【第44回】洗面所で始まった歯磨きが、ベランダで終わる——8分間の家庭内大冒険
こんばんは!ねこ丸です!!
ADHD当事者のわたしが、日々の失敗を「あるあるだよね〜」って笑いながら、ちょっとだけ賢くなって、ポジティブに帰るこのnote、44回目!!
今日は毎晩開催されている、あの小さな探検の話です!!
「歯磨きしながら、家中を徘徊する」問題!!!
友人に聞いてびっくりしたんですけど、歯磨きって、洗面所でするものらしいんですよ。鏡の前で、じっと。
嘘でしょ?わたしの歯磨き、毎回家一周の旅なんですけど。本日はこの謎の航海、GPSログを公開します!!
出発〜〜〜!!
① ある夜の歯磨き・航海日誌
0秒。洗面所。歯磨き粉をつけ、磨き始める。ここまでは文明人。
10秒後。洗面所を、出る。(もう!?)
30秒後。リビング。テレビの前でシャカシャカ。座りはしない。立って観るという中途半端な滞在。
1分後。玄関。ポストから持ち込んだ郵便物を、片手でめくりながらシャカシャカ。
2分後。ベランダの窓。夜景を眺める。シャカ……シャカ……(磨きのペースが、落ちている)
3分後。寝室。明日の服について考える。シャカ(ほぼ、止まっている)
5分後。廊下。わたしは今、磨いているのか、咥えているのか。
8分後。洗面所に帰港。うがい。終了。
……推奨3分のところ、8分!!
しかもそのうち実際に磨いてた時間、正味何分!?移動距離、推定60メートル!!
歯磨きって、移動を伴う競技でしたっけ!?
今日はこの謎の航海、理由を突き止めます!!
② 歩いているから、磨き続けられていた
調査の結果、驚きの事実が判明しました。あの徘徊、サボりじゃなくて、エンジンだったんです。
まず状況を整理しましょう。
歯磨き中って、手は自動運転、目は自由、脳は無職なんですよ。3分間、脳に仕事がない。
当連載の読者はもう分かりますね。脳が暇になると、何が起きるか(第9回)。DMNが起動して脳内番組が始まるか、刺激を求めて体が動き出すか。歯磨きの徘徊は、後者です。
そしてここが本日の核心——ADHDの脳は、低刺激の状態で覚醒を保つために、体を動かすんですよ。貧乏ゆすり、ペン回し、会議中の落書き(第19回)、全部同族です。
じっとしてると覚醒レベルが下がって、タスクごと沈没する。歩行は、歯磨きという退屈な任務を続行するための、覚醒補助エンジンなんです。
つまりわたし、フラフラしてるんじゃなくて、歩くことで、歯磨きを守ってた!!……という側面が、あるんです!!(全肯定はしません!!後述!!)
ちなみにこの「歩くと脳が回る」、人類共通の仕様らしい。
スタンフォード大の実験では、歩いてる人は座ってる人より、創造的なアイデアの数が平均6割も多かったそうです。散歩中に名案が浮かぶのは偶然じゃなくて、仕様。
わたしたちはその仕様を、毎晩歯磨きで起動してるだけなんですよ。
ただし、航海には事故がつきものですよね。
徘徊ルート上の視界に入った物——郵便物、スマホ、明日の服——に注意が着弾するたび、副業が開始されるんですよ。そして副業中、歯ブラシは咥えたまま停止。
①の後半でペースが落ちてたの、あれ、磨いてないんです。咥えてただけ。8分の航海のうち、実際の歯磨き時間は闇の中。「磨いた」と「咥えてた」の区別がつかない。歯磨きにも、検品システムの闇(図鑑No.3)が!!
しかも「鏡の前でじっと3分」って、わたしたちには「3分間、何もしない」に等しいんですよね。
もったいない!!
この3分で何かできるのでは!?
というながら欲が、足を外へ向かわせる。じっと立つことが、苦痛。3分が、あまりにも長い(タイムブラインドネスは退屈な時間を引き延ばす方向にも働く)。
③ 対策は「鏡の前で2分、動くな」らしい
よく言われてる対策がこちら。
「電動歯ブラシの2分タイマーを使い、鏡の前で動かず磨け」。
タイマーが時間を管理し、鏡が磨き残しを監視する。歯科的にも王道。文明の利器と共に、洗面所に留まれ!!
(44回目!!歯ブラシを咥えたままご唱和!!(発音は心の中で)——「様式美!!!!!」)
④ やってみた結果を発表しまーーす!!
