「理科・社会もこんなに大変だとは思わなかった」——発達障害・ADHDがある子への理科・社会の教え方|特性別サポートまとめ
「算数や国語は何とかついていけているのに、理科も社会もどちらも伸びない」「暗記もので毎回つまずいて、テスト前に親子で泣きそうになっている」——。
発達障害・ADHDのあるお子さんを持つ保護者様から、こうした声をよく聞きます。理科も社会も範囲が広く、覚えることが多い教科。さらに地図・図表・実験装置・化学記号など、視覚情報と言葉情報が入り混じる単元が続きます。「家でどう教えたらいいかわからない」と感じてしまうのは、保護者様だけではありません。
この記事では、理科・社会のどこでつまずくのかを単元別に整理し、特性に合わせたサポートの入口をまとめました。各単元の詳しい教え方は、リンク先の個別の記事で解説しています。
この記事でわかること
なぜ発達障害・ADHDのある子は理科・社会の両方でつまずきやすいのか
社会(地理・歴史)の単元別のつまずきとサポートの方向性
理科(電気・天体・化学)の単元別のつまずきとサポートの方向性
教科を超えて使える共通のコツと、家庭で続けやすい仕組み

なぜ発達障害のある子は理科・社会でつまずきやすいのか

理科と社会は、一見まったく違う教科に見えます。けれど、つまずきの構造には共通点があります。
それは、「見たことのない事柄を、頭の中だけでイメージして覚える」場面が多いということです。地図・歴史上の人物・電気回路・天体の動き・化学式——いずれも目の前にはなく、教科書の図と文字から想像力で組み立てなければなりません。これは、もともとどの子にとっても難しい作業です。
その上で、発達特性によって追加の負荷がかかる場面があります。「うちの子だけがつまずいている」のではなく、特性と単元の相性で起きていることとして受け止めてみてください。
ADHDのある子どもの場合:ワーキングメモリと注意持続のハードル
ADHDの傾向があるお子さんでは、ワーキングメモリ(作業中の情報を一時的に頭に保持する力)に課題があることが多くあります。
教科書の図を見て、説明文を読み、関係を頭の中で結び付ける——という同時並行の作業に負荷がかかる
長い文章や年表を読み進めるうちに、最初に読んだ内容が抜け落ちやすい
地図・図表・グラフから情報を読み取る場面で、注意が逸れて飛ばし読みになる
「やる気がない」のではなく、情報を保持しながら処理する容量に課題があるだけです。お子さんを責める必要はありません。

ASDのある子どもの場合:興味の偏りと因果関係の把握
ASD(自閉スペクトラム)の傾向があるお子さんでは、興味のある分野(鉄道・恐竜・特定の歴史人物など)には驚くほど詳しい一方、興味の外にある単元には取りつく島がない、という状況が起きやすいです。
「なぜそうなるか」という因果関係よりも、目に入った特定の事象に注目しやすい
「全体の流れ」より「個別の要素」に意識が向きやすい(局所優位の認知)
地図や図表の中の、自分が気になった部分だけを見て全体を読み取らない
これらは特性であり、性格の問題ではありません。「興味の入口」をうまく作れれば、その先は驚くほど深く学べる場合もあります。
LDのある子どもの場合:読み・書き・記号の符号化
LD(学習障害)の傾向があるお子さんでは、文字や記号の符号化(読みと意味の結びつけ)に課題が生じやすくなります。
難読の地名・人名(例:「斉藤」「斎藤」「齋藤」の違い、「逓信省」「執権」など)でつまずく
化学記号や元素記号など、見慣れない記号と読みを結びつけるのに時間がかかる
地図や図表の視空間認知に課題があり、位置関係を把握しづらい
読みにくさは、単元の中身を理解する力とは別の問題です。読みの負担が下がれば、内容の理解は伸びていきます。
複数の特性が重なっている場合
ADHDとLDが重なる、ASDとADHDが重なる——というお子さんも珍しくありません。重なっているからといって、対策が複雑になるわけではありません。「該当する特性のコツをそれぞれ組み合わせて使う」だけで大丈夫です。どのお子さんにも合うステップを1つ選んで試してください。まずは「今日はこれだけ」と範囲を絞ることが、続けるための一番の近道です。
【社会】単元別のつまずきとサポート
社会科は、小学3年生で身近な地域から始まり、小学4年で地図、小学6年で歴史、中学では地理・歴史・公民へと広がっていきます。範囲が広く、学年をまたいで積み上がる教科のため、一度どこかでつまずくと後の単元が連鎖的に苦手になりやすい特徴があります。
地理・地図が読めない(小学4年〜中学1年)
つまずきの構造(一般的な困難)
地図記号・等高線・縮尺といった「初めて出会う記号体系」をいきなり覚える必要がある
「平面の地図」を「立体の土地」に頭の中で変換しないといけない
都道府県・国名など、覚える固有名詞の量が多い
特性由来の追加困難
ADHDの傾向があるお子さんは、地図上の情報量の多さに圧倒されて飛ばし読みになりやすい
LDの傾向があるお子さんは、難読の地名や、左右・上下といった視空間情報の処理に時間がかかる
サポート法(要点)
地図記号を一気にではなく、よく出るものから少しずつ覚える
県名は「形」「名産」「位置」のうち1つだけを入口にして広げる
縮尺・等高線は「実物の写真と並べる」と理解しやすい
詳細な教え方はこちらの記事で解説しています。
歴史の暗記が定着しない(小学6年〜中学2年)
つまずきの構造(一般的な困難)
出来事・人物・年代・場所が一度に押し寄せ、情報量が膨大
「いつ・誰が・なぜ・どうなったか」を結びつけて覚える必要がある
自分が生まれる前のできごとのため、実感が湧きにくい
特性由来の追加困難
ADHDの傾向があるお子さんは、長い年表や教科書の文章を順に追うのが負担になりやすい
ASDの傾向があるお子さんは、「興味のない時代」に手をつけられず、特定の時代だけに偏ることがある
LDの傾向があるお子さんは、人名や事件名の漢字の読みでつまずきやすい
サポート法(要点)
「年表ごと丸暗記」ではなく、ストーリー(物語)として因果でつなぐ
イラスト・マンガ・映像など視覚情報を組み合わせる
苦手な時代から始めず、興味のある時代を入口にして前後に広げる
詳細な教え方はこちらの記事で解説しています。
【理科】単元別のつまずきとサポート
社会の難しさを整理したところで、次は理科を見ていきましょう。理科は社会と違い、「実験」「計算」「暗記」が混在する教科です。同じ「理科が苦手」でも、どの要素でつまずいているかによってサポート法が変わります。
ここでは、特につまずきの相談が多い3つの単元を取り上げます。
電池のつなぎ方・回路(小学4年)
つまずきの構造(一般的な困難)
直列・並列という抽象的な概念を、回路図という記号で表現する
電気の流れは目に見えないため、想像で補う必要がある
プラス極・マイナス極・豆電球・スイッチなど、覚える要素が一気に増える
特性由来の追加困難
LD・ASDの傾向があるお子さんは、回路図の「記号と実物」の対応に時間がかかる
ADHDの傾向があるお子さんは、線をたどる作業の途中で注意が逸れて誤読しやすい
サポート法(要点)
実物の電池・豆電球で実際に手を動かして確認する
直列と並列を色分けして視覚的に区別する
1回路ずつ完結させ、いきなり複雑な回路を出さない
詳細な教え方はこちらの記事で解説しています。
天体の動き(小学4年・中学3年)
つまずきの構造(一般的な困難)
自分の立っている地球の動きを、宇宙から俯瞰した視点で考えなければならない
月の満ち欠け・金星の見え方は、太陽・地球・月(金星)の3つの位置関係を同時にイメージする必要がある
「時間の経過」を頭の中で動かす必要がある
特性由来の追加困難
ASD・LDの傾向があるお子さんは、視点の切り替え(地球から見た空 ⇔ 宇宙から見た位置関係)が難しい
ADHDの傾向があるお子さんは、動きを伴うイメージを保持し続けるのに負荷がかかる
サポート法(要点)
アニメーション動画で実際の動きを見せる
ボール・ライトを使って影の方向を再現する
「自分が地球にいる視点」と「宇宙から見た視点」を切り替えて何度も確認する
詳細な教え方はこちらの記事で解説しています。
化学式・元素記号(中学1〜2年)
つまずきの構造(一般的な困難)
アルファベットの記号(H・O・Na など)が突然登場する
「H₂O」のような小さい数字が何を意味するかを覚える必要がある
元素の名前・記号・性質を結びつけて記憶する必要がある
特性由来の追加困難
LDの傾向があるお子さんは、アルファベットや記号の符号化に時間がかかる
ADHDの傾向があるお子さんは、似た記号(Mg と Mn、Ca と Co など)の混同が起きやすい
ASDの傾向があるお子さんは、「なぜこの組み合わせになるか」の理屈が腑に落ちないと暗記に進めない
サポート法(要点)
「水兵リーベ」のようなゴロ合わせを使う
元素1つずつをカードにして、少量×繰り返しで覚える
「化学式の中の小さい数字=原子の個数」のように、ルールを先に教えてから問題に進む
化学式・イオン・化学反応式・磁界・電磁誘導・遺伝・生物の分類・地層など、中学に上がってからの理科でつまずいている場合は、中学理科の単元別サポートをまとめた記事があります。
発達障害のある子が中学理科でつまずく理由と対策|特性別サポートまとめ
理科・社会に共通する教え方のポイント
ここまで単元別に見てきましたが、教科や単元を超えて使える共通のコツが4つあります。理科でも社会でも、家庭で取り入れやすい順に整理しました。
1. 意味のある文脈・物語に変換してから暗記する
孤立した単語の丸暗記は、ワーキングメモリへの負担が最大になります。歴史なら「人物の動機・できごとの因果」、理科なら「なぜその実験結果になるか」を先にストーリーとして共有してから、用語の暗記に入ると定着しやすくなります。

2. 図・視覚情報は「読み取り手順」を明示する
地図・図表・回路図は、漠然と「よく見てごらん」と言われても、どこから読み取ればいいかがわかりません。「最初にタイトル → 次に凡例 → 次に左上から右下へ」のように、読み取りの順番を声に出して教えると、目線の動きが安定します。
3. 一度に覚える量を最小化する(少量×繰り返し)
一気に20個覚えようとすると、特にワーキングメモリに課題のあるお子さんは負荷が高すぎてどれも定着しません。「今日はこの3つだけ」「明日はこの3つに昨日の3つを足す」というように、少量を繰り返すスタイルが効果的です。
4. 「なぜそうなるか」の因果を先に教える
ASDの傾向があるお子さんは、特に「理由がわかると一気に進む」場面が多くあります。理科の公式や社会の制度も、結論だけを伝えるのではなく、「どうしてそうなっているのか」を一文添えるだけで取り組みやすくなります。
毎日教えるのが大変と感じている保護者様へ
これだけやり方はわかっても、毎日実践し続けるのは大変、と感じている保護者様も多いと思います。教材を準備したり、図の読み方を一緒に確認したり、興味の入口を探したり——保護者様にも相当な集中力と時間が必要です。共働き・複数のお子さんを育てている方なら、なおさら毎日続けるのは大変だと思います。
そういった方に参考にしていただきたいのが、家庭学習デジタル教材「天神」です。天神はWindows PC専用の教材のため、無料体験期間中に実際のお子さんの反応を確認してください。
天神を使った研究では、週1回・たった10分の使用を3ヶ月続けるだけで、対象となったすべての児童で視覚ワーキングメモリ課題の数値が改善したという結果が、日本LD学会で発表されています。理科・社会の図表の読み取りや暗記はワーキングメモリと直結する作業のため、その土台を支える働きが期待できます。
障がい児成長支援協会 代表理事・山内康彦先生も「一番おすすめの教材です」と推薦しています。

レクチャーで概念を視覚的につかむ
天神のレクチャーは、アニメーションを使って概念を視覚的に説明します。歴史の流れ・回路の電流・天体の動きなど、文字だけでは想像しにくい内容を、動きと図で確認できます。
目次画面ではおおよその所要時間(例:約4分)が確認できるため、「これくらいで終わる」と見通しを立ててから取り組めます。お子さん自身が自分のペースで進める設計で、自立学習の習慣づくりにもつながります。
「レクチャーに時間が表示されているため、本人が見通しを立てやすく、取り組みやすそうだった」
——天神体験後アンケートより(中学生保護者)
1画面1問・即時フィードバック
問題は1画面1問の表示で、答えた直後に「天才!」「すごい!」の音声で正誤を知らせてくれます。情報量が少なく、ほかの問題が目に入って気が散ることがありません。

間違えたときはヒントを見て再チャレンジ
問題を間違えたときは、自動でヒントが表示されます。ヒントを見て再チャレンジできるため、「わからない」で止まらず、自分で答えにたどり着く経験を積めます。保護者様が横についていなくても、教材が代わりに声かけをしてくれる設計です。
音声読み上げ機能で読みの負担を軽減
問題・ヒント・解説をすべて音声で読み上げ、読んでいる箇所が色でハイライト表示されます。読みに時間がかかるお子さんでも、内容の理解に集中できる環境が整います。

「読み上げ機能のおかげで一人で学習できています。教科書に沿った内容なので理解しやすいようです」
——天神体験後アンケートより(小学生保護者)
「天神を使えばすべて解決する」というものではありませんが、毎日の反復練習の場として、そして「自分でできた!」という体験を積み重ねる場として、保護者様の負担を減らす選択肢のひとつになれると思います。
現在、天神では無料体験を実施しています。体験専用のPCを無料でお届けするので、実際にお子さんが操作する様子を確認してからご検討いただけます。クレジットカードは不要で、体験後に購入を強くすすめることもありません。
アール医療専門職大学の坂本晴美准教授(医学博士・発達障害専門)が発達障害のある児童を対象に行った研究では、こんな報告があります。
「天神を始めてわずか1ヶ月で、自ら『習い事をしたい』と意欲を見せるなど、劇的な変化が見られました」
——アール医療専門職大学 准教授 坂本晴美先生
※効果には個人差があります。ただ、理科や社会で「わかった!」という小さな成功体験を積み重ねることが、自己肯定感の第一歩につながる可能性は、どのお子さんにも開かれています。
天神はPC専用の買切り型教材です(月額費用・年会費なし)。まずは無料体験で実際のお子さんの反応をご確認ください。
→ 天神 無料体験・資料請求はこちら
https://www.tenjin.cc/lp/wp/hattatsu-s-02-price/
よくある質問
Q. 買切り価格が高くて不安ですが、まず体験だけでもできますか?
A. はい、資料請求するだけで無料体験ができます。体験は完全無料で、クレジットカードの登録も不要。体験後に購入を強くすすめることもありません。詳細な料金は資料請求時に同封の資料でご確認いただけます(月額換算で1教科あたり約2,750円〜の買切り型です)。一度購入すればご兄弟も追加料金なしでお使いいただけます。
Q. うちの子はグレーゾーンですが、天神は合うでしょうか?
A. 天神は様々な特性を持つお子さまに幅広くお使いいただけます。診断の有無ではなく、お子さんの今の学び方に合うかどうかが大切です。スモールステップ・音声読み上げ・学年をまたいで戻れる機能は、どのお子さんにも同じように活用できます。まずは無料体験でお子さんの反応を確認してみてください。
Q. 理科・社会は全単元に対応していますか?
A. はい。理科・社会ともに、小学・中学の全学年・全単元に対応しています。地理・歴史はもちろん、電気・天体・化学式といった理科の単元も、教科書準拠の内容で収録されています。お子さんがつまずいている単元から始められます。
Q. 子どもが自分から取り組んでくれるか心配です。
A. 最初は乗り気でないお子さんも多いです。「天才!」「すごい!」の音声フィードバックや、1画面1問で集中しやすい設計が、お子さんの「自分でできた」感覚を支えます。「ゲームのような気分でできる」「やった分だけ点数が増えるのが楽しい」という声も届いています。
まとめ
理科・社会のつまずきは、教科や単元によって少しずつ表情が違います。単元別の要点を整理しておきます。
地理・地図:記号体系の多さと視空間認知が壁。少量ずつ・実物と結びつけて
歴史:情報量の多さと因果の見えにくさが壁。ストーリーで結ぶ
電池・回路:抽象的な記号と見えない電気の流れが壁。実物と色分けで
天体:視点の切り替えと動きのイメージが壁。アニメーション・実物模型で
化学式:記号の符号化と組み合わせのルールが壁。少量×繰り返し+ゴロ合わせ
共通のポイントは3つ。
物語・因果として結びつけてから暗記に入る
図表は読み取り順序を明示する
少量×繰り返しで確実に積み上げる
「うちの子がつまずいているのは、努力不足ではなく、特性と単元の相性で起きていること」——この視点をひとつ持っているだけで、声かけは変わっていきます。完璧を目指さなくて大丈夫です。今日できそうな一歩から、お子さんと一緒に進んでみてください。
参考文献
文部科学省「特別支援教育について」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm
国立特別支援教育総合研究所「発達障害教育推進センター」https://www.nise.go.jp/nc/
発達障害情報・支援センター「発達障害とは」https://www.rehab.go.jp/ddis/
この記事は天神メディア編集部が作成しました。発達障害の特性には個人差があります。学習面で気になることがある場合は、専門機関へのご相談もあわせてご検討ください。
