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【大阪・インデアンカレー】ほぼ!完全再現レシピ①

2026/2/25更新:レシピについて以下の改訂を行いました。①オニオングレイヴィを「炒め玉ねぎ」に変更、②「インデラ・カレー粉」を採用、③牛すね肉の分量を変更。これにより、再現度が97%から99.5%にアップしました(個人の感想です)。変更理由等は記事本文に記していますので、既に購読いただいている方もぜひご覧ください。

2025/7/8更新:調理中の動画を追加しました。また、甘、、?→辛!の時間差と落差をより正しく再現できるように、果糖を加えるタイミングと関係する材料の分量を微調整しました。

大阪が誇る名店、「インデアンカレー」をご存知でしょうか?

一口目は優しい甘さに驚き、しばらくすると鋭い辛さが襲い、食べ進めるにつれて汗が吹き出し、気がつけば一気に完食、言葉にできない満足感に包まれる、、、そんな唯一無二の一皿が楽しめるお店です。
長年に渡ってたくさんのファンに愛され、SNS等でもいろんな方の投稿がアップされています。私も25年以上通っていますが、亡くなった義母は1号店である南店に50年以上通うヘビーユーザーでした。

ここでは、そんな「インデアンカレー」を、ほぼ完全に再現しようとする試みを載せています。
ネット上にいくつか存在する同様の再現チャレンジと比較しても、再現度はかなり高いと自負しております。
ぜひご覧いただければ幸いです。

インデアンカレーの企業秘密である材料や手順を完全に解き明かしたものではありません。慎重な考察に基づいているつもりですが、お店では使ってない材料を使ってるかもしれないし、その逆もあり得ます。あくまで「出来上がったカレーを目を瞑って食べたらほとんどの人はどちらが本物かわからない」という「インデアンのジェネリック」を目指しています。
「出来上がるまでのプロセスの一致」ではなく、「出来上がったカレーの化学的成分の一致」を重視します。

私の想像する「インデアンカレー」の成り立ち

History of Indian Curry(公式サイトより)

これは「インデアンカレー」公式サイトに記載されているお店の沿革です。
インドの先生を招いてカレー作りを教わるほど料理好きだった女性が、1947年に創業した、とあります。

しかしながら、どんなインドの伝統的レシピを用いたとしても、インデアンカレーのあの滑らかな質感と粘度にはたどり着きません。これはインドスタイルのカレーを作った経験があり、なおかつインデアンカレーを召し上がったことのある方なら、同意いただけると思います。

理由はおそらく、小麦粉です。

インドでは、カレーに小麦粉を使うことはほぼ皆無ですが、日本では、明治期には既にイギリスから「ブリティッシュカレー」として小麦粉を油脂で固めたルウを使うカレーが入ってきており、家庭でも馴染みがあったと記録されています。また、愛知県の「オリエンタル」社が、1945年に国内初のカレールウを発売し、すぐさま普及していったという背景もあります。

ここから私が想像する「インデアンカレー」の成り立ちは、、、
戦後、疲れ切った大阪の人々を得意の料理で活気づけようとしたインデアンカレー創業者は、本場インドの先生に教わった手法を取り入れつつも、お客が異国の食文化に戸惑うことなく楽しめるよう、日本人が慣れ親しんだルウを使ったカレーをベースにして、魅惑的で刺激たっぷりな料理に昇華させて振る舞ったのではないか。
こんなストーリーを思い浮かべてます。

インデアン再現の方向性

とは言え、ルーツはインド料理のはずなので、ネットに転がる出所不明の情報ではなく、インド料理に造詣が深い有識者が記した、由緒正しいレシピに則って試行錯誤したい。

そこで、自宅にある国内外の数十冊のレシピ本を読み漁ってみたところ、渡辺玲先生の「スパイスの黄金比率で作る はじめての本格カレー」に掲載されているビーフカレーで小麦粉が使われており、参考にさせていただくことにしました。灯台下暗し。

渡辺玲先生の「ビーフカレー」レシピ(写真:筆者)

