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【北アルプス】奥穂高岳〜西穂高岳|ジャンダルムを越える21.7kmの大縦走

静かな早朝の上高地から歩き始めました。

昨年歩いたジャンダルム。その先に続く西穂高岳までの稜線は、ずっと心に残っていた憧れのルートです。

直前まで悩んだ天気予報。それでも早出・早着を信じて歩いた二日間は、夏空の下で日本屈指の岩稜を満喫する特別な山旅になりました。


はじめに

今回歩いたのは、北アルプス屈指の難ルートとして知られる「奥穂高岳〜西穂高岳」の縦走です。

初日は上高地から重太郎新道を登り、前穂高岳、吊尾根を経由して穂高岳山荘へ。一泊した翌日にジャンダルムを越えて西穂高岳まで歩き、再び上高地へ戻りました。

このルートは高度感のある岩場が連続し、天候や体調、登山経験が大きく影響します。一方で、歩き切った先には他では味わえない達成感と、日本を代表する岩稜の絶景が待っています。

この記事では、実際に歩いた様子やコース状況、注意点を交えながら紹介します。


奥穂高岳〜西穂高岳とは

奥穂高岳(3,190m)は日本第3位の標高を誇る日本百名山で、北アルプス穂高連峰の主峰です。

西穂高岳(2,909m)は鋭い岩峰が連続することで知られ、両山を結ぶ稜線にはジャンダルムや馬の背、ロバの耳、逆層スラブなど、日本を代表する岩稜帯が続きます。

一般登山道の中でも難易度は高く、安定した天候と十分な経験が求められるルートです。

一方で、前穂高岳から吊尾根を歩き、槍ヶ岳や涸沢、上高地を眺めながら進む景色は格別でした。歩くほどに穂高のスケールを実感できる、何度でも憧れる縦走路です。


山行概要

山名:前穂高岳・奥穂高岳・ジャンダルム・西穂高岳
山域:北アルプス
日付:2026年7月17日〜18日
天候:晴れ時々ガス

コース

上高地→ 岳沢→ 前穂高岳→ 吊尾根→ 奥穂高岳→ 穂高岳山荘(泊)→ ジャンダルム→ 天狗岩→ 間ノ岳→ 赤岩岳→ 西穂高岳→ 西穂山荘→ 上高地

行動データ

距離:21.7km
累積標高:+2,764m/-2,763m
行動時間:15時間44分

標準コースタイム:18時間17分
体力度:★★★★★(CT比:約86%)

おすすめ度:★★★★☆

こんな人におすすめ

  • 岩稜歩きが好きな人

  • 穂高連峰をじっくり歩いてみたい人

  • 十分な経験を積み、日本屈指の縦走路へ挑戦したい人


コース全体図

YAMAPより抜粋

上高地から重太郎新道で前穂高岳へ登り、吊尾根を経由して穂高岳山荘へ宿泊。翌日はジャンダルムを越えて西穂高岳まで縦走し、西穂山荘から上高地へ下山する周回ルートです。


