テニス上達メモ596. 錦織圭の器用さの正体は「意識のベクトル」だった──伊藤竜馬の言葉
錦織圭を少年のころから知る伊藤竜馬さんの言葉が深い。
でも、その器用さの正体はセンスじゃなく「意識のベクトル」だった。
裁縫や料理ができるなら、テニスの才能はある。
性格が内向的でも、意識が「外向き」なら体は自由に動く。
その理由とは?
▶日常の「器用さ」は、テニスの才能そのもの
「なんでもできる。めっちゃ器用」
幼いころの錦織圭を見て語った、一つ年上の伊藤竜馬さんによる感想だといいます。
もちろん、プロレベルを目指すというのであれば話は別ですが、裁縫や料理などでも、器用であれば、テニスで活躍できるポテンシャルがあります。
どういうことか?
意識のベクトルの話も交えて後述します。
▶「テキトー」と言える心のゆとりが、身体を自由にする
記事は伝えます。
「伊藤さんの記憶に残る『錦織くん』は、今と変わらず「ちょっと天然っぽくて、若干、内向的な感じ」
テニスは、天然さんだと上手くいくのでしたね。
レッスンの場で「テキトーに打ってればコートに入る(一同・笑)」と言えてしまえるキャラクターは、生粋のオーガニックです。
もちろん錦織自身、後づけのフォーム解説も少しはできるのでしょうけれども、嘘がつけない性格なのでしょうね。
あるイベントでの一幕。
元プロ野球選手のイチローさんにリターンの打ち方を指導するときも、ラケットの持ち方や左手をボールに伸ばすフォームの説明をしそうになりましたが、最後は「正直なんでもいいんです」といって突き放す錦織(笑)。
https://youtu.be/JM0lHiDTPaM
また伊藤さん自身、とびきり明るいオーガニックです。
▶「性格」ではなく「意識の向き先」を変えるだけ
ちなみに伊藤さんが言う「内向的」というのは、錦織の性格についてであり、テニスゼロがいう「テニスは外向的だと上手くいく」というのはそうではなく、意識を向ける方向性のことです(関連記事「運動能力の差はこれ! あなたは『外向的or内向的?』」)。
たとえば虫好きな子は、観察している様は物静かで、一見すると内向的ですが、意識は外向的。
自分がどう見られているかよりも、虫に強烈な興味があるのです。
「人目」を気にしないでいられると、自分の中に秘める豊かな力にアクセスできるのです。
▶針穴に糸を通すような「外向き」の集中力
つまり内向的・外向的というのは、キャラクターではなく「ベクトル」のこと。
すなわちテニスでいうと、自分の内側の身体動作に意識を向けるか、自分の外側のボールに集中するか。
伊藤さんの言うとおり錦織の性格は、確かにいわゆる内向的かもしれないけれど、意識のベクトルは完全に外向的です。
針穴に糸を通すときにも、料理の味見をするときにも、外向的でないと上手くいきません(関連記事「『回転の味見』をする」)。
▶どんな大会の勝利も、お金で買えない宝物
「IMGアカデミーに行った日本人の子のなかでも、成功している人は少ないですよね。厳しい環境でホームシックにもなるなか、ハングリー精神が求められると思うんです」
伊藤さんはこう語りました。
IMGに行けたからといって、必ずしも成功が保証されているわけではありません。
優勝したら7億円超もらえるグランドスラムタイトル(全米オープン男女シングルスの場合)ですが、7億円払えば買えるわけではありません。
グランドスラムタイトルは、お金では買えないのです。
それは規模の差こそあれ、草トーのタイトルや、市民大会であっても同じこと。
ですから、テニスの上達はプライスレスです。
▶挑戦を続ける心は、誰の中にも眠っている
「IMGで生き残った日本人は、圭が初めてだった。チャレンジし続ける強い意志があったからだと思います」
こう振り返る伊藤さん。
そういう伊藤さんだって、チャレンジし続けてきたではないですか。
ドラゴンショットが懐かしい――。
プロテニスプレーヤーとして生き残り、日本のテニス界を明るく盛り上げてくれたではないですか。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero