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偏差値50台で停滞する真面目な子ほどハマる「1周目完璧主義」の罠と偏差値を劇的に伸ばす「5割合格」3つの戦略

これから受験を迎えるお子さんをお持ちの方の中には、つぎのような違和感を抱いている方も多いのではないでしょうか。

・うちの子、真面目に机に向かっているのに模試の結果が全然伴わない。

・1冊の参考書を、最初のページからものすごく丁寧にやっている。でも、いつまで経っても最後まで終わらない

参考書を開くたびに最初のページに戻り、丁寧すぎるほど丁寧に取り組んでいるのに、なぜか先に進まない。

そんな様子を見ていると、つい「もっと集中しなさい」「効率を考えなさい」と言いたくなってしまいます。

サボっているわけではない。
むしろ誰よりも真面目に取り組んでいる。
それなのに結果が出ない。

この状態が続くと、親も子も「勉強のやり方が根本的に間違っているのではないか」と不安になってしまいます。

勉強のやり方を紹介する情報の中には、「1周目から完璧にすることを心がけましょう」というものもあり、それ自体が間違った方法とは言い切れません。

実際、もともと理解のスピードが速く、1冊にかけられる時間にも余裕があるお子さんであれば、その進め方でも十分間に合います。

ただ、そうしたお子さんはごく一部です。


多くのお子さんにとっては、1周目に完璧さを求めることが、かえって「間に合わない」という結果につながりやすいのです

実は、頑張っているのに結果が出ないという悪循環の原因の多くは、能力でも、やる気でもなく、「1周目から完璧に仕上げようとする進め方」そのものにあります。

今回は、この落とし穴と、そこから抜け出すための3つの視点をお伝えします。


「1周で仕上げる」のではなく「精度を上げていく」ものだと考える


参考書1冊のページ数を考えてみてください。

仮に300ページの問題集を、1ページも取りこぼさず完璧に理解しながら進めるとすると、最後のページにたどり着くまでには数か月かかります。

しかも、ようやく終えた頃には、最初の方に学んだ内容の多くを忘れてしまっています。

人の記憶は、学んだ直後から急速に薄れていくことが知られています。

学習の心理学でよく紹介される研究では、新しく覚えた内容の半分近くを1時間以内に忘れ、1日経つとさらに多くを忘れてしまうとされています。

復習をしないまま時間だけが経てば、せっかく理解した内容も、次に開いたときには初めて見る問題のように感じられてしまうのも無理はありません。


逆に、短い間隔で何度も見返すほど、思い出すのにかかる手間は少なくなっていきます。

1回にどれだけ時間をかけたかよりも、どれだけ間隔をあけずに繰り返したかの方が、記憶の残り方を左右するのです。


だからこそ、1周目は5割程度の理解で構いません。

わからない問題があっても立ち止まりすぎず、印をつけて先に進み、まず参考書全体を通してしまう。

2周目でつまずいた部分を中心に解き直し、3周目でさらに精度を上げる。

多くの受験指導の現場でも、参考書は3周、可能であれば5周以上を目安にするとよいといわれています。

1回の完成度を追い求めるのではなく、繰り返しの回数を確保することが、結果として理解の深さにつながります。

・1周目:全体を通し、得意不得意を仕分ける回
・2周目:つまずいた部分を中心に解き直す回
・3周目以降:細部の精度を上げていく回

「進みの遅さ」ではなく「回せていない」ことに目を向ける


厄介なのは、完璧主義な傾向のあるお子さんほど、勉強時間自体は決して短くないという点です

毎日机に向かい、ノートも丁寧にまとめている。

それなのに結果が出ない状態が続くと、本人も「自分はやり方が悪いのだろうか」「頭が悪いのかもしれない」と自信を失っていきます。

しかし実際には、能力の問題ではなく、1冊を仕上げるまでの回し方の問題であるケースがほとんどです。

丁寧に進めるほど1周にかかる時間が伸び、1周にかかる時間が伸びるほど、繰り返す回数を確保できなくなる。

繰り返す回数が足りないほど、せっかく理解した内容も定着せず、模試の結果に表れない。

結果が出ないから、さらに丁寧に、慎重に取り組もうとする。

こうして、真面目に勉強しているのに結果が出ないという悪循環が出来上がっていきます。

この構図に本人が気づくのは難しく、多くの場合「もっと頑張らなければ」という方向に努力を重ねてしまいます。


特に共通テストのように出題範囲が広い試験では、1冊を隅々まで完璧にした科目が1つあるより、主要科目のどれもが一定の水準まで仕上がっている方が、総合点は伸びやすくなります。

1冊1周にこだわりすぎて他の科目に手が回らなくなるのは、避けたい状態のひとつです。

模試の結果が思うように伸びないときも、「勉強量が足りない」と決めつける前に、進め方そのものに目を向けてみてください。

「もっと頑張れ」の一言で片付けてしまうと、本人はすでに精一杯やっているだけに、かえって追い詰められてしまいます。

まずは一緒に、今使っている参考書が何周目で、どのあたりに印がついているかを確認するところから始めてみてください。

進め方を変える「許可」を、保護者から出してあげる

真面目で完璧主義なお子さんほど、
「わからないまま先に進むのは気持ちが悪い」
「中途半端にはしたくない」
という気持ちが強く、自分だけの判断で今のやり方を変えることは簡単ではありません。

その誠実さ自体は、決して悪いものではなく、むしろ長所です。

だからこそ、進み方が遅いお子さんを見たときに「もっと丁寧にやりなさい」と声をかけるのではなく、逆の視点を持っていただきたいのです。

丁寧すぎて進みが遅いのだとしたら、必要なのはさらなる丁寧さではなく、思い切って先に進む後押しかもしれません。

・わからないところは印をつけて、まずは最後まで行ってごらん
・1周目は5割できていれば十分だよ

といった声かけは、完璧主義なお子さんにとって、進み方を変える許可のような役割を果たします。

本人だけでは、今のやり方を疑うきっかけをなかなか持てないことが多いためです。

また、兄弟姉妹や周りの友人と比べて「あの子はもっとどんどん進めているのに」と焦る必要もありません。

1周目を早く終える子は、単に完璧さの基準を下げて進めているだけということが多く、決して理解力の差ではないからです。

「終わらせること」を優先する許可さえ出せば、多くのお子さんは自然と回し方を切り替えていきます。

真面目だからこその悩みもある


受験勉強は、1冊を完璧に読み込む力よりも、限られた時間の中でどれだけ繰り返せるかという力が問われる場面が多くあります。

1周目から完璧を目指さない進め方は、決して手を抜くことではなく、合格に必要な理解の深さへ、より確実に近づくための戦略です。

頑張っているのに結果が出ないという苦しい時期は、能力の限界ではなく、進め方を見直すサインです。

1周目は5割で十分、2周目、3周目で仕上げていけばいいという考え方を家庭の中で共有できれば、お子さんは安心して先に進めるようになります。

すでに真面目に机に向かえているお子さんです。

足りていないのは努力の量ではなく、その努力を結果につなげるための回し方だけです。進め方を少し変えるだけで、今まで積み重ねてきた勉強時間がきちんと結果に結びついていきます。

焦らず、しかし止まらず、まずは1周を終えるところから始めてみてください。

その積み重ねの先に、納得のいく結果がついてくるはずです。



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太楼@偏差値45中学受験から医学部・難関大へ導く伴走 最後までお読みいただきありがとうございます。

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