全部言語化します!!
① イヤホンと生きる、ある一日
朝。家を出る直前の最終装備確認。鍵、財布、スマホ、イヤホン。この4点が揃って、はじめて出撃。
忘れた日。駅で気づく。取りに戻って、遅刻する(第12回の遅刻に新ルート追加)。
取りに戻れない日は、丸腰の電車です。車内アナウンス、隣の人の会話、誰かの咳、ドアの開閉音、遠くの赤ちゃん。全部の音が、等しく、直接、脳に届く。降りる頃には、なぜかヘトヘト。何もしてないのに(第22回の疲労とはまた別の、音の疲労)。
職場。イヤホン(片耳)で作業に没頭。
トントン(肩)。
「ビクッッ!!!」
振り向くと同僚。
「何回か呼んだんだけど……」
「すみません!!!」
この謝罪、今月何回目…?(ビクッのリアクション芸、社内で定着しつつあります)
帰宅後。家の中でも、つけてる。外したのはお風呂の前後だけ。わたしの耳、1日のほとんどが「上映中」。
無視するつもりなんて、1ミリもないんですよ。
でも手放せない。
この矛盾の正体、今日こそ解明します!!
② イヤホンは「三役をこなす福祉器具」だった
人類の耳には、すごい標準機能がある。
まず、「なんでイヤホンなしで外に出られないのか」なんだけど、定型発達の人の耳には、「カクテルパーティー効果」っていう優秀なフィルターが標準搭載されてるんですよ。
パーティーのざわめきの中でも、「自分に関係ある音」だけを前景に引き上げられる。遠くで自分の名前を呼ばれた時だけ、パッと気づく、あれです。
ざわめき全体は聞こえてるのに、脳が勝手に聞くべき1本だけを選んで浮かび上がらせてる。すごい技術でしょ。
でも、わたしたちはこのフィルターが弱いんです。
だから電車の中の全音声が、同じ音量で、全部、前景に来る。隣の会話も、アナウンスも、ドアの開閉音も、全員がメインボーカル!
音の洪水。丸腰の電車がヘトヘトになるの、これです。
で、イヤホンが何をしてるかというと、入国する音を、自分で選んでる。壊れ気味のフィルターの代わりに、全方位の洪水を、自分が選んだ1本の川に置き換える。
防波堤なんですよ、あれ。
しかも相棒、仕事を兼務してました。
無音の移動時間って、脳が暇=DMNの営業時間(第9回)なんですよ。放っておくと脳内ラジオや反省会が開演する。イヤホンのポッドキャストや音楽は、劇場の席を先に埋める仕事をしてる。第9回で寝る前にやってたあの作戦の、日中フル稼働版です。
さらにもう一役。移動って、低刺激タスクなんですよ。退屈な道のりを、テンションの上がる曲でブーストして走り切る。歯磨きの歩行(第44回)と同じ、覚醒維持装置でもある。
つまりイヤホンは、福祉器具です。
「防波堤・座席・エンジン」の三役をこなす補装具。それがイヤホンの正体です。
「イヤホンがないと外に出られないなんて依存?」
違います!眼鏡がないと外に出られない人を、依存とは言わないでしょ!
眼鏡は視力の補装具。イヤホンは、注意フィルターの補装具。堂々と装備していいんです。
「話しかけに気づかない」問題。
ここ、重大な真実があります。
話しかけられても気づけないのって、実はイヤホンのせいじゃないんです。
没頭してる時のわたしたち、イヤホンがなくても気づきません(過集中の電話線抜き・第14回)。イヤホンは、気づかなかった時に「イヤホンしてたから」っていう見える理由を提供してくれてるだけ。むしろアリバイ装置なんですよ。
真犯人は、耳じゃなくて、注意の方。
③ 対策は「外音取り込みモードを使え」らしい
よく言われてる対策がこちら。
「外音取り込み機能を使え。音楽を聴きながら周囲の音も聞こえる」。
現代のイヤホン、賢いんですよ。マイクで外の音を拾って混ぜてくれる。音楽も、呼びかけも、両方聞こえる。
文明の完全回答!!これで肩トントンのビクッ!!も卒業!!
(46回目!!イヤホンを外して(外さなくてもいいので)ご唱和!!——「様式美!!!!!」)
④ やってみた結果を発表しまーーす!!
外音は取り込まれましたが、脳が入国を拒否しました。
外音取り込み、オンにしました。確かに聞こえる。同僚の声も、周囲の音も、物理的には、届いてる。
で、呼びかけに気づいたか?
気づきませんでした!!
……そういうことなんですよ!!②で言った通り、問題は耳じゃなくて注意!
音は鼓膜まで来てた(と思う)。でも没頭中の脳が、届いた音を処理しなかった。「聞こえる」と「聞いてる」は別工程(会議で実証済み・第19回)。
外音取り込み、入国はさせたけど、入国審査で全員止まってた。しかもノイズまで入国してくるので、防波堤としての機能は半減。
いいとこなし!!
じゃあってことで「職場では片耳だけ」ルール!
片耳が開いてれば届くはず!
……開いてる側の耳から話しかけられても、気づきませんでした。
完全実証!!
耳、関係なかった!!
没頭の壁は、耳の数では越えられない。しかも片耳運用、没頭度が中途半端になって作業も進まないというオマケつき。
防波堤に穴を開けたら、集中も漏れた。
極めつけ、「呼ばれたら気づける音量まで下げる」作戦!
音量を下げると、外のノイズが音楽に勝つんですよね。防波堤より波が高い状態。
で、どうなったかというと、気づいたら、手が勝手に音量を戻してました!!
無意識のボリューム操作。設定は意志で下げても、音量は本能が戻す。
うちの手、アラームも止めるし音量も戻すし、無意識の仕事が多すぎる!!
⑤ それでも、あの相棒は薬箱なので
はーい!!ポジティブ担当・ねこ丸です!!
今日はまず、宣言から!!
イヤホンは、福祉器具です!!眼鏡と同じ!!
「ないと外に出られない」は依存じゃなくて、装備。音の洪水から自分を守り、脳内劇場の席を埋め、退屈な移動にエンジンをかける。3つの仕事を1つでこなす補装具を、堂々と、装備しましょ!
「イヤホン外しなよ」への回答は今日から「これ、眼鏡なんで」でいきましょう。
ちなみに仕事では事前に使用許可はもらっときましょう。わたしは、イヤホンはダメでも耳栓はOKみたいに相談で決めてました。
本日の主砲:「呼ぶ側と、契約を変える!」
そのうえで、運用の最大の懸案「気づかない」対策から。④で実証された通り、耳側の改善は全滅でした。なら、呼ぶ側との契約を変える。
「わたし、イヤホン中(というか没頭中)は声が届かないので、肩トントンで呼んでください。ビクッてするけど気にしないでください」。
先に仕様公開(正直カード・第6回)!!
ポイントは「気づかなくても無視じゃない」を先に明文化しておくこと。誤解の芽を、契約書で先に摘む。
デスクに「お呼びの際は肩タップで」の小さいメモを置く猛者も、実在します。アリです。わたしはできませんでした。
流す音は、「薬」として調合する。
イヤホンが福祉器具なら、流す音は薬です。用途別に調合しましょ!
集中用(歌詞なしのインスト・環境音:言語野を邪魔しない)、移動用(テンションの上がる曲:覚醒ブースト)、脳内劇場の消灯用(興味1ミリのポッドキャスト:第9回の処方そのまま)。
「なんとなく音楽」から「症状に合わせた処方」へ。プレイリストは、あなたの薬箱です。
忘れた日の保険:カバンに有線イヤホン。
丸腰の電車、あれは絶対に避けたい。だから、安い有線イヤホンを、カバンに常駐させる。
充電不要(第32回の乾電池思想!!)、なくしても痛くない、絡まってても許せる価格。メイン機を忘れた日の、予備の眼鏡です。
丸腰、廃止!!
そして最後に、耳の休憩も設計する。
防波堤、24時間閉めっぱなしだと、聴覚も疲れます。1日のどこかに意識的な無音タイム(帰宅後の10分とか。わたしはお風呂)を置いて、耳と脳をクールダウン。
防波堤も、たまに開門。
海を見る時間も、要ります。
(装備最適化率、当番組公式レート——「3割で殿堂入り!!!」でも肩トントン契約は結んだ日から永続効果!!人間関係の設定変更、一回で済む!!)
イヤホン越しでも根気強く、肩を叩いて呼んでくれる同僚、家族、友達。あの人たち、あなたの仕様を分かった上で付き合ってくれてる人ですからね。
ビクッとした後の「ごめん!!」に「いいよ笑」って返してくれる関係、装備と同じくらい、大事にしましょ。
それでは今日はこのへんで!!
ねこ丸でした〜〜!!
この記事も、歌詞なしのプレイリスト(処方薬)で書きました!!効能:過集中。副作用:肩トントンにビクッ!!用法用量を守って、正しくお使いください!!
次回予告:「湯船で意識が宇宙に飛ぶ。気づいたら1時間」問題。シャワー問題(第2回)から45回、ついに、お風呂サーガ完結編。湯船の中で、わたしはどこへ行っているのか。
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