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【📕小説:四字熟語】②一期一会

第二話「四字熟語が現実化!?」



 翌朝。
 ナイスンのLINEが突然鳴った。

ナイスン「おばあちゃんの日記……勝手に開いたこと、おじいちゃんにバレた……」
ノーマルド「え、それで?」
ナイスン「“昔のことを掘り返すな”って叱られた。でも最後に、“知るってのは悪いことじゃねぇ”ってポツリって」
ハードン「……え、なにそれ。四字熟語、引きずってる?」

 まさかとは思った。
 けれど、偶然にしては出来過ぎていた。



◆再び集結

 放課後。いつものナイスン家リビング。

 「……あの人生ゲーム、やばいんじゃないか?」
 俺(ハードン)が口火を切ると、ノーマルドも神妙な顔。
 「確かにナイスンのエピソード、“温故知新”っぽく展開してる気がするんだよな……」

 ナイスンは苦笑しながら、もう一度ゲームを広げた。

 「もっかいやってみる?」
 「お、おう……俺が確かめてやる!」

 ハードンがサイコロを振った。
 出た目は「5」。

 引いたカードには――

 「有言実行」



◆ハードンの一日

 その夜、夕食中に母が言った。
 「ねえ、またこの辺の商店街、子どもたちの応援キャンペーンやるんだって。前に“ハードン君にポスター描いてもらいたい”って言ってた人いたわよ」

 「え、うそ……俺、描くなんて言ってねーし……」
 けど、よくよく思い出すと、夏休み前に言ったんだ。

 >「俺、美術部やし、なんか頼まれたら描いてやってもいいっすよー」

 あれだ。

 翌日、ポスター制作をお願いされ、逃げられない状況に。
 しかも、先生が言った。

 「ハードン、お前の“有言実行”、期待してるぞ」

 「……は!? だれが言ったその四字熟語!!」



◆ノーマルドも

 数日後。

 「なぁ、俺もさ……」
 とノーマルドが話し始めた。

 「昨日、近所の公園で小学生が逆上がりしてるの見てさ。思わず『7回やってみ、絶対できるようになる』って声かけたら、親御さんに“コーチやってくれませんか?”って言われて……」

 「……七転八起」
 ナイスンがつぶやく。

 「なにこれ、ほんとに……四字熟語、現実になってるやん」



◆ナイスンのカード

 「じゃあ、次は俺の番だね」
 ナイスンがサイコロを振る。出た目は「2」。

 カードを引く。そこに書かれていたのは――

 「一期一会」

 「……これ、すごい言葉だな」
 ナイスンが、カードを胸元でそっと握る。

 「なんか、近いうちに“何か”ある気がする」
 「やめろや、そのフラグっぽいの」俺が叫ぶと、ノーマルドが笑った。



◆その夜の出来事

 ナイスンが商店街を歩いていると、一軒の古本屋の前で足を止めた。
 ふと見ると、誰かが小さな文庫本を落としていった。

 追いかけて手渡すと、振り返った相手は――

 「……あれ?」
 どこかで見たような面影。いや、昔の……写真?

 その女性は言った。
 「ありがとう。これ、大事な本なの」
 そう言って、ほんの一瞬だけ、にっこりと笑った。

 ナイスンは、なぜか涙が出そうになった。

 「一期一会」――それは、名前も聞けなかった、たった一度の出会いだった。



 部屋に戻ると、あの人生ゲームがテーブルの上に置かれていた。
 誰も出していないはずなのに。

 しかも、中央のカード置き場に、見たことのないカードが一枚。
 その文字を見て、俺たちは声を失った。

 「次回:破顔一笑」



つづく



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