プリンセスをあきらめるものか【#2マッチングサイトリポート】
マッチングサイトに登録しようと思ったのには、前回書いたみたいなことだけじゃなくて、今暮らしている環境や身近な人から学んだレッスンもあります。たとえば、日本では高齢になってから再婚した人を個人的にひとりも知りませんでしたが、ここでは珍しいことではありません。
わたしに英語を教えて下さっていた英国出身のジョーンさんは、2度目のご主人を亡くしほんの数ヶ月後に74歳で3度目の結婚をされました。米国に来てまだ間がないころだったので、74歳で再々婚?!と心底驚いたものです。そして、その4年後に3度目のお相手も他界されたのですが、それでも彼女は「4年間の結婚生活を楽しめて良かった」とご自身の決断に悔いはないと微笑みました。
そのときのジョーンさんから、ここでは年齢やタイミングを気にすることなく、マッチする人が現れればカップルとして暮らせばいいだけのことだということを教えられたような気がしました。
ある知人の男性はワイフを乳がんで亡くしたのですが、その半年後には子連れの若い女性と再婚しセカンドライフに挑んでいます。孤独に耐えきれなかったから、新しいワイフと子どもは救世主だと言っていました。
⬆ここに出てくるメリー・アンさんしかり。
⬆そしてこの記事に登場するパットさんも。彼女も3度結婚して3度の死別を経験している女性です。つい先日、彼女にききました。
「死別ってほんとに苦しいのに、よく何度も再婚する気になりましたね。再び別れの苦しみを味わうかもしれないことに恐れはなかったの?」
すると、彼女は言いました。
「ほんとうに辛いよね。それでもせっかく生きているのだから、心身が健康でいる限り人を愛したいし愛されたいと思ったのよ。とってもシンプルでしょ?」
なるほど、ジョーンさんと通じるなと思いました。
こんな世界で暮らしているわたしは、日本で独り暮らしをしている母のことを思います。
父が亡くなったとき母は71歳でしたから、ジョーンやパットよりも若かったし健康できれいでした。実際、父を失くしたあとの母は近所の同年代の男性にもてて(わたしにはそう見えていた)とてもよくしてもらっていましたから、その気になればボーイフレンドは簡単にできたと思います。
そんな母ですが、日本では世間の目が気になるでしょうし「いい歳して、はしたない」という感覚があったようです。
生前の我がままな父に手を焼き、娘のわたしにしょっちゅう愚痴をこぼしていたというのに、他界後も父と生き続けています。なにしろ亡くなって13年も経つというのに、毎朝、父の仏壇に「おはようございます。今日も1日よろしくお願いします。チーン」と挨拶したあと、朝ごはん(卵や鮭付き)をあげるところから1日が始まる献身ぶりです。
何を買ってきても、仏壇にいる父にあげてから自分が食べるといった具合ですから、わたしのように信仰心のない者から見ると、薄気味悪いぐらいです。母も、もともと信仰心のある人間ではなかったのですが、父が亡くなってからは「仏壇の中に引っ越した父」と共に生きているように仲良くしています。
もちろん、それで母の気持ちが安らいでいるのですからわたしがとやかく言うことではありませんが、帰国して母の様子を見るたび、半分微笑ましく、半分せつない気持ちになります。ここで年齢にこだわらずに恋愛をあきらめない人々を見ているわたしからすると、夫の死後も亡霊に縛られているようにさえ見えます。
生前の夫はわたしの母を見て「思い出はたいせつにしても、死んだ人と生きなくていいのに」っと苦笑していました。確かに、まるで生きているように父に尽くしている母には複雑な気持ちになります。「美しい夫婦愛」とも見えますが、長生きしてしまう時代なのですから、形態はともかくいいタイミングで寄り添える人をみつけておけばこの13年間、別の人生の楽しみ方があったのにと、娘として思うのです。
夫を亡くした女性のことを未亡人とも言いますが、その意味は単純に夫と死別した女性というだけでなく、背景には家父長制度の中に潜む、本来夫と共に人生を終えなければいけないのに「恥ずかしながら自分だけ生きながらえている」という女性蔑視的ニュアンスが含まれているそうです。母を見ていると、良くも悪しくもそんな古い価値観による刷り込みの影響があるように感じてしまいます。
もっとも、母の年代ともなると“困った昭和オヤジ”ならいないほうがマシという学びもあったのかもしれませんが……😅
そんな母を持つわたしですから、これまで良妻賢母で夫に尽くしてきました。一度だって、夫にコーヒー入れてもらったことないし、一度だってゴミ出し手伝ってもらったこともない人生でしたから、生きているうちに、目覚めたらコーヒーをベッドに運んできてくれた、なんて経験してみたい。
せっかくのセカンドチャンス、探すぞー!プリンセス目指すぞー!!😁
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