新入社員の「スーツ着こなし3大NG」はミドルにもNGな件
ここ最近、「いのち3題」とか「一輪3題」とか3つの小ネタを盛り込んで書いてみましたが、いずれも文字数3,000文字と、目標にしている1,800文字を大きく超過。
「3題も盛り込まずに1話ずつ書けば、1,000文字の文章を3週間アップできるのに」とのご指摘がありました。
ゴモットモです。
それにも懲りず、今回も「着こなしNG3題」をつらつらと…
4月初旬に入社式を終えた新入社員さんたちが、研修を経ていよいよ配属先に赴任する時期となりました。
筆者は大阪のオフィス街、淀屋橋駅から大阪市役所・日本銀行大阪支店を経て三井物産・フェスティバルタワー・住友ビル・三井ビル・ダイビルから関西電力ビルという経路でスーツ姿のエリート集団を観察しながら歩いていますので、嫌が応にも彼等の着こなしが気になります。
それは4年前のちょうど今頃、大阪帰任前の名古屋在勤時にも同様に気になっていて、3週連続で苦言を書き綴っているのですが、最近ますます?なのか、名古屋よりも大阪が?なのか不思議と今春は目に余る状況になっていますもので、改めて苦言を呈しておきます。
もちろん、ここで私が長文で吠えたところで世の中のスーツ族の着こなしが改善されることはあり得ない。せめてこれを読んでくださった方、そのご子息、その部下の方だけにでも「正しいセオリー」が伝わればと、草の根運動のつもりで書き続けてまいります。
2022年4月に書きました「3大NG」は下記の3点。
●ジャケットのボタンを2つとも留める「七五三族」
●躾糸が付いたままの「バッテン族」
●就活用に買った黒スーツで通勤する「カラス族」
上記3大NGについて、今一度、「厳禁!」の旨を説明しておきます。
●ジャケットのボタンを2つとも留める「七五三族」

男性のジャケットのボタンは、一般的に2つあるうちの上1つだけを留める(2つ釦スーツの上1つ掛け)。
もし3つ釦ジャケットであれば(ポリシーがあって着ている方以外は、20年以上昔のデザインです)、上の2つだけを留める。
「3つ釦段返り」と呼ばれるトラッド系ジャケットの場合(筆者の手持ちは8割がこのタイプ)は、真ん中の1つだけを留める(中1つ掛け)。
上記に共通するセオリーは、「一番下のボタンは留めない」こと。
これは「アンボタン・マナー」と呼ばれ、一部の「就活マニュアル」ではしっかり紹介されています(就活マニュアルには、着席時には全てのボタンを外し、起立時に上1つを留めるようにも書かれています)。
それでも、最近の若手社員は2つボタンをしっかり2つとも留めてしまう。
これは筆者の私見ではありますが、中学高校の制服が学生服(詰襟)からブレザーに変化したことが最大の要因と思われます。
中学高校では、ブレザーの前ボタンは2つ(ないしは3つ)ともキッチリ留めることが指導されていた。だから、就活用のリクルートスーツも、入社時に買ったフレッシャーズスーツも、2つのボタンをキッチリ留めることが正しいと思っている。
実は制服のブレザーと違ってビジネススーツの前身頃は緩くカーブして裁断されています。一番下のボタンを留めると生地が引っ張られて不格好なシワが入ります。
ビジネススーツのボタンでは、一番下のボタンは留めない!
これは徹底ください。
※鉄道等交通関係、警察・警備関係をはじめ職場での制服がある場合、得てして規律を重視する職場が多いわけですが、ボタンを全て留めるようにデザインされているケースがあります。
※上記はシングルジャケットについて述べています。ダブルブレストジャケットの場合、斜めに合わせるソフト系と、真っ直ぐ合わせるトラッド系とで異なりますがここでは割愛します。
※女性スーツの場合、1~3個のバリエーションありますが、いずれも「全て留める」です。
●躾糸が付いたままの「バッテン族」

ジャケットの背中の一番下に入っている切れ込みを「ベント」と呼び、真ん中に1つの場合は「センターベント」、両端にあるものは「サイドベンツ」と呼んでいます。
1980~90年代に流行した「DCブランド」のソフトスーツ、バブル期のいかつい肩パッドが入ったスーツでは、下部に切り込みはありませんでした。
現代は、ほぼ全てのジャケットに切れ込みが見られます。
店頭では、ハンガーに掛けられている状態での「型崩れ」を防止する為に糸で留めてあります。
その糸を「躾糸」と呼び、購入者が着用する時に取り外すのですが、それを知らずに糸をつけたまま着用している人がけっこう居ます。
躾糸は、型崩れ防止にしっかりバッテン型に縫われていて、敢えて目立つように白糸を使ってあるので、取り外し忘れると背中に白いバッテンが見えることがあります。
最近では白糸ではなく黒糸を使ったり小さめに留めたりするメーカーが増えたようで、取り外し忘れ(バッテン族)の増加はメーカーの責任ではないか!と憤っております。
●就活用に買った黒スーツで通勤する「カラス族」
まず前提として、欧米のビジネススーツに「黒無地」はあり得ません。
欧米では黒は礼服の色であり、タキシードやモーニングに用いる色です。
日本でもそれに準じて、黒無地のスーツを「略礼服」と称して冠婚葬祭のいずれにも着用してきました(多くの日本人が、親戚の結婚披露宴と通夜告別式に同じ略礼服でネクタイだけ替えて参列しています…)。
ところがバブル期にモノトーンが流行ったり艶黒のドレススーツが流行ったことから、ビジネスにも黒スーツが採り入れられ、何故だか「リクルートスーツ」として定着しました。
おそらくスーツ量販店としては、就活用に黒スーツを売り込み、春には入社用の紺スーツを売り込んで2回儲けようと企んだのでしょう…
断言しますが、ビジネススーツに黒の選択肢はありません。
まず濃紺、そしてチャコールグレー。
次に明るめの紺やライトグレー、年齢を重ねてから茶系を買い足せばよいのです。

それでも黒スーツを着たがる御仁は少なからずいらっしゃいます。
何年か前に、JIRO師匠とダブル講師で「オヤジのスーツ着こなし講座」を開催したことがあるのですが、質問コーナーで
「黒スーツはダメだ!と仰いましたが、私はモノトーンでまとめるのが好きで、黒スーツは辞めたくない!」
という強いご主張をいただきました。
通勤スーツとして黒を着るのであれば、略礼服と区別つかないような艶消しの黒無地ではなく、艶感のある生地に、できればシャドウストライプや織柄が入った、ややドレッシーなブラックを選ぶようにすればよいかと思います。
シャツは、白無地ではなく色柄シャツで。とにかく、お通夜に見えないように。
ただ、ここに書いた「テラっとした」とか「シャドウストライプ」とか「織柄」というイメージが沸かないレベルの方であれば、やはり黒スーツは捨てて濃紺スーツを買い足されることをお薦めします。
以上、欲張って3NGを列挙したらまた 3,000文字になってしまいました。
長ければ長いほど、読んでもらいにくいし伝わらない。
やはり4年前みたいに、1つずつ書くべきだったかなぁ…
※サムネ写真は SPUREMO HPより借用
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