ただ、普通に作ると玉ねぎの質感がやや残ってしまう。もちろん先生のビーフカレーとしてはこれが正解でめちゃくちゃ美味しいのですが、「インデアンカレー」では玉ねぎは跡形もなくなっています。
おそらく煮込み時間の問題かとは思いますが、自宅で作るのに7時間も8時間も煮てられないし、ハンドブレンダーでかき回してみても完全にはなくならなかったので、この記事を公開した当初は、稲田俊輔先生の「インドカレーのきほん、完全レシピ」で紹介されている「オニオングレイヴィ」で玉ねぎ・にんにく・生姜・トマトの成分を加えていました。

稲田俊輔先生の「オニオングレイヴィ」レシピ(写真:筆者)

これでも再現度はずば抜けて高かったと自負していますが、公開後も繰り返し練習・研究を続けていたところ、大阪天満宮の「あいまい」で食べたカレーが、辛さと旨味の共存具合が素晴らしかったので、いろいろと調べてみました。
最終的に、玉ねぎをじっくり加熱して生み出すメラノイジンの効果だと仮説を立て、香取薫先生の考案した「炒め玉ねぎ」をミキサーでペーストにする方法を思いつき、今回試してみました。

香取薫先生の著書掲載の「炒め玉ねぎ」(写真:筆者)

その結果、次に紹介する「懐かしい甘さ」が更にブーストされ、再現度が97%から99.5%にアップしました(個人の感想です)ので、早速レシピを改訂しました。詳しくはこの記事の後半でご案内しています。

では次に、いちばん大事な、甘・・・??→辛!!!の乱高下を再現するための検証です。

最大の謎、「懐かしい甘さ」

インデアンの味(公式サイトより)

たぶん「インデアンカレー」の再現にチャレンジされている方々の最大の悩みが、この一口目に感じるなんとも言えないノスタルジックな甘さだと思います。
ネットでよく見るインデアン再現に関するディスカッションでも、論点の95%は「あの甘さを生み出すために、お店では何の材料を使ってるのか」に集中してます。

公式サイトに記載されている通り、フルーツ由来なのは間違いなさそうですが、ネットでは「りんご」「桃」「バナナ」「黒糖」「マンゴー」など諸説溢れかえっています。もしかしたら全部使ってるのかもしれません。
ただ、試してみるとわかるのですが、たとえフルーツをミキサーで細かくしてカレーに加えても、「カレーにネクターが混ざったような不思議な味」になるだけで、そこから相当な時間煮込んでからやっと、ほんのりした甘みだけが抽出されていきます。
りんごは比較的短時間の煮込みで馴染みますが、桃やバナナは3時間くらいかかってやっと、ネクターぽさが抜けたかな?と感じられました。
しかしそれより問題なのが、果物は季節・産地・品種など個体によって味(糖分)がまちまちで、分量を固定しても仕上がりがぶれるんですよね。これが悩みの種でした。

試行錯誤の結果、りんごは使うことにしました。とろみを付けるのにも一役買っていると思います。他のフルーツ、桃・バナナ・マンゴーなどは試しましたが不採用。家庭で少量だけ煮込むと味が毎回ぶれます。お金も時間もかかるし。
そこで、「果糖(フルーツシュガー)」を用いることにしました。りんごはカットされて袋に入ったものを、メーカーを限定して使っています。果糖は富澤商店で買ったものです。

富澤商店に置いてるフルーツシュガー(果糖)(写真:筆者)

これによって上白糖では出せない深い甘み、それこそフルーツが溶け込んだような懐かしい甘みが手軽かつ安定的に再現できます。
しかも果糖は温度が下がると甘みが強まるので、食べ進むにつれて舌に辛さが蓄積されても、インデアンらしい甘味は消えずにずっとほんのり感じられます。
正解ではないにせよ、自宅で少量の「インデアンカレー」を仕上げるには、これが現時点での最適解かな、と思ってます。

急転直下で弾ける「辛さの玉」

あの刺さるような辛さは、唐辛子と黒胡椒の分量で試行錯誤しました。
ただ、チリ(カイエンヌ)だけであの辛さに到達させると赤みが強くなりすぎたので、ハバネロを追加で使いました。スコヴィル値は赤唐辛子の6~7倍ですかね。これは嘘みたいな少量でもビリっと効いてくれるので、おひとりさま分の「インデアンカレー」を作るには非常に有効なアイテムだと思います。
S&Bのちっちゃい瓶で60食分くらいあるので、毎週食べても1年以上保ちますね。

