#590 サラリーマン起業奮闘記1 〜「一人両利きの経営」の開幕〜
2024年9月、まちづくり専門家の木下斉さんの「ジブン株式会社ビジネススクール」が開講したときに、単なる学習だけでなく、実際に自分の人生に変化を起こすためのきっかけにしたいと考えていました。
「ジブン株式会社ビジネススクール」の第一期は2025年3月まで続くということで、せっかくであれば、単にフレームワークに従った分析手法を学ぶだけではなくて、私なりの「ジブン株式会社経営」を実践しながら学ぶことで、自分の人生にもダイレクトに変化を付ける機会にしたいと考えています。
そして、その「人生の変化」の一つの形として・・・
2025年5月、起業しました!!! ٩( 'ω' )وわっしょい!
今日から「サラリーマン起業奮闘記」のシリーズモノとして、不定期で起業に関する発信も混ぜていきたいと思いますので、みなさま引き続きご贔屓にどうぞ!
今日は、なぜIT業界の大企業管理職として働きながら、複業の形で起業するに至ったのか。その経緯と理由についてご紹介します。
「一人両利きの経営」という言語化
「ジブン株式会社ビジネススクール」開校時の初回授業を受けて、自分なりの具体的な人生の方向性を言語化しました。キーワードは、「一人両利きの経営」です。
これは、イノベーション関連では有名すぎる「両利きの経営」で紹介されている考えを「ジブン株式会社」に適用したものです。
いわゆる「イノベーションのジレンマ」とは、大企業が、既存の商品に関して持続的なイノベーションを行って高い収益を上げているが故に、ひょっこり現れた破壊的なイノベーションに遭遇しても、相対的に市場規模が小さいことや既存事業とのカニバリゼーションを恐れて、すぐに太刀打ちできず、破壊的イノベーションにゲームチェンジを許してしまうという考え方。
スタンフォード大学大学院教授のチャールズ・オライリー氏と、ハーバードビジネススクール教授のマイケル・タッシュマン氏が提唱した「両利きの経営」は、組織が「イノベーションのジレンマ」に対応するためには、一つの会社組織の中で既存事業の「深化」を担う組織と、新規事業の「探索」を担う組織の2種類を持ち、それぞれを別組織にするなどして明確に分けることで、序盤ではどうしても市場も収益性も小さくなりがちな新規事業も伸ばしていくという考え方を示しています。
「両利きの経営」の難易度が高いのは、トップの覚悟と力強いリーダーシップが最重要であること。なぜならば、既存事業を担う組織と新規事業を担う組織の間では、必ずハレーションが起きるからです。経営リソース配分の面から、「限りあるリソースを既存事業に割いた方が短期的な利益は大きくなるけれど、あえて収益性の低い新規事業側に充てる」という判断が必要です。
私自身も企業の中で、この両方の立場を経験したことがあります。既存事業の「深化」をミッションとしているときには、「今の仕事も人が足りておらず、もっと人さえいれば断らざるを得ない仕事も受注できるのに・・・」と感じていました。
一方で新規事業の「探索」をミッションとしているときには、「既存事業がいつまでも安泰であるわけないのだから、すぐに収益が上がらなくても、新事業の種蒔きにもっとリソース割くべし!」と考えていました。
このように、どうしても組織の中では、自分がそのとき所属している組織の論理が強くはたらきがちで、私個人としても両方大事だと分かっているものの、それを自分だけではコントロールできないもどかしさがあったのです。
しかし、昨年秋に私が感じたのは、「ジブン株式会社」という単位の話であれば、自分が自分に対してリーダーシップさえ発揮できれば「既存事業の深化」と「新規事業の探索」を両立できるのでは?ということです。
ステークホルダーが多いから、リソースの奪い合いが発生します。しかし、「自分の時間」というリソース分配の話であれば、誰かと取り合ったりすることなく、自分で意思決定できます。
これは十分に成立するし、これからの時代のキャリア形成の一つのモデルケースになりうるのでは?という一つの「探究テーマ」が自分の中に立ったのです。
経営者になるまで、経営できない会社員のジレンマ
会社員として15年働いてきて感じる一つのジレンマは、キャリアの延長線上の一つにある「経営ポジション」で必要なスキルを身につけることが求められる一方で、現場管理職の立場では「経営を実践する」ことができないことです。
「経営視点を持って意思決定できるようになりなさい」と言われ、もちろんそのような気概を持って日々判断することはできます。しかし、実態の立場がそうでない以上、どこか本気度が足りないというか、どこまでもシミュレーションしかできません。
会社員にとって、大きく負荷が上がる昇格のタイミングは2つです。1つは、現場担当者の立場から管理職に変わるとき。メンバーの労務管理や人材育成の仕事に転換し、自分自身の仕事の成果ではなくチーム成果で評価されるようになります。だから、それまでの仕事のやり方の延長では、全く太刀打ちできなくなります。
もう1つが、管理職から事業部長など、経営ポジションに変わるときです。それまでは部長や課長というポジションで現場「プロジェクト」のマネージャーとしての力量が問われますが、経営目線が入り「事業」責任者としての力量が求められます。
しかし、いくら能力主義で年齢関係なく登用される機会が拡大されているとは言え、大企業で実際に経営ポジションにいくのは40代後半になってからのケースがほとんどです。それに、強運が味方した、実力あるごく少数の人にしか、そのイスは用意されていません。
経営マインドを持つには、自ら経営者になって実践するしかありません。しかし、実践者として経営に携わってスキルを身につけていくために、10年以上待つというのはシンプルに時間の無駄だと感じました。たとえ小さな会社でも、身体が元気な30代の今のうちから経営実践者になることで、この先40代、50代になっても「自分で稼ぐ力」を持てるはずと考えたのです。
「強者の戦略」と「弱者の戦略」を両立する
「一人両利きの経営」において「強者の戦略」が取れるのは、大企業管理職としての立場です。世間的には批判されることも多い大企業ですが、なんだかんだリソースは潤沢だし、個人のWillと組織のMustをうまく繋げることで、一人では到底できないことがたくさん実現できます。
現在、事業部エンゲージメント推進メンバーとして、私が尊敬するVoicyパーソナリティを会社にお呼びする計画を動かしています。もちろん大企業でなくてもできるとは思いますが、そのハードルが高くないので「強者の戦略」としてチャレンジできる領域です。
一方、「一人両利きの経営」における「弱者の戦略」は、小さな会社の経営者として、小回りきかせて自分がやりたい事業ができることです。大企業では決して手が出せない小型案件を、自分が全責任を負って全て回すことができます。
自分としては、社会にとって意味ある仕事だと思っているけれど、会社のミッションや方向性と合わない事業を、会社でやるのは本当に難しいです。これはもう、構造的な問題。
このように「大企業リソースを活用すればできること」と、「大企業では手が出せない自分がやりたいことをやる」の2つを両立する、これが「一人両利きの経営」です。
その「箱」として、まずは自分の会社を持ったことで、ようやく出発点に立つことが出来ました。今後、この箱をどのように使っていくか。
続編はこちらですので、ぜひあわせてお楽しみください!
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