電動歯ブラシと共に、旅に出ました。
2分タイマー付きの電動歯ブラシ、導入しました。で、コードレスなんですよ、あれ。持って歩けるんですよ。
結果、いつもの航海に高性能な相棒が加わっただけでした。ブイイイン(廊下)、ブイイイン(ベランダ)。
しかも30秒ごとに鳴る区切りの振動を、途中から「もう終わっていいよの合図」と誤認し始め、1分で切り上げる日も発生。
タイマー、時間の管理者から早期終了の口実へ転職しました。
(でも、電動歯ブラシで歯がツルッツルになったのは感動した。)
じゃあってことで根性の「鏡の前から一歩も動かないルール」!
物理で解決!!鏡の前に、立ちました。じっと。
……脳が、暇すぎて、別番組が始まりました。
鏡の中の自分と目が合う→「今日のあの発言、まずかったかな」→ミニ上映会、開幕(第9回の出張版)。
歯を磨きながら、心にダメージを負っていく…。じっとする=脳の空き時間=あの劇場の営業時間。動かない歯磨き、メンタルコストが高すぎました。
極めつけ、「立ち止まり用の刺激としてスマホを見ながら磨く」作戦!
脳に仕事を与えれば、足は止まるはず!
止まりました。足も、手も。
スマホに過集中(図鑑No.8)して、歯ブラシは口の中で完全停止。動画を観ながら、ただ歯ブラシを咥えてる人の完成です。
磨く時間より咥え時間が増えるという、本末転倒の極み。しかも洗面所にスマホを持ち込むと水没のリスクまで付いてくる。
刺激の供給、過剰でした。
⑤ それでも、旅する歯磨きにはコツがあるので
はーい!!ポジティブ担当・ねこ丸です!!
④で「止める」作戦が全敗して、②で徘徊の正体がエンジンだと分かって、結論、出ました。
徘徊は、止めません。公認します。
そのかわり、航路をちゃんと設計する!今日はそっちでいきます!!
ただその前に、ひとつだけ真面目な話を。
歯ブラシを咥えたまま歩くのは、転んだ時にけっこう危ないです(お子さんは特に!!)。なので公認の条件はこれ。
「歩くなら、磨き続けること」。
手が動いてる間は歩いてよし、手が止まったら、足も止める。咥えたまま歩くのが一番危なくて一番磨けてない時間なので、そこにだけ検問を置きます。
そのうえで、磨きの品質をどう守るか。答えは場所じゃなくて、順番です。
本日の主砲:「口の中に、地図を持つ!」
磨き残しの原因、実は「徘徊」じゃなくて「順番の乱れ」なんですよ。だから磨く順番を固定します。
「右下の奥から→右上→前→左上→左下」。
家のどこにいても、口内のルートだけは守る。体は家を一周していても、歯ブラシは口の中を正しく一周してる。
航海の自由と、磨きの品質の、両立。場所で管理できないなら、順番で管理する!!
航路のほうも、ついでに整えましょう。
どうせ歩くなら、「リビング→窓→戻る」の周回コースを決めて、副業発生地点(郵便物・スマホ・机の上)を避けたルートにする。
徘徊は止めない、誘導する!
第12回の「誤爆の銃口を出口に向ける」、歯磨きにも開通です。
散歩コースのある動物は幸せ。
わたしも幸せ。
そして帰港だけ、お約束を。
全行程を洗面所で、は無理でした(実証済み)。なら最後の30秒だけ鏡の前に戻って、チェック磨き。
航海7分+鏡30秒のハイブリッド運航!品質検査は、港で。
(運航率、当番組公式レート——「3割で殿堂入り!!!」でも口内地図は一度覚えたら毎晩効く永続スキル!!)
最後に、この徘徊のいいところを。
歯磨き中って、脳が暇で、手が塞がってて、圧力ゼロ。つまり小さなお風呂なんですよ(第42回のアルキメデス理論)。
歯磨き徘徊中に浮かんだアイデア、意外と良くないですか?わたし、この連載のネタ、歯磨き中の廊下でけっこう拾ってます。
あの3分の旅は、口の掃除と、脳の散歩を兼ねてる。文明人には見えなくても、けっこう豊かな時間なんですよ。
それでは今日はこのへんで!!
ねこ丸でした〜〜!!
今夜の航海も、右下の奥から出港します!!口内地図を胸に!!(手が止まったら、足も止めます!!約束!!)
次回予告:「温めたコーヒーが、レンジの中で夜を越す」問題。「あと1分温めよ」→ピーッ→……無音。あの密室で冷めていく飲み物たちの物語。
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