飲食店の倒産が過去最多に。2025年の閉店動向と造作譲渡市場の現状【名古屋版】
2025年、飲食店の倒産件数が過去最多を更新しました。閉店を検討する経営者が増えるなか、造作譲渡の市場にも大きな変化が起きています。
結論から言うと、2025年の飲食店倒産は通年で900件に達し、過去最多を記録しました。一方で居抜き需要も高まっており、造作譲渡の市場は活性化しています。
この記事では、2025年の飲食店閉店動向と、造作譲渡市場の現状を解説します。
2025年の飲食店倒産は過去最多の900件
帝国データバンクの調査によると、2025年飲食店経営事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は900件となり、前年(894件)から0.7%・6件増加しました。
これは過去最多の数字です。上半期だけで458件を記録し、年間ベースでも初の900件台に到達しました。
倒産が増えた背景
飲食店の倒産が増加した要因は複合的です。
食材・光熱費の高騰や賃上げなどで利益が圧迫されている状況に加え、同業との競合が激化するなか、容易に値上げに踏み切れない中小・零細の飲食店を中心に、倒産・廃業の件数は高止まりすることが見込まれると分析されています。
特に影響が大きいのは以下の3点です。
食材費の継続的な高騰
人件費の上昇(最低賃金引き上げ)
都心部を中心とした賃料負担の増加
業態別の倒産動向
2025年上半期の業態別データを見ると、傾向がより明確になります。
| 業態 | 倒産件数(上半期) | 前年比 |
|---|---|---|
| 酒場・ビヤホール(居酒屋) | 105件 | △6.3% |
| 日本料理店 | 46件 | +53.3% |
| 中華・東洋料理店 | – | +12.8% |
| カレー店・ラーメン店等 | – | 増加傾向 |
特に注目すべきは日本料理店の急増です。 「団体客の減少や節約志向の高まり、経費削減による企業の接待需要の縮小などが逆風となったのでは」と帝国データバンクは分析しています。
居酒屋業態も依然として倒産件数が多く、3年連続で100件超の高水準が続いています。
倒産と廃業は何が違うのか?
ここで一つ整理しておきたいのが、「倒産」と「廃業」の違いです。
倒産: 経営破綻により法的整理(破産・民事再生など)に至るケース
廃業: 経営者の判断で計画的に事業を終了するケース
帝国データバンクの900件は「倒産」の数字です。一方、計画的な「廃業」を含めると、実際に閉店している飲食店の数はこの数倍に上ると推測されます。
つまり、閉店する飲食店オーナーは現在進行形で大量にいるという状況です。
倒産・廃業時に起こる「もったいない」現実
飲食店が閉店するとき、多くのオーナーが直面するのが以下の問題です。
1. 撤去費用が想定以上にかかる
スケルトン退去を選ぶと、20坪規模の店舗で撤去費用が100〜300万円発生します。倒産直前で資金繰りが厳しい状況だと、この費用が大きな負担になります。
2. 造作の価値を活用できないまま閉店してしまう
「もう手放したい」という焦りから、造作の価値を確認せずに撤去してしまうケースがあります。実際には数百万円の価値があった造作を、撤去費用を払って廃棄してしまう構造です。
3. 保証金の精算が想定より少ない
償却条件によっては保証金がほぼ戻らないケースもあります。事前に契約書を確認していないと、退去後に資金繰りが想定以上に厳しくなります。
造作譲渡市場は活性化している
倒産・廃業が増える一方で、新規開業を目指す事業者にとって「居抜き物件」のニーズは高まっています。
理由は3つあります。
1. 初期投資の圧縮
新規開業の最大のハードルは初期投資です。スケルトン物件から内装工事をすると500〜2000万円かかることもありますが、居抜きであれば造作譲渡金+簡易改装で開業できるため、初期投資を半分以下に抑えられます。
2. 開業までのスピード
スケルトンから新規開業するには3〜6ヶ月の工事期間が必要です。居抜きなら1ヶ月以内で開業できるケースもあります。
3. 既存設備の活用
業務用厨房設備は新品だと数百万円かかります。居抜きで譲渡される造作には、これらが含まれることが多いため、設備投資を大幅に削減できます。
この需要があるからこそ、閉店するオーナー側にとっても「造作を売る」という選択肢が現実的になっています。
名古屋エリアの造作譲渡市場の現状
VELETAが名古屋市内で扱った造作譲渡データから見ると、市場の動きは以下の通りです。
中区・千種区・名東区など中心エリアでは買い手が見つかりやすい
営業年数3〜5年の物件は造作価値が残っているため高値で成約しやすい
居酒屋・カフェ・ラーメンなど汎用性の高い業態は需要が安定している
賃料が30万円以下の小規模物件は次のテナントも見つかりやすい
倒産・廃業が増えるなかで、早めに動いて造作の価値を活かす選択をしたオーナーが、最終的に手残りを多く確保できる傾向があります。
閉店を考え始めたら、まず造作の価値を確認する
「もう続けるのは難しい」と感じ始めた段階で、まず確認すべきは造作の相場です。営業年数が長くなるほど造作価値は下がるため、決断が早いほど有利になります。
VELETAの無料AI査定ツールなら、住所・賃料・設備を入力するだけで造作譲渡金の概算と保証金の手残りを即時算出できます。
まとめ
2025年の飲食店倒産は900件で過去最多を更新
廃業を含めれば、実際の閉店件数はさらに多い
食材費・人件費・賃料の負担増が背景
一方で居抜き需要は高まっており、造作譲渡市場は活性化している
閉店を考え始めたら早めに造作の価値を確認することが、手残りを最大化する鍵
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出典:株式会社帝国データバンク「飲食店の倒産動向(2025年)」
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