立派になったね、と思った日 ~音が連れてきた、あの頃の記憶~
先日、親友の主催するイベントに行った。
会社員時代、ベリーダンス教室で出会った人だ。
彼女はすでにダンスを職業とする人で、出会って間もなく仲良くなって、最初のトルコ旅行へは彼女と一緒に行った。
一緒にベリーダンスショーを企画して、開催したこともある。

トルコでは、現地のベリーダンスの先生に、数日間教わったあった。
お礼に何かできないかと考えて、日本の演歌をベリーダンスの振り付けにアレンジして披露した。
坂本冬美さんの「夜桜お七」だった。
以来、あの曲は私にとって思い出の一曲となった。
衣装や小道具には、浴衣、扇子も使った。披露し終わると、先生は
「こんなことをしてくれた人は初めてだ」
と、とても喜んでくれた。
あの発想は、彼女ならではだったと思う。
人を楽しませることに関して、彼女には特別なセンスがある。
さすがエンターテイナーだ。


そんな彼女は今、ベリーダンスのインストラクターとして活動している。
少しずつ生徒さんが増えていって、今では何ヵ所かの教室を受け持っているらしい。
昨日は、そんな彼女の生徒さんたちの発表会を兼ねた、レストランを貸し切ったイベントだった。
会場では、トルコ語の曲が流れていた。懐かしくて、少し胸がぎゅっとなった。
あの頃、一緒に練習していた日々や、トルコで大笑いして過ごした時間が、音と一緒に蘇ってくる。
彼女が立派に場を回している姿を見ていたら、じわりと涙が出そうになった。
かつて隣で一緒に踊っていた人が、今はたくさんの生徒さんを抱えて、堂々と現場を仕切っている。
生徒さんたちからも慕われて、幸せな空間ができていた。
その立派さに、なんだか胸がいっぱいになった。
親の気持ちとも違う。でも彼女を誇らしいと思った。
彼女はこれまで、いろいろなダンスを経験してきたという。
その中で一生の仕事として選んだのが、ベリーダンスだった。
あの頃から今まで、世の中が変わり、ライフステージも変わり、すべてが順調に運んできたわけではなかった。
でも、好きなものを見つけて、それを仕事にしていく強さを、隣で見てきた気がする。
家にはまだ、トルコで買ってきた衣装や練習着、小物が残っている。
今さら人前で踊りたいとは思わないけれど、家の中でこっそり踊るくらいなら、いいかもしれない。
運動不足の解消にもなりそうだし。

音が、記憶を連れてくる。
そして記憶は、誰かの成長を、こんなにも鮮やかに見せてくれる。
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