【北アルプス裏銀座】野口五郎岳|残雪のブナ立尾根を越えて。3度登った山頂で見た絶景
静かな稜線を歩く時間が好きです。
今回歩いたのは、北アルプス裏銀座の野口五郎岳。
北アルプス三大急登と呼ばれるブナ立尾根を越え、残雪の残る裏銀座の稜線を歩いてきました。
山頂から見えたのは槍ヶ岳、鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳。
そして夕暮れと朝焼け。
気がつけば2日間で3回も山頂に立っていました。
残雪の裏銀座を歩き、
3度山頂に立った二日間の記録です。
はじめに
野口五郎岳は北アルプス裏銀座を代表する名峰のひとつです。
派手な百名山ほど人は多くありませんが、山頂からの展望は北アルプス屈指。
今回は残雪期の裏銀座を歩きたくなり、七倉からブナ立尾根を登って野口五郎岳を目指しました。
この記事では、
・ブナ立尾根の残雪状況
・烏帽子小屋〜野口五郎岳間の様子
・山頂からの展望
・残雪期に感じた注意点
をまとめています。
これから残雪期の野口五郎岳を計画される方の参考になれば幸いです。
野口五郎岳とは
野口五郎岳(2,924m)は、北アルプス裏銀座を代表する山のひとつです。
日本三百名山に選ばれており、烏帽子岳から水晶岳へ続く裏銀座縦走路上に位置しています。
山頂は広く穏やかな雰囲気ですが、展望は北アルプス屈指。槍ヶ岳や表銀座はもちろん、鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳、薬師岳まで一望できます。
百名山ほど登山者は多くありませんが、その分ゆったりと景色を楽しめるのも魅力です。
個人的には、「歩いて辿り着く価値のある山」の一つです。
山頂の派手さよりも、そこへ続く裏銀座の稜線が印象に残る山。
何度歩いても、また来たいと思わせてくれる場所です。
山行概要
山名:野口五郎岳(2,924m)
山域:北アルプス・裏銀座
日程:2026年5月30日〜31日
天候:1日目:快晴、2日目:晴れ時々曇り
コース
1日目
七倉山荘→高瀬ダム→ブナ立尾根→烏帽子小屋→野口五郎小屋→野口五郎岳
2日目
野口五郎小屋→野口五郎岳→烏帽子小屋→ブナ立尾根→高瀬ダム→七倉山荘
行動データ
距離:約28.8km
累積標高:3,885m
行動時間:約17時間
体力度:★★★★★(ロング縦走経験者向け)
おすすめ度:★★★★☆
おすすめしたい人
・裏銀座の静かな稜線を歩きたい人
・槍ヶ岳を眺める絶景が好きな人
・長距離登山に慣れている人
※残雪期は雪山経験や状況判断が必要です。
コース全体図

七倉山荘から高瀬ダムを経由し、ブナ立尾根を登って野口五郎岳を往復するルートです。
この山を選んだ理由
週末の天気予報を見ると、2日とも晴れ予報。
どこへ行こうか考えていると、頭に浮かんだのは裏銀座でした。
残雪期の北アルプス。
まだ静かな稜線。
そして以前から気になっていた野口五郎岳の大展望。
今年は雪が少ない傾向だったため、過去の同時期の記録と比較しながら残雪状況を予想して計画しました。
この工程なら山頂でゆっくり景色を楽しめそうだったことも決め手でした。
コースの様子と感想
七倉山荘〜ブナ立尾根
七倉山荘を出発し、まずは高瀬ダムまで道路歩き。
約5.5kmの舗装路ですが、2日分の装備と水を背負って歩くため意外と体力を使います。
高瀬ダムに到着すると、朝の光に照らされた山並みが美しく、これから始まる山旅への期待が一気に高まりました。

ダムを越え、河原を歩くとブナ立尾根の登山口。
ここから北アルプス三大急登のひとつが始まります。
ブナ立尾根の急登と残雪
噂通りの急登でした。
ひたすら登る。
ただひたすら登る。
標識番号が12から0まで設置されているため現在地は分かりやすく、精神的には助けられます。
標高2,200mを越える頃から残雪が現れ始めました。
雪渓と夏道を交互に歩きながら高度を上げていきます。
上部では雪渓主体となり、かなりの急斜面。
先行者のトレースに助けられながら慎重に登りました。

烏帽子小屋から裏銀座の稜線へ
烏帽子小屋に到着すると景色が一変。
それまで見えなかった西側が一気に開け、赤牛岳や薬師岳が大きく姿を現します。

ここまで来れば一安心と思いましたが、まだ気が抜けません。
野口五郎岳方面にも雪渓横断が数回ありました。
危険そうな巻き道は避け、稜線沿いを選択しながら進みます。
それでも目の前には槍ヶ岳。
振り返れば烏帽子岳。
残雪の裏銀座を歩く時間は本当に贅沢でした。

野口五郎岳の大展望
野口五郎小屋に到着し、荷物を置いて山頂へ向かいます。
山頂に立った瞬間、思わず声が出ました。

目の前には表銀座。
大天井岳の奥には富士山。
反対側には鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳。
さらに槍ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山、南アルプス、中央アルプス。
北を見れば立山連峰や白馬岳、鹿島槍ヶ岳まで。


まさに360度の大展望でした。
▶ 野口五郎岳で出会った絶景記録はこちら
同じ野口五郎岳でも、季節が変わると山の表情は大きく変わります。
今回は残雪と自然のSHOWを楽しむ山行になりましたが、夏には高山植物と緑の稜線が印象的でした。
夏に歩いた記録はこちらです。
▶︎【北アルプス】野口五郎岳〜南真砂岳|百高山と絶景を繋ぐ1泊2日縦走
3回登った山頂
山頂で偶然出会った先行者の方にお礼を伝えると驚きました。
なんと約3年半ぶりのフォロワーさん。
素晴らしいトレースのおかげで安全に歩くことができました。
夕方には再び山頂へ。
赤く染まる槍ヶ岳。
薬師岳の向こうへ沈む夕日。
自然が見せてくれる一瞬の景色を静かに眺めました。

翌朝も日の出に合わせて山頂へ。
雲は少し多かったものの、再び素晴らしい時間を過ごすことができました。
気が付けば3回も山頂に立っていました。
それだけ居心地の良い場所だったのだと思います。
コース状況・注意点
・七倉山荘から高瀬ダムまで約5.5kmの道路歩き
・ブナ立尾根は北アルプス三大急登らしい急登が続く
・標識番号12〜0が設置されており現在地を把握しやすい
・標高2,200m付近から残雪あり
・雪渓と夏道を交互に歩く区間あり
・上部は雪渓主体となり急斜面
・下山時はクライムダウン気味に慎重に通過
・烏帽子小屋〜野口五郎岳間も雪渓横断あり
・三ッ岳の巻き道は問題なく通過可能
・三ッ岳通過後の巻き道は雪渓が急傾斜となっていたため今回は稜線沿いを通過
・野口五郎岳周辺はほぼ夏道
・残雪状況によって難易度は大きく変わるため最新情報の確認推奨
【コース状況まとめ】
道迷いリスク:★★☆☆☆
体力必要度:★★★★★
危険箇所:★★★★☆
(残雪状況による)
眺望:★★★★★
静けさ:★★★★☆
おすすめ季節:6〜10月
(残雪期は経験者向け)
※2026年5月末時点
振り返り
残雪で描かれたゼブラ模様の北アルプス。
静かな裏銀座の稜線。
そして夕景と朝焼け。
今回の山旅では、野口五郎岳そのものよりも、そこへ続く時間が印象に残りました。
ブナ立尾根を登り、雪の状態を見ながら進み、稜線へ抜ける。
ひとつひとつ判断を積み重ねながら歩いた先に、あの景色がありました。
気がつけば山頂に3回立っていました。
それだけ居心地の良い場所だったのだと思います。
また条件の整う日に、今度はさらに奥の稜線へ。
そんなことを考えながら下山しました。
関連記事
夏に歩いたときの野口五郎岳はこちら。
残雪期とはまったく違う表情の裏銀座を楽しむことができました。
▶︎【北アルプス】野口五郎岳〜南真砂岳|百高山と絶景を繋ぐ1泊2日縦走
野口五郎岳から見えていた水晶岳と赤牛岳。
その稜線を実際に歩いたのがこちらの山行です。
▶︎【北アルプス】読売新道を含む北アルプス大周回|折立起点 3泊4日縦走
おわりに
静岡の山を中心に、
毎週末、稜線を歩いています。
派手な山よりも、
静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。
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▶ 2026年5月のまとめはこちら
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