テニス上達メモ601.アルカラスの「左手テニス」に学ぶこと
アルカラスが怪我をきっかけに始めた「左手テニス」。
実は一般プレーヤーにも、大きなヒントがあります。
フォーム矯正では得られない感覚変化と、注意すべき落とし穴とは。
▶アルカラスの「怪我の功名」
非利き手テニスをおすすめしてきた立場から申し上げますと、アルカラスには「怪我の功名」となってほしい。
傷めた右手首を温存。
左手でテニスを再開したと記事は伝えます。
▶非利き手テニスが開く、新しい感覚
一般プレーヤーも、利き手を怪我していなくても、「非利き手テニス」はやる価値あり。
フィジカルの左右差が補正されるし、新たな経験を積むことで、潜在的な神経回路が開きます。
強く打ったりする「意識」が薄まるから、ボールの見え方すら、変わる可能性があります。
ボールの見え方には、限りがありません。
大きく見えたり、止まって見えたりする世界についても、これまで何度も述べてきたとおりです(関連記事「『見る』に集中すると、見え方が変わる」)。
▶楽しいからこその、落とし穴?
ただ、老婆心ながら注意を促しておきますと、イメージのズレがない人であれば案外すぐ打てるようになるぶん、「非力な側」だけに、「非利き手テニス」による新たな怪我には要注意。
どんどんできるようになるから楽しい(関連記事「加齢の先にある、もうひとつの成長」)。
つい、ビシバシ打ちたくなるのです(いやはや)。
▶テニス肘は「やりすぎ」「筋力不足」ではない
とはいえ、打球タイミングさえ合っていれば、ほかの怪我を患うことはあっても「テニス肘」にはなりません(関連記事「テニス肘の原因は、『やりすぎ』ではない」)。
プロテニスプレーヤーは、頻度も強度も高いレベルでボールを毎日のように受け続けても、テニス肘にならない。
その理由は、体が屈強だから、という単純な理由ではなくて(握力12キロでも大丈夫!)、打球タイミングが合う精度と頻度が高いから。
他競技でも野球の吉田正尚が言うとおり、ジャストミートには手応えが「ない」からです(関連記事「吉田正尚が語った『いい当たりの正体』」)。
▶フォーム意識が動きを壊す瞬間
言い換えれば、プロテニスプレーヤーやプロテニスコーチであっても、デモンストレーションなどと称してフォームを意識すれば、動きがギギギッと軋み、ボールが見えなくなるから危険です。
その場合は、テニスエルボーにもなりかねません。
たとえ筋骨隆々であっても、打球タイミングを外した衝撃、雑振動を受け続けると、やっぱり肘にくるのでお気をつけて。
患うと、ペットボトルの蓋を開けたりするのにも、ズキッとします。
▶伸び悩みの突破口となる可能性
非利き手テニス――。
日本のプロテニスプレーヤーでも、引退後に取り組む人はいますし、テニス以外でも、たとえばゴルフでは、片山晋呉プロがレフティのセットを揃えてラウンドするのでしたね(関連記事「片山晋呉は非利き腕でも『80台』」)。
伸び悩んでいるプレーヤーにとっての打開策、突破口になるかもしれません。
Things we love to see 🙂↕️@carlosalcaraz continues recovery from his wrist injury
— Tennis TV (@TennisTV) June 1, 2026
🎥 carlitosalcarazz on Instagram pic.twitter.com/7xoD46qvvW
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テニスゼロ代表 吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero