#591 サラリーマン起業奮闘記2 〜起業はリアルゲームである〜
2025年5月、ずっとやりたいと思いながら、なかなか実現できていなかった複業起業をしました。
サラリーマン起業シリーズの初回は、なぜ大企業管理職をしながら起業したのか?その理由について「一人両利きの経営」というキーワードで解説しました。
30代後半で4歳以下の3人の子どもがいる状態で、いきなり仕事をやめてゼロイチで起業に踏み切るのはリスクが大きいけれど、余力でスモールトライからはじめて「自分で稼ぐ」実感を得るのは、極めて現実的な選択肢。
将来会社を定年退職になっても、会社の斡旋などで自分に選択肢がない状態で次のキャリアに進むのではなく、自分のやりたいこと・自分がやるべきと信じることで生涯にわたって「稼ぐ力」を付けておくことが、一番の「老後への備え」である。
こんなキャリア戦略からも、今のうちに(本当はもっと若いときからやればよかったが、過ぎてしまったことは仕方ない)自営力を身につけることが必須であると考えました。
今日は、私が「ウダウダしてないで、早く起業しよう!」と最後にお尻を叩いてくれた木下斉さんの放送をご紹介しつつ、私がどのような点に「起業の魅力」を感じたのか、お話したいと思います。
会社は自分のやりたいことをやる道具
20代のうちは、東南アジアのいう土地で、厳しくもとても充実した毎日を過ごしていました。この時期に考えていたのは、とにかく「周囲から一人前だと認められたい!」ということ。
IT企業での社会人生活をスタートさせてから数年は、なかなか「林と言えばこの領域の第一人者」と呼べる領域を作ることができず、仕事仲間に信頼されていないことはないけれど、「私じゃないとダメ」みたいに認知されていないと感じていました。取っ替えの効く代替品。何となくそんな自覚があって、「代替できない自分」であるためのスキルを身につけ、そのような評価が得られる場所を探していました。
そこで英語を勉強して東南アジアの仕事に移り、厳しい上司と環境に鍛えられながら、ようやく「自分と言えばこの領域の第一人者」と呼べるものが見つかりました。30代前半までは、とにかく自分の能力を上げて出来ることを増やし、周囲の期待に応え続けることを喜びとしていました。
しかし、その後子どもが生まれて、高校時代からの友人との別れを経験し、「自分が持っているものを元に社会貢献したい」とか「次世代が希望を持てるような活動に時間を使いたい」という考えにモードチェンジしていきます。
そこで徐々に感じ始めたのは、勤めている会社という箱は、確かに自分一人では到底できないことを実現するための道具なんだけれども、やる・やらないの判断を完全に自分一人では決められないもどかしさです。
自分が100%出資した会社であれば、お金と時間の使い方を全て自分で決められます。短期的には利幅が少ない仕事であっても、やる意義があると思えばやるし、売上は一定の規模が見込めても、時間をかけてやる意義がないと感じる仕事であれば断ることができます。
私は自分がやりたいと思ったことに本気で取り組んでいくには、一定のコストを払い、仕事として対価を得てやることが必須だと考えています。その方が、アウトプットに対する品質に責任を持てるようになるからです。自分がやること・やらないことを自分で決めたい。その判断を誰かに諮るための労力をかけたくないし、それでスピード感を落としたくない。起業は、自分がやりたいことをやるための「道具」を購入した、くらいの感覚です。
起業はリアルゲームである
自分の手持ち資金を元手にして、投資してリターンを得ながらやりたいことに磨きをかけていく。こんなに面白そうなことはないと感じました。
現在考えていることは、とにかく役員報酬は1円も取らずに、利益を会社に内部留保し続けることです。役員報酬を取ると、社会保険料の支払いが必要になるという理由もありますが、単純に自分の会社を別のサイフのような感覚で見ているからというのが大きいです。
会社員としての給与所得で、自分と家族の生活費や子どもの教育費を賄い、自分の会社での事業所得は、社会に対する自分なりの価値を提供するための原資を置いておくというように、用途の異なるサイフを2つ持てています。
「法人格」という自分とは別の「人格」を作り、そこを一つのお金の置き場とする。銀行預金に置いたままでは、ツールであるお金をどう使って活かそうか?という発想になりにくいですが、法人格の持ち物とすることで活かし方を考えられます。
資本金は300万円を入れて会社をスタートさせましたが、法人税を払いながら、役員報酬0で1,000万円まで内部留保する。そこまでに1,000万円を元手にした次の事業のロードマップを作っていく、一旦はざっくりそのようなイメージを持っています。
元手からお金を増やす面では投資と同じですが、自分が直接事業のやり方に関われるのが、起業ならではのメリット。投資先の会社も必ず何らかの事業をしているはずで、その事業の成果によって投資効果が決まります。起業では、自分で事業に直接的に関わって、投資効果に直接的に影響を及ぼせる。こんなに面白いゲームはないと感じ始めています。
自分で事業を回すことの副次効果
自分のやりたいことをするための「箱」というだけでなく、小さくても実践を通じた経営を回せることで得られるものは大きいはずです。
「一人両利きの経営」で重要な視点は、勤務先でのマネジメント業務と自分の会社の事業の相乗効果を持たせることです。「時間」をそれぞれ別個に分配するだけでは、本業で残業しているのと変わりません。
小さくても自分で売上を立てて、経費を払い、決算する。お金を一人でぐるりと回す経験は、本来、より大きなお金を動かすことの多い企業管理職には必須の能力のはずです。
どうしても大企業では、それぞれの機能が分割されていて全体が見にくくなってしまうから人事ローテーションを行ったり、将来の経営層を育てるための研修を行います。しかし、自分で売上をどう上げるかを考える宿題を自分に課し、試行錯誤することが本来最も学べるはず。この経験は、勤務先の仕事にも必ず活きてくるでしょう。
また、自分の事業には定年がありません。そのため、定年を迎えて収入が下がるとか、将来年金がもらえるだろうか?といった不安から解放されます。
私の場合、管理職定年は50代前半にやってきますが、「人生100年時代」において、50歳なんてまだまだ半分の折り返し地点。生涯にわたり、活力持って幸福度を上げていくためには、生きている限り仕事を通じて社会貢献し、納税して、年金をもらわずに生活できるようになることだと考えています。
自分の人生のハンドルを手放し、「与える側」から「与えられる側」に逆戻りした途端、「クレクレ君」と化して受け身な人生になってしまう。そのほうが怖いことです。
自分が勤務先での収入を上げていくフェーズにいるうちから、R&Dとして次の事業の種蒔きをしておく。
これは、単純に「いま」やりたいことをやるための「箱」を作るというだけでなく、「将来」の人生の主導権を失わないための人的資本(能力)、社会関係資本(人間関係や信頼)を積み上げるための選択です。
続編では、実際に起業までに何をやったのか?どのような判断をしたのか?について、ご紹介しています。あわせてお楽しみください!
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