#621 規模の拡大ではない、意味ある「自分KPI」
木下斉さんの2025年7月の「ジブン株式会社ビジネススクール」課題について考えます。今月のテーマは「スモールジャイアント戦略」です
「スモールジャイアント戦略」とは、「規模の拡大より、意味・意義を選ぶ」経営方針です。売上や店舗数ではなく、価値観・顧客体験・社員幸福度などの「質」を求めること。
1限目・2限目では、私自身のスモールジャイアント戦略とは何か。規模や年収といった指標に捉われずに、自分なりに一番大切にしたい関係性について考えました。
そして3限目では、「数字ではないKPI設計」がテーマになっています。組織で働いていると、毎年毎年厳しい数字目標が降ってきますが、その数字を達成したらどうなるのか?がイマイチ腑に落ちないことも多いのが本音です。
トップラインの向上、利益率の改善、もちろんこれらも大切ですが、間違いなく「一番大切なこと」ではありません。
拡大するにしても、拡大して自分たちがどうなりたいのか。どのように社会から認識されたいのか、という話抜きに、ただ毎年青天井で掲げられる数字目標ばかりを追い続けても、自分のことがまるで回し車で走り続けるハムスターのようにしか見えてきません。
会社で設定されるKPIは、中身がない数字だけのものであったり、定性的な目標を無理矢理定量的な目標に解釈して設定された、本質的な意味があるのか不明なものばかりです。最近は、そんなことしていても仕方なくないか?という気持ちが湧いてきてますが、せめて自分自身の目標くらいは、もっと本質的に、心から欲しているものを目指していきたい。
今日は、そんな想いで考えた3つの「自分KPI」についてご紹介します。
1. 本業での時間外労働0時間
ここ1週間、全く蔑ろにされてしまっているKPIがこれです。平日・土日関係なく、起きてる時間はほとんど仕事していました。。さすがにこのままだと体調崩すので、今日は午後から強制的に休みを取っています。
もちろん、「どうしても今は踏ん張らないといけない」というときは人生の中にあります。理不尽なことであっても、不可抗力のことであっても、自分の役割を全うしなければならないときはある。
ただ、この状態がずっと続くのは、明らかに持続可能ではありません。パフォーマンスは徐々に落ちてくるし、起きている時間は常に緊張状態が続いているというのが、私が求めている生き方ではありません。
最近気付きましたが、私は「読みたい本が読めない」、「ゆっくり考えたいときに考えられない」ことに強いストレスを感じるようです。
そして、その分かりやすい原因が「残業時間」。
本業の中で、長い時間軸で高い集中力を保っていくには、「残業時間をゼロにする」ことが非常に重要です。
ライフワークブレンドな生き方をしている私にとっては、仕事ではない時間に、仕事のヒントになるような学びが得られることもたくさんです。
学ぶために仕事を実験的にやっているところもありますし、本業でも自営の事業においても、自分が「これやったらどうなるんだろう?」と感じることを、遊び心で実験する。こんな生き方を探究しています。
だから、本業だけに1日の時間のほとんどが取られている状態は明らかにバランスが悪すぎるし、精神衛生上も良くありません。だから、自分が大切にしたいKPIとして「時間外労働0時間」はかなり重要です。
2. 睡眠時間7時間
これも最近守れていなくて明らかに幸福度が下がっているのですが、日々の睡眠時間を7時間確保することにはこだわりたいです。
睡眠が蔑ろになると、明らかに日中パフォーマンスが落ちるんですよね。仕事をしていても、家族との時間を過ごしていても、「なんか疲れている」状態が続くと、「これをやってみたらどうなるのかな?」という好奇心や遊び心は失われ、元気すぎる子どもたちにイライラしてしまうことも。。
私は朝起きてすぐの「脳のゴールデンタイム」に集中時間を作り、日中のバタバタの中では考えることができないことを考えるのが好きです。ここ数年は、この朝の時間に考えて文章に書いたことを実行しながら、様々な新しいことにもチャレンジ出来てきました。
当たり前ですが、朝4時頃に起きようと思ったら、前日は21時くらいには寝る必要があります。そのためには、遅くても18時ごろには仕事を切り上げ、子どもたちとご飯を食べたりお風呂に入ったりして、一緒な時間に寝ないといけません。
睡眠7時間を保つことは、日中の集中力を上げて、判断力を正常に保つための必須条件です。
どんなに素晴らしいことを成し遂げている人も、日々のリアリティは小さな選択の連続のはずです。毎日のちょっとした選択や判断の繰り返しによって、自分の生活の質は高めていけるのです。
睡眠が不足していると、全ての判断が鈍ります。本当はこれがしたいけど、疲れていてできない、余裕がない。これではいつまで経っても負のループから抜け出せない。今がいっぱいいっぱいの時は、何かを諦めて寝るに尽きる。
楠木建先生が「上手くいかないときは、うどん食って、布団かぶって寝ろ」とおっしゃってますが、まさしくその通り。睡眠7時間の継続は、毎年クリアすべき必須KPIです。
3. 機会の拡大のためには「採算度外視」
3点目は、日々の小さな選択の一つ一つに「採算が取れる」ことを求めないことです。
新しいチャンスや視野を広げる機会に繋がるかも?と思うときには、思い切って投資をしていく。
ここでのポイントは「売上の拡大」ではなく「機会の拡大」という点。
やればやるほど売上は上がります。1点目と関連付けるならば、私が勤める企業では、平日も土日も仕事のことばかり考えて、量をこなすことで評価を上げることはできると思います。
実際私が20代のときには、そこで評価してもらっていた部分はあると思いますし、会社から見ると「他のことより会社のことを優先してくれる人」をより評価したいと考えるのも理解はできます。
しかし、これでは「売上」は拡大するかもしれないが「機会」は拡大しません。
ここでいう「機会」とは、自分が属している組織や経験とは全く別の可能性を探索することです。
私は、かつて国内の仕事から転換して東南アジアの仕事を約10年担当しましたが、きっかけは採算度外視の活動でした。
TOEICは英語力を示すほんの一部の要素でしかありませんが、「海外の仕事がしたい!」と思ったときに「とりあえずTOEICの点数を取れば会社は異動させてくれるはず」と考えました。
そこで、毎月TOEICを受験して、レアジョブやDMM英会話などのオンライン英会話を毎日1時間行い、英単語をひたすら覚えました。これを1年半続けてTOEICの点数は300点以上上がり、希望通り海外の部署に異動できたのですが、そこで経験できたこと・得られたものは、これまでの人生で一番大きな収穫でした。
英語の勉強に費やしたお金や時間は少なくありませんでしたが、その後10年のキャリアで得られたものを思えば、100倍くらいのリターンが得られた実感があります。(使いきれない飛行機のマイルだけでも十分回収できました笑)
現在も、有り難いことに月に1〜2回程度は何らかの講演等にお声がけいただきますが、基本的にお受けしているのは、「採算度外視」の先に面白いことが待ち受けていると考えているためです。
1回1回の講演対応における採算だけを考えると赤字なことが多いですが、今は講演などで新しい人と出会う中で新しい仕事に繋がったりするのが楽しいのです。
講演対応は、面白いプロジェクトをもう少しコンスタントに作ったところで取捨選択していけばいい。自分の機会を広げるかも?と感じる仕事は、単発では採算が取れなくても、長期的リターンが大きいのです。
以上3点が、私の人生の充実を支える「自分KPI」です。毎年「上に上に」ではなく、より人生を深化させるための大切な指針です。
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