この山を選んだ理由

昨年ジャンダルムを歩いた時、「いつか西穂高岳までつないで歩きたい」と思いました。

さらに未踏だった前穂高岳、西穂高岳にも登りたかったこと。そして遠くから眺めるたび気になっていた吊尾根も、この山行を計画した理由です。

一方で、直前まで天気予報は安定せず、行くかどうか何度も迷いました。

最終的には「朝の時間帯なら歩ける」と判断し、早出・早着を徹底する計画に変更しました。

山では景色だけでなく、こうした判断も楽しみの一つだと感じています。


コースの様子と感想

上高地〜岳沢小屋

始発バスで上高地へ。

まだ人の少ない河童橋は静かで、焼岳が朝日に照らされる景色が印象的でした。

焼岳が朝日に照らされる

一日ガス予報でしたが、穂高連峰が少しずつ姿を現し、「今日は歩けるかもしれない」という期待が膨らみます。

岳沢までは樹林帯歩き。途中には花も多く、ゆっくり高度を上げていきました。

岳沢

岳沢小屋〜前穂高岳

岳沢小屋からは一気に穂高らしい岩場になります。

梯子や鎖が続き、森林限界を越えるとガスが流れたり晴れたりを繰り返しました。

前穂高岳へ着く頃にはガスに包まれましたが、吊尾根へ向かう期待で気持ちは高まります。

吊り尾根の先に明日歩く予定の稜線

吊尾根〜奥穂高岳

吊尾根は思っていた以上に気持ちの良い岩稜でした。

高度感はありますが、慎重に歩けば楽しめる区間です。

奥穂高岳へ着いた頃にはジャンダルムが一瞬だけ姿を見せ、翌日への緊張感が増しました。

そのまま穂高岳山荘へ下り、早めに到着。

時間に余裕があったので、仲間とゆっくり過ごす午後も山旅らしい時間でした。

涸沢カールを眺めながらのんびり

奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳

翌朝4時に出発。

歩き始めはガスでしたが、奥穂高岳へ着く頃には雲海の上に槍ヶ岳が姿を現しました。

馬の背を歩く頃には快晴。

朝日に照らされたジャンダルムは圧倒的な存在感でした。

朝日に照らされたジャンダルム

▶ ジャンダルムとは?|北アルプス最難関の岩稜を歩いた経験から紹介レポート

ロバの耳や逆層スラブなど、鎖が欲しいと思う場所ほど鎖がありません。

一歩ずつ三点支持を意識しながら慎重に進みます。

ジャンダルムから先は初めて歩く区間。

アップダウンを繰り返しながら、西穂高岳へ着いた時の達成感は格別でした。

稜線の先に尖った西穂高岳

西穂高岳〜上高地

西穂高岳を過ぎると徐々に登山者も増えます。

緊張が解けたせいか急にお腹が空き、西穂山荘で食べたラーメンが本当に美味しく感じました。

その後は整備された樹林帯を歩いて上高地へ。

静かな山の時間から、一気に賑やかな観光地へ戻る対比も印象的でした。

上高地へ下山

コース状況・注意点

岳沢〜前穂高岳

  • 岳沢小屋までは「10〜1」の標識があり現在地の目安になります

  • 岳沢小屋から急登となり梯子・鎖が連続します

  • 紀美子平から前穂高岳は岩場歩きになります

前穂高岳〜奥穂高岳

  • 吊尾根は高度感があります

  • 穂高岳山荘直前に垂直に近い梯子が2か所あります

奥穂高岳〜西穂高岳

  • ペンキマークは明瞭です

  • 馬の背は狭い足場を慎重に通過

  • ロバの耳は浮石にも注意

  • ジャンダルムは西穂側へ回り込んで登ります

  • 逆層スラブは滑りやすいため慎重に

  • 鎖のない岩場も多く、三点支持が重要です

西穂高岳〜上高地

  • 西穂山荘以降は整備された登山道

  • 樹林帯が長く続きます

コース状況まとめ

  • 道迷いリスク:★★☆☆☆

  • 体力必要度:★★★★★

  • 危険箇所:★★★★★

  • 眺望:★★★★★

  • 静けさ:★★★★☆

  • おすすめ季節:7〜10月

※2026年7月時点の情報です。


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振り返り

今回歩いたのは、日本を代表する岩稜ルートでした。

緊張する場面も多く、一歩一歩を丁寧に積み重ねる二日間でした。

天気予報に悩み、最後まで判断を迷いましたが、焦らず条件を見極めて歩いたことで、夏の穂高らしい景色に出会うことができました。

歩き終えて感じたのは、「難しい山を歩いた」という達成感以上に、「仲間と無事に戻って来られた」という安心感でした。

景色も岩場も素晴らしかったですが、一緒に歩いた時間そのものが、この山行で一番印象に残っています。

また条件の良い日に、この稜線を歩いてみたいと思います。


おわりに

静岡の山を中心に、
毎週末、稜線を歩いています。

派手な山よりも、
静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。

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