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質問1600:(銀色バットは)空間認知を高める手段として、素振りでやるべきでは?

大谷翔平は「銀色バット」の練習効果で、調子を取り戻せたのでしょうか?テニスゼロからの答えは明確にノー。(銀色バットは)「空間認知を高める手段として、素振りでやるべきでは?」のコメントに回答しました。

›半分(背面)が銀色のバットを使った練習はコーチによると、「スイング軌道を視覚的に確認するため」なのだそうですが、それも私は首を傾げます。 ›だってそちらに意識が逸れたら、ボールの“見え方”は、必ず粗くなるからです。

バットに関する空間認知を高める手段としては有効に思えるのですがいかがでしょうか? 素振りでやるべきで、ボールを打ちながらやるべきではないとは思いますが

https://note.com/tenniszero/n/nf60a991c4800?nt=note_comment_3665100&scrollpos=comment&c=ncc59e0ebaff38

▶スイング軌道の確認で、打率は上がるか?


なるほど、それはあり得るかもしれませんね。

アーロン・ベイツ打撃コーチによると「スイング軌道を正しく保つことが目的」。

素振りでバットがどんな軌道で振られているかを、確かに銀色なら、目で見て確認しやすいかもしれません。

とはいえそれで打率が上がったり、飛距離が伸びたりするでしょうか?

スイング軌道を確認できたとて、それは「毎回変わる」のですからね。


▶「絶対無二の一振り」


野球はストライクゾーンがあるとはいえ、飛んで来るボールの高さやコースによっては、たとえばよりダウンスイングに近くなる軌道もあれば、レベルスイングに近づく軌道もあるでしょう。

しかもダウンとレベルとの間には、「無限のグラデーション」があります。

さらに野球の場合は高さだけではなく、カーブやスライダーなど横や斜めへの変化も著しいからどの座標軸にも立体的に合わせにいく必要があるため、スイング軌道は「絶対無二の一振り」となる。

理想的なスイング軌道を確認でき、素振りで完璧に再現できたとて、いえ再現性が高くなるほど、前回お伝えしたとおり対応力を損ねるから、実践でのミートは下がるのです(関連記事「『再現性より必然性』──大谷翔平が証明する“見え方”の合理主義」)。

▶目で見たスイング軌道は使えるか?


仮にスイング軌道を確認できるとはいえ、ワンスイングのうち「銀色」が目で見えるのは、インパクト位置以降、フォロースルー以前でしょうね。

スイング全体の、1/4から1/5くらい?

時間でいえば一瞬です。

なぜなら素振りとはいえ、後ろを向きながら、あるいはあとから振り返って、バットを見ないだろうからです。

よしんばそれをして、スイング軌道の全体像を確かめられたとはいえ、振り向き、振り返りながら見たスイング軌道は、実践のそれとは、かけ離れているに違いありません。

▶銀色の面で打つの?


スイング軌道というよりも、銀色の面で打つ話かなと、最初は思いました。

スイング軌道を見やすくするためだけなら、ツートンではなく「全部を銀色」にしてもよさそうですからね。

あるいはスイング中にバットの回転具合(トルク)を見ながらスイング軌道を確かめる狙い?

レベルスイングなら銀色の面が前を向き続け、ダウンスイングなら逆回転しながら前向きになるとか?

▶面の操作はできないから……


その場合、現象を捉えるには、野球よりもテニスのほうが分かりやすいです。

「バックアウトしたのは、インパクトで面が上を向いていたからだ」

「ネットミスしたのは、面が下を向いていたからだ」

「だから面を垂直にして打とう」なんて操作、意識してできるものではないのは、テニスコーチのお立場としてお分かりですよね。

肩は球関節であり、不自然に押し出すスイングでもしない限り、ワンスイング中に面の向きが刻一刻と変わるのは、ダウンスイングであろうとレベルスイングであろうと、インサイドアウトでもアウトサイドインでも、後ろから前へ振るベクトルである以上、同じです。

▶スイングスピードが落ちるだけ


しかも先述したとおり、目で見て確認できる範囲は全体の1/4から1/5。

面の向きを目で見てなんて確かめられないし、いわんや面を合わせる意識的な操作など、できるはずがありません。

やってもいいけど、一息にビュンと振り抜けず、インパクトでスイングスピードがガクッと「落ちる」だけです(関連記事「『押す』『運ぶ』の意図的な操作がブレーキに!」)。

▶効果を確かめる間違えのない方法


銀色バットの効果を確かめる間違いのないご自身だけのオーダーメイド方法が、ひとつだけあります。

それがこちらですね。

要するに、自分の心身を通じて実験してみるのです。

つまりツートンのバットを用意して、素振りで目で見て確認し、具体的にスイング軌道が変わって打率が高まるか否か。

私たちテニスプレーヤーならHEAD『グラビティ』のような、表と裏で色(コスメ)が異なるラケットもありますから、スイング軌道が具体的に変わってミート率が上がるかどうか、確かめやすそうですよ。

▶人間の認識システムの話


私の予想としては、変わりません。

むしろ下がります。

これは大谷翔平だから、一般プレーヤーだから、という「違い」ではなくて、人間の備える認識システム(眼耳鼻舌身意)として「同じ」話です(関連記事「目で聞けない。耳で見えない」)。

基本的にボール以外を意識したら、ボールを捕らえにくくなるのは、人として当然です。

「基本的に」と断り書きするのは当然、『ベースメソッド』のステップがあるからです(関連記事「一気に上げない人が、うまくなる」)。

▶大谷翔平が不振に陥った本当の理由を考える


決して、銀色バットで調子を取り戻したわけではない。

むしろ大谷翔平が一時的にスランプに陥ったのは、少し前から「銀色バット」を使っていて、スイング軌道を「意識」していた(くだんのコーチにさせられていた)からではないかとすら、意地悪な私は疑う。

こちらの記事に目を通すかぎり、図星のようですよ。

▶調子を取り戻せたのは「やめた」からだ


単に「公の場で初めて披露した」というから、ネタのほしいメディアが今、話題にしただけ。

そのせいであたかも、1試合3本塁打が、「銀色バット効果」のような印象操作がなされるのです(関連記事「見抜く力がない人ほど、操られやすい時代に」)。

勘の鋭い大谷ですから、実際に不振に喘いでいたのでそれ(意識)をやめたら自身が述べたように「ボールの“見え方”」が良くなった結果、調子を取り戻したのではないでしょうか。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)

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即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO(テニスゼロ) スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero