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テニス上達メモ508.大谷翔平の自己最速は、「上げた」のではなく「上がった」


▶見えてきた“共鳴”――大谷翔平とイチロー、同じ核心


大谷翔平の自己最速163.7キロは、「自然に上がった」とのこと。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025062900119&g=bsb

意識して「上げた」のではありません。

「上がった」というのがポイントです。

イチローが次のとおり伝えたエピソードと、本質的に符合する。

「言っておきたいのはフォームを変えたのではなく、変わったのだということです。変えるのと変わるのでは全然違うと思います」

『月刊スラッガー』 日本スポーツ企画出版社刊 2001年4月号

▶スピードを上げようと意識すると、遅くなる


改めてさらっておきましょうか。

上げようと意識すると「努力逆転の法則」で上がらない(むしろ下がる)のでしたね。

腕の振りを速くしようとか、足の踏み込みを力強く しようとか意識すると、ぎこちなくなり、 なめらかでなくなるからです。

それはたとえば呼吸ですら、「吸って吐いて」を意識すると、何も意識せずにしていた先ほどよりも、少なからず息苦しくなる。

運動の場合は一気に「えいやっ!」とダイナミックに動くから気づきにくいだけで、意識すると動作は ギクシャクするのが原理原則です。

そのせいで、投げるも打つも最も大事な“タイミング”を損なう(関連記事「大発見! テニスでミスする原因は、『たったひとつ』しかなかった!」)

ボールをリリースするタイミングが0.1秒ズレたら、球速も変化球もコントロールも乱れまくるのです。

テニスなら「5のタイミング」を外して、オフセンターヒットになり、ミスもするのです(関連記事「フェデラーは『5』のタイミングで打つ」)。

▶効かせる筋トレ、それは機能的なのか?


筋トレでは鍛える ターゲットとなる筋肉を「意識」しますが、意識するとそこがキツくなっていわゆる「効かせる」ことができるのだけれど、それは機能的には不合理なはずです。

効かせるほどぎこちなくなり、動きがなめらかでなくなるから疲れるし、パワー発揮は叶いません。

それは筋肉を意識する「内向的」か、砂袋を持ち上げる「外向的」かの違いとも説明できます。

関連記事はもちろんこちらです(おまけ1・自分に意識を向ける『使えない筋肉の正体』再考

https://www.youtube.com/shorts/p22GnRnuaSE?feature=share

▶大谷翔平のフォーム分析に潜む落とし穴


大谷が投球フォームを変えたという識者等の話は聞くけれど、大谷自身の口から変えたとは(私が知らないだけかもしれないけれど)、聞いたためしがありません。

ニュースでは、テイクバックの腕の角度を指摘するフォーム分析がありましたが、映像を止めるタイミングの編集で、そんなのいくらでも言えます

何しろ腕は高速で振られるのですから、動画を切り取るタイミングが0.1秒違えば、腕の角度も全然違うのは当然です(関連記事「その理由はこの動画で確信しました」)。

確かに投手復帰後、従来のセットポジションからノーワインドアップに変えたかもしれないけれど、それは「舌が天津飯になる」話と同じで、最初のイメージ さえ決めてしまえば、あとは意識しなくてもノーワインドアップになるのです(関連記事「舌が『天津飯』になって、作戦は意識しなくても実施される」)。

▶テキトーに打ってればコートに入る(一同・笑)


もちろん大谷自身が、自身のフォームや投げ方について語ることもあるかもしれません。

しかしそれは錦織圭を始め多くのテニスプレーヤーがそうであるように、「語らされている」のです。

「あとはテキトーに打ってればコートに入る」とくらいしか言えてないのだけれど(一同・笑)、それが真実です。

https://www.youtube.com/shorts/5U-engpEIcI

「 どうやって打っているのか?」とメディアに尋ねられても「何も考えていません。無意識です」とは答えにくいから、「そういえば肩のところまで振り切っている」とか、さも意識しているような応答になる(関連記事「プロ級の上級者はフォームなど気にしていない!」)。

しかしそのお約束についてギリギリまで穿ち得たのは、清水悠太プロのターンなのでしたね。

いわく

「グリップはこだわらない」
「あんまり難しいことは普段考えない」
「あんまり考えるとダメになっちゃうタイプ」
「本当に意識していない……」

https://youtu.be/WiS5_sryYj4

▶「それでも地球は回っている」としか、答えようがない


改めまして、大谷の163.7キロは、本人の言うとおり自然に「上がった」のです。

意識的に「上げた」のではなくて。

ほとんどの識者が「そんなことはない!」と、反論するでしょう。

だとすれば私には、「それでも地球は回っている」としか答えようがないのです。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)

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即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO(テニスゼロ) スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero