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世界文学を巡る旅〈12〉J. D. サリンジャー巡礼ルート①


今回は、しばし温存してきたサリンジャー作品と関連書籍について、読書計画を立ててみようと思います。

サリンジャーの主要作品(主な邦訳)出版順

『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
(『ライ麦畑でつかまえて』)

- The Catcher in the Rye
- 原作:1951年

『ナイン・ストーリーズ』
- Nine Stories
- 原作:1953年

『フラニーとズーイ』
- Franny and Zooey
- 原作:1961年

『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア—序章—』
- Raise High the Roof Beam, Carpenters and Seymour: An Introduction
- 原作:1963年

『ハプワース16、1924』
- Hapworth 16, 1924
- 原作:1965年



作品

『The Catcher in the Rye』

『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
村上春樹・訳 (白水社 2006年)

『ライ麦畑でつかまえて』
野崎孝・訳 (白水Uブックス 1984年)


『ナイン・ストーリーズ』
柴田元幸・訳 (河出文庫 2024年)

〈収録作品〉
バナナフィッシュ日和
コネチカットのアンクル・ウィギリー
エスキモーとの戦争前夜
笑い男
ディンギーで
エズメに、愛と悲惨をこめて
可憐なる口もと緑なる君が瞳
ド・ドーミエ=スミスの青の時代
テディ



『フラニーとズーイ』

〈収録作品〉
フラニー
ズーイ

訳者の村上春樹さんの解説が掲載されています。


『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章-』
野崎孝・訳 (新潮文庫 1980年)

バディがシーモアについて語る。

〈収録作品〉
大工よ、屋根の梁を高く上げよ
シーモア-序章-


『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年 』
金原瑞人・訳 (新潮文庫)

シーモアが七歳のときに家族に宛てて書いていた手紙「ハプワース」、『The Catcher in the Rye』以前にホールデンを描いていた短編たちを含む九編。

〈収録作品〉
マディソン・アヴェニューのはずれでのささいな抵抗
ぼくはちょっとおかしい
最後の休暇の最後の日
フランスにて
このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる
他人

若者たち
ロイス・タゲットのロングデビュー

ハプワース16、1924年



『彼女の思い出/逆さまの森』
金原瑞人・訳  (新潮文庫)

初期・未収録短編集のような内容。
ライ麦以前〜同時期くらいの若きサリンジャーの作品たち。

〈収録作品〉
彼女の思い出
ヴァリオニ兄弟
おれの軍曹
ボーイ・ミーツ・ガールが始まらない
すぐに覚えます
ふたりの問題
新兵に関する個人的な覚書
ブルー・メロディ

逆さまの森



グラス家のこと

サリンジャー作品の重要人物たち、グラス家のメンバーです。

Les Glass
父親。あまり登場しない。

Bessie Glass
めちゃ強い母。存在感強め。

〈子どもたち〉
Seymour(シーモア)
長男 / 秀才 / グラス家の物語の中心人物

Buddy(バディ)
次男 / 作家 / 語り手

Boo Boo(ブー・ブー)
長女 / 結婚して子どもあり

Walt(ウォルト)
双子 / 故人

Waker(ウェイカー)
双子 / 作中では存在感薄め

Zooey(ズーイ)
末弟 / 俳優 / 賢くて毒舌/美形

Franny(フラニー)
末妹 / 繊細 / 美形

シーモアは…
作中で一番神格化( ? )されてるのに、あまり直接は出てこない。でも家族全員が、いまだシーモアの気配の中で葛藤しながら生きている。



グラス家にまつわる物語を辿る

「バナナフィッシュ日和」
- 原題:A Perfect Day for Bananafish
- 収録:Nine Stories (1953)
- 主役 : シーモア

「コネチカットのアンクル・ウィギリー」
- 原題:Uncle Wiggily in Connecticut
- 収録:Nine Stories
- 主役 : エロイーズ
(グラス家の人物が直接登場はしないけれど、エロイーズがウォルトの元恋人)

「ディンギーで」
- 原題:Down at the Dinghy
- 収録:Nine Stories
- 主役 : ブー・ブー

「フラニー」
- Franny
- 主役 : フラニー

「ズーイ」
- Zooey
- 主役 : ズーイ、フラニー

「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」
- Raise High the Roof Beam, Carpenters
- バディがシーモアを語る

「シーモア―序章―」
- Seymour: An Introduction
- バディがシーモアを語る

「ハプワース16、1924」
- Hapworth 16, 1924
- シーモアが幼少期に家族に宛てて書いていた手紙



関連書籍 /   サリンジャーのこと

『サリンジャー初期短篇全集』
柴田元幸・訳
(2026/7/28発売予定)

第二次世界大戦前夜から戦後までに書かれた、初期短篇・中篇をすべて収録。

発売が待ち遠しいです!



『サリンジャー  生涯91年の真実』
ケネス・スラウェンスキー 著 
田中啓史・訳 (晶文社 2013年)

〈英語版〉 (2012年)

サリンジャーの死後初の伝記、作品紹介。

伝記・作品解説関係では、まずはじめにこちらを読もうと思っています。



『サリンジャーを追いかけて』
ポール・アレクサンダー 著
田中 啓史・訳 (DHC 2003年)

サリンジャーの評伝、関係者への取材などについてまとめられています。


『サリンジャー』
デイヴィッド・シールズ、シェーン・サレルノ著
坪野 圭介、樋口武志・訳 (角川書店 2015年)

〈英語版〉
『Salinger』
David Shields / Shane Salerno

手紙などの資料や取材についてまとめられており、その界隈(?)でかなり有名かつボリュミーな本です。


『MONKEY vol.19 サリンジャー ニューヨーク』柴田元幸・編 (スイッチパブリッシング 2019年)

1940年に『STORY』誌に掲載されたデビュー作「いまどきの若者」1948年に『COSMOPOLITAN』誌に掲載された「針音だらけのレコード盤」の2篇が、柴田元幸さんの訳で掲載されています。



『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』
村上春樹、柴田元幸 (文春新書 2000年)

『キャッチャー・イン・ザ・ライ』新訳発売後の、村上春樹さんと柴田元幸さんの対談です。



結論: わたしの巡礼ルート

まずはグラス家の物語を読みたい気分なので、このような順で読んでみようと思います。気分屋なのでわかりませんが…


① 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』〈読了〉
② 『ナイン・ストーリーズ』〈読了〉
③ 『フラニーとズーイ』〈読了〉


〈グラス家の物語を辿る〉
④ 『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア―序章―』
⑤『ハプワース』


〈その他の物語〉
『彼女の思い出/逆さまの森』
『初期短篇全集』


〈伝記〉
『サリンジャー 生涯91年の真実』


〈翻訳関連書籍、評伝など〉
『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』
『MONKEY vol.19 サリンジャー ニューヨーク』
『サリンジャーを追いかけて』
『サリンジャー』


こんな計画が必要かどうかはさておき、調べたり考えたりしている時間がとても楽しかったです。

サリンジャー好きな方がいらっしゃいましたら、お気に入りの本などコメントいただけると嬉しいです。

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