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ピンに近づけるより、やさしい場所へ運ぶ

『目先より流れを読む』
毎回、結果を追うより次のことを考えておくとゴルフは面白くなります。
グリーンからコース戦略が立てられるようになると今、楽しいと思っているより夢中になれるかもしれません。


残り100ヤード、ピンが目に飛び込んでくる

セカンド地点に立つと、グリーン上の旗がはっきり見えた。

午前中の空気はまだひんやりとしていて、足元の芝は朝露で少し湿っている。
残り100ヤード。ウェッジを手に取り、距離を確かめる。

「これくらいなら、ピンを狙える」

そう思った瞬間、気持ちが少し前のめりになることがあります。

フルショットより短い距離。
体もほぐれてきた。
天気もいい。

「今日こそグリーンに乗せたい」
「できればピンの近くにつけたい」

そんな欲が、自然と出てくる。

でも打った球は、グリーン奥へ。

ピンの向こう側に乗ったものの、残ったのは下りの速いパット。
少し触っただけなのに、カップを過ぎてどんどん遠ざかっていく。

「100ヤードならチャンスだと思ったのに……」

そんな悔しさ、経験したことありませんか。


ピンを狙うことが、いつも正解とは限らない

ゴルフを始めた頃は、グリーンに近づけることが一番の目標になります。

遠くより近く。
グリーン外よりグリーン上。
ロングパットよりショートパット。

それは間違いではありません。

でも少しずつ経験を重ねると、ただ乗せるだけではなく、
「どこに乗せるか」 が大切だと気づきます。

グリーンには傾斜があります。

ピンの奥につけると、速い下りのパットが残る。
手前につければ、上りのやさしいラインが残る。

同じ「グリーンに乗った」でも、次の一打の難しさはまるで違います。

ピンだけを見ていると、その先の景色が見えなくなる。
目先の一打に夢中になるほど、流れを見失うことがあります。


私自身も、欲張って痛い目を見ました

正直に言うと、私もコースでついピンに近づけたくなります。

特にショートアイアンの距離になると、
「少しでも近くに」
「せっかくだからピンを狙いたい」
と思ってしまう。

あるラウンドでも、残りはショートアイアンの距離でした。

ピンを狙って打った球は、悪くない場所に見えました。
カップまで1メートル50センチほど。

一見すると、かなり良いショットです。

でもそこは、傾斜がきつい場所でした。

入らなければ、ボールはカップからどんどん離れていく。
慎重に打ったつもりでも、返しが残る。
結局、そこから3パットのボギー。

「あそこまで近づけたのに……」

そう思う一方で、冷静になれば答えは見えていました。

無理にピンに近づけるより、右手前に乗せる。
悪くてもグリーンエッジ付近で止める。
その方が、次の一打はずっとやさしかったはずです。

カートのモニターには、グリーンの傾斜も表示されていました。
見ようと思えば、見られた情報です。

でもそのときの私は、ピンしか見ていませんでした。

目先の欲が、流れを壊した瞬間でした。


Tさんと一緒に歩いたラウンドで

昨年、コースデビューのTさんと一緒にラウンドしました。

セカンド地点で残りは110ヤード。
ピンの手前、グリーン右横にはバンカーがあります。

Tさんが言いました。
「コーチ、私、PWだと届かないと思うので、7番で打ってもいいですか?」

普段の練習では、PWと7番アイアンを中心に使っていました。
だから、他の番手の選択肢がまだ少なかったのです。

私は状況を見て、こう伝えました。
「今いちばん避けたいのは、右のバンカーですね」

バンカーの経験が少ないTさんにとって、そこに入ると次がかなり難しくなります。

もちろん、経験としてバンカーを練習する考え方もあります。
でも今回は、コースで“最悪の場所を避ける”ことを覚えるには良い場面でした。

「7番だと右のバンカーまで行く危険があります。グリーン手前は広く空いているので、今回はPWで手前に運びませんか?」

Tさんは少し考えてから、うなずきました。
「そうですね。バンカーは難しいって聞きますし、そうします」

そしてPWで打った球は、グリーン左手前に落ちました。

グリーンには乗りませんでした。
でも、悪い場所ではありません。

そこからパターで寄せて、ボギーで上がることができました。

Tさんは笑って言いました。
「グリーンに乗せなくてもいい場合があるんですね」

その言葉を聞いて、私はとても大事な気づきだと思いました。

ゴルフは、いつもピンを狙うゲームではありません。
次の一打がやさしくなる場所へ運ぶゲームでもあります。


「目先より流れを読む」——この言葉が教えてくれること

ゴルフは18ホールを通じたゲームです。

一打一打の選択が、次の一打の難しさを決めていきます。

ピンを狙って奥に外せば、難しいアプローチや速いパットが残る。
手前に運べば、やさしい寄せや上りのパットが残る。

目先のチャンスだけを見るのか。
次の一打まで考えて選ぶのか。

その差が、スコアにも気持ちにも大きく影響します。

これは練習場でも同じです。

「今日うまく打てないから、もっと打たなきゃ」と
焦って球数を増やすより、
「今日は何を整えて、次回につなげるか」と考える。

目の前の一球だけでなく、一か月後の自分を見て練習する。

流れを読む目が育つと、ゴルフはもっと深く、もっと面白くなります。


今日から試せる一つのこと

次にコースへ行ったら、打つ前に少しだけ確認してみてください。

ピンはどこにあるか。
グリーンの傾斜はどうなっているか。
奥と手前、どちらがやさしいか。
外すなら、どこが安全か。

最初は分からなくても大丈夫です。

ほとんど思い通りにいかないのがゴルフです。
でも、見る癖、考える癖をつけていくと、コースの見え方が少しずつ変わります。

ただ打つだけではなく、作戦を立てる。
その作戦がうまくいったとき、ゴルフは最高に楽しくなります。


月曜の朝、今週の流れをつくる一日に

月曜日は、新しい一週間が始まる日。

今週末のラウンドや練習に向けて、どんな準備をするか。
今日の選択が、週末の一打につながっているかもしれません。

目先だけを見るより、少し先を見る。
そのゆとりが、ゴルフも日常もやわらかくしてくれます。

ピンを狙わない勇気が、流れをつくる。

少しずつ、流れを読む視点を育てていきましょう。⛳


あなたはコースでついピンを狙いすぎて、
難しい次の一打が残ってしまった経験はありますか?
あなたの経験聞かせてください!

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トモティー|大人から始める、やさしいゴルフ⛳️ 応援ありがとうございます😊