S&Bのハバネロペッパー(写真:筆者)

ちなみにカレー粉は、この記事を公開した当初は「神戸スパイス」の無塩カレー粉を使っていたのですが、購入可能エリアが限られるのと、とある方から「インデアンカレーの創業時期を考えると、ナイル商会のインデラ・カレー粉を使っている可能性もあるのでは」という考察を伺い、今回の記事改訂を機に試してみました。言われてみると香りがより本物に近づいたような、、、?ただ、神戸スパイスの無塩カレー粉と大きな違いがあるかは自信ありません。手に入りやすい方でどうぞ。インデラ・カレー粉はハナマサにも置いてますね。

ナイル商会の「インデラ・カレー粉」(写真:筆者)

選び抜いた「肉」

牛肉もいろいろ試しました。
結論から言うと、あの旨味と食感とコラーゲン質は、すね肉をじっくり煮込んでいるのだと思います。ただ、煮込みすぎると繊維がほどけてしまうので、どれくらいの時間が最適かを見極めました。
近くのスーパーで買えます。たまにめっちゃ安くなってる時があるので、まとめて買って冷凍しておいたりもします。

ちなみに、昔から「インデアンカレーに肉増しメニューがあれば、、、」と常日頃思っていたので、当初は肉5割増でレシピを組み立てていましたが、今回の改訂を機にお店に合わせた分量に変更しました。物価も高騰してるし。肉好きの方は好きなように増やしちゃってください。

牛すね肉(カレー用)(写真:筆者)

いよいよ「インデアンカレー」ほぼ!完全再現

長くなりましたが、ここまでに書いた考え方に基づき、実際に作ってみたのがこれです。ごはんはノーマル、ルー大盛り。タマゴ入り。お皿はお店と同じサイズ・形状の真っ白なものをネットで買い、ロゴと縁取りは「らくやきマーカー」と「ポーセレン」で手描きしてオーブンで焼き付けています。

「インデアンカレー ルー大盛り、タマゴ入り」ほぼ!完全再現(写真:筆者)

「インデアンカレー」に通って26年。自分でカレーを作るようになり14年。インデアン再現レシピに手を出して約8年。途中長い長いブランクはあったものの、この2年ほど集中して取り組み、やっと、味・食感・香り・汗の出るタイミング・汗の量・食後の満足感もすべて、本物とほぼ同じと言えるところまできたのかな、、、と思っています。

カレー作りが好きで、いろいろ作ってこられた方なら、ここまでに記載した内容を参考にほんの少し試行錯誤していただければ、再現に必要な材料、分量、調理時間、手順について具体的にイメージし、実際に作ることができるように書かせていただいたと思っています。

ただ、とにかく今すぐ答えが欲しい、という方に向けて、ここから先は材料、分量、調理手順などを事細かに記しています。器具の紹介や調理中の動画も載せてます。私がたっぷり時間をかけて調べ上げた成果です。
手に入りやすくて安価な材料だけを使い、できるだけ時間と手間をかけず効率的に、それでいて味も食感も香りも本物そっくり。そんな一皿になってるはずです。
もしご興味があれば、こちらのダイジェスト版動画をご覧ください。レシピの全工程を説明した完全版動画は、この先に掲載しています。

※ちなみに、大阪・北浜「カシミール」、大阪・難波「自由軒」、東京・上野「デリー」、大阪「肥後橋南蛮亭」の再現レシピも投稿しています。もしご興味があれば、こちらからどうぞ。

注)以下の再現レシピで使用している「炒め玉ねぎ」は、香取薫先生の「本格カレーとビリヤニ 最速レシピ」に掲載されているものを、使用する玉ねぎの分量だけを変え、他はそのまま使っています。著作物を転載することは出来ないので、「炒め玉ねぎ」の作り方だけは、上記の書籍を参考にしてください。それ以外の情報はすべて惜しまず掲載しています。

★「インデアンカレー」ほぼ!完全再現レシピ

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