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飛ばす前に、どこへ打つかを選ぶ

『打つ球より、選ぶ球が大事』

ゴルフは、打つ前からもう半分始まっている。
そんなことを、コースに出るたびに感じます。


「池には入れたくない」が頭を占領する瞬間

コースの2番ホール、残り170ヤードのセカンド地点。

前の組がまだグリーンにいる。ピンまでの距離を確かめながら、無意識に5番アイアンを抜いていた。

「これくらいなら届く。でも手前の池が気になるな」

風が頬に当たる。
少しアゲンスト。
足元は右下がり。
ピンはグリーンの奥。

本当なら、確認することはたくさんあるはずなのに、気づけば頭の中は「池に入れたくない」が頭でいっぱいになる。

コースに出ると、こういう気持ちは自然と湧いてきますよね。

練習場では落ち着いて打てていたのに、コースに立つとなぜかミスする意識が入る。
「右へは行かせたくない」
「池を超えたい」

その気持ち自体は悪いことではありません。
むしろ、ゴルフを楽しんでいる証拠だと思います。

でも、クラブを握る前に少しだけ立ち止まると、ゴルフはもう少しやさしくなります。


クラブを握る前に、半分は決まっている

私がコーチを始めて15年以上経ちますが、スコアが安定している方には共通点があります。

それは、クラブを選ぶのが丁寧なことです。

風向き。
足元の傾き。
ボールの沈み具合。
ピンの位置。
安全に運べる場所。

そういうものを、打つ前にさらっと見ています。

「たったそれだけ?」と思うかもしれません。
でも、この確認をするかしないかで、ショットの中身は大きく変わります。

打ち方より先に、
「何を、どこに打つか」
が決まっていないと、体も心も迷いやすくなるんです。


Hさんとの会話で気づいたこと

少し前、レッスン歴1年のHさんと一緒にコースへ出た時のことです。

ラウンド後に、Hさんがこう言いました。
「先生、今日のドライバー、全部右に行くし……何か変でした」

一緒に振り返ってみると、ティーショットの前にずっと右のOBが気になっていたそうです。

私は聞きました。
「どこに打ちたいか、決まっていましたか?」

Hさんは少し考えて、
「……左のフェアウェイ、ですかね。でも右が気になって」
と答えました。

この感じ、よく分かります。

「右に打ちたくない」
「池に入れたくない」
「バンカーだけは嫌」

そう思えば思うほど、頭の中ではその景色が大きくなります。

避けたい場所を見ているつもりが、いつの間にかそこを強く意識している。
そして体は、意識が強い方へ反応してしまうことがあります。


「選ぶ」って、実はこういうこと

だからこそ、打つ前に選びたいんです。

「どこへ行きたくないか」ではなく、
「どこへ運びたいか」を。

難しく考えなくて大丈夫です。

今日から試すなら、この3つだけで十分です。

まず、足元を見る。
平らなのか、傾いているのか。

次に、風を感じる。
向かい風なのか、追い風なのか。

最後に、狙う場所を一つ決める。
ピンではなくてもいい。フェアウェイの左側でも、グリーン手前でもいい。

大切なのは、打つ前に自分で選ぶことです。

ナイスショットじゃなくてもいい。
完璧に打てなくてもいい。

「今回はここへ運ぶと決めた」
その一打には、ミスをしても次につながる静かな納得感があります。


今日から一つだけ試してみてほしいこと

コースでは、これだけ確認してみてください。

どこを狙いたいか。

スコアが悪い、ミスが多いと思っている方は、ここへは行ってほしくないが決まって、どこを狙いたいかが強く意識できていないことが多いです。

「それだけで変わるの?」と思うかもしれません。
でも、意識が強い方を選んでいることに気が付いていないのかもしれません。

言い換えればミスや行きたくない方に無意識に選んでいるとも言えるのです。


選んだ一打の、静かな達成感

コースの空気は、練習場とは違います。

風が吹いて、傾斜があって、木陰があって、芝の色も場所によって少しずつ違う。
陽の光がフェアウェイに差し込み、遠くのピンが小さく揺れている。

そのすべてが、今日の一打を選ぶ材料です。
だから毎回、同じ結果にはなりません。

でも、しっかり考え選んでみると、思った通りに近づけば狙い通りになったと達成感が強く湧くのです。

その一歩が、ゴルフをもっと面白くしてくれます。⛳


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