テニス上達メモ507.ジャパンオープン無観客の可能性その続編(副題:メンタルタフネスと自己肯定感は正比例の相関)
▶「人為的か否か」が争点
木下グループ ジャパンオープンテニス チャンピオンシップス2025(日本/東京、ハード、ATP500)は、21時以降の試合で無観客の可能性。
こちらの記事の続編です。
21時以降に試合が及んだ場合、(それがATPの規定にそぐうか否かはさておき)、たとえば日没サスペンデッドとなるなら、まだ納得がいくのではないでしょうか?
だってボールが見えないのだから、仕方がありません。
選手はプレーのしようがありませんし、観客は観戦のしようがありません。
ですから、何の不満もないのです。
そうではなくて「無観客」の企てについて「人為的か否か」が、事を荒立てている争点です。
▶相手の遅刻。腹が立つ時、立たない時
待ち合わせに遅刻してきた人の理由が「電車の遅延」だとしたら、それほど腹は立ちません。
ところが同じ10分の遅刻であっても、その理由が「相手の寝坊」だったりすると、途端に腹が立つのです。
いえ、電車の遅延は30分待たされても、不可抗力だからイライラしない。
だけど寝坊は、軽んじられたような屈辱になるから、プライドが高い人ほど5分でも許せない。
日没サスペンデッドは電車の遅れのようなものだけど、無観客試合の企ては、寝坊による遅刻です。
人為的だから、腹が立つのです。※1
▶電車、信号、エレベーター、待たされていちばん長いと感じるのは?
チコちゃんは問います。
「電車、信号、エレベーター、待たされていちばん長いと感じるのがエレベーターなのは、なぜ?」
https://www.nhk.jp/p/chicochan/ts/R12Z9955V3/episode/te/NGMQV3P75N/
番組が伝える結論から先に言うと、待ち時間が長いと感じる答えがエレベーターである理由は、「①予測できず期待を裏切られるから。②視覚情報が少ないため」。
上記①②の悪条件により、イライラするのだそうです。
その心はというと、千葉大学の一川誠教授によれば「倉庫の入り口(注意ゲート)がガバガバになって、体感時間がたまりすぎるから」。
説明についてはこちらのウェブサイトが詳しいですけれども、私が言いたいのは「本質はそこじゃない」ということ。
繰り返しになりますが、争点は「人為的か否か」です。
▶押せない「非常停止ボタン」の意味
確かにエレベーター待ちでは、ひとつ上の階からなかなか降りてこないので①が該当。
閉鎖的な空間だから退屈なので②にも納得。
とはいえエレベーターでも、上階の「人」に妨げられなければスーッと降りてくるから、視覚情報が少なくても、イライラしません。
一方の電車や信号待ちでも、「人のいたずら」などにより遅延が発生すると、やっぱりイライラするのです。
高校生が電車内で「SOSボタン(緊急通話装置)」を押したら、周りの大人からいわれのない敵意を向けられた世知辛き世情。
それは、電車を止めたのが「人為的」だったからです。
▶ 欲望が動くとき、人もまた動く。その結果が「騒ぎ」である
テニスの試合も日没サスペンデッド なら、まだ納得がいくところ。
ところが一部住人による反対で無観客になるのは、わがままを押しつけられたような気がして、憤懣やる方なくなるのです。
いろいろな思惑(欲望)がうごめくから、大騒ぎになる(関連記事「お金と同じ。回さないから回らない『お米のタンス預金』」)。
▶非難を越えたメンタルタフネス
争点は「人為的か否か」。
だからといって、人を責めても無益です。
怒りの刃は、そのままブーメランとなって自分に返ってきますからね。
たとえばテニスの練習。
チームメイトに向けた「ミスするお前はダメだ」という刃は、「だからミスする自分もダメだ」という自己否定性を強めます。
反対に、「テニスなんだからミスするのは仕方がない」という見方が人に対してできれば、それはそのまま自分のミスにも「テニスなのだから仕方がない」のだと自己肯定できます。
すると完璧主義が和らぎ、ミスにとらわれずに済むから、我慢強いようにも映る。
でも、仕方がないのだから我慢すらしていません。
これが「メンタルタフネスの本質」です。
▶本当のタフネスは我慢すら必要ない
つまり自己肯定感とメンタルタフネスとは、正比例の相関です。
自己肯定感が低くてメンタルが強い人はいないし、メンタルが弱いのに自己肯定感が高い人もいません。
いるとすれば我慢しているだけで、はらわたは煮えくり返っているから、本当は今にも壊れそうなガラスのハート。
自己肯定感の高いメンタルタフネスは、我慢するのではなく、本当に気にならないのです(関連記事「『いろんな意見(打ち方やフォーム)があって当たり前』という正しさ」)。
▶他人を責めないのは「自分の強さ」になる
メンタルを鍛えるために、自他に厳しく辛くあたる必要はありません。
むしろ真逆で、やさしく温かく、というのがポイントです。
ミスは悪くないどころか、ミスしないと脳内に正しい回路が作られないのが、小脳運動機構による「あみだくじ理論」なのでしたね(関連記事「『This is a pen.』は一生使わない」)。
相手の人為的ミスを責めなくなれば、自分のそれも責めなくなる徳があるから「情けは人の為ならず」というわけですね!
他人を責めないのは、ほかの誰のためでもない「自分のため」なのですよ(関連記事「『情けは人の為ならず』で自己肯定感アップ」)。
※1
ただし怒る原因が人為的か否かについては「一般論」であり、「業論」になるとまた変わるという話を、次回のサロン楽屋話で語ります。
それは、どうしても善いことをしたくなるし、悪いことはしたくなくなる(できなくなる)定め(関連記事「『善行為』で運気が上がるのは『科学』」)。
するとメンタルは、ますます強くなるのですよ。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero