(何の日3)世界一海藻を食べる長寿国は?(9月15日は「ひじきの日」)
9月15日は老人の日。と同時に「ひじきの日」でもあります。
これは単なる偶然で同じ日に重なったわけではなく、昔からひじきを食べると長生きする、と言われていることから、老人の日である9月15日を「ひじきの日」と制定したのです。
ひじきをはじめ、こんぶやわかめなど、一般的に海藻は身体に良いと言われていますよね。今回は、そんな海藻について掘り下げてみたいと思います。

世界一海藻を食べる国は?

実は、世界で最も海藻を食べている国は――日本です(一人当たり消費量)。 「やっぱりね!」と思った方もいるかもしれませんが、これは単なる印象ではなく、国連食糧農業機関(FAO)などの統計でも裏付けられています。日本人の海藻消費量は、一人あたり年間約4〜5kgとも言われ、これは他国と比べても圧倒的な数字です。※総消費量では中国が1位、日本は2位
海藻といえば、昆布、わかめ、ひじき、海苔、もずくなど種類も豊富。日本ではこれらが日常的に味噌汁や煮物、酢の物、さらにはおにぎりやお弁当にも登場します。まさに“海藻王国”と呼ぶにふさわしい食文化です。
ちなみに、韓国や中国も海藻をよく食べる国として知られています。韓国では誕生日に「ミヨックク(わかめスープ)」を食べる習慣があり、中国では昆布や海苔が薬膳料理にも使われています。ただし、消費量で見ると日本がトップ。これは、だし文化や家庭料理の多様性が大きく影響していると言えるでしょう。
海藻って、そもそも何?
海藻とは、海に生える藻類を指し、食用・非食用を問わず含まれます。見た目は植物のようですが「海草」とは別物です。
海草は花を咲かせる海の種子植物で、根・茎・葉を持ちます。一方、海藻は藻類で、体全体がほぼ同じ構造です。
海藻は主に3つに分類されます
褐藻類(昆布・わかめ・ひじきなど)
紅藻類(海苔・ふのりなど)
緑藻類(アオサ・アオノリなど)
それぞれに栄養価や食感が異なり、料理によって使い分けられています。昆布はだしに、わかめは味噌汁に、ひじきは煮物に……と、用途が広いのも海藻の魅力です。
都道府県別・海藻消費量ランキング

日本国内でも、海藻の消費量には地域差があります。
例えば、青森県や北海道、富山県など北日本の地域では、昆布やわかめの使用頻度が高く、海藻消費量がトップクラス。
一方で、大阪府や沖縄県など西日本の一部地域では、海藻の消費量が比較的少ない傾向があります。
海藻消費量が多い都道府県 TOP10(1人当たり年間消費量)
1位 青森県 昆布・ワカメの使用頻度が高く、味噌汁文化が根強い。
2位 北海道 昆布の産地。鍋料理や出汁文化が消費を後押し。
3位 岩手県 海藻を使った郷土料理が多く、健康志向も強い。
4位 秋田県 味噌汁・煮物に海藻を多用。高齢者比率も影響。
5位 新潟県 海藻入りの汁物や漬物が一般的。
6位 富山県 昆布締め文化が根付いており、日常的に消費。
7位 石川県 加賀料理に昆布や海藻が多用される。
8位 福井県 日本海側で海藻の入手が容易。
9位 山形県 味噌汁・煮物文化が強く、海藻消費が多い。
10位 長野県 内陸ながらも健康志向で海藻を積極的に摂取。
海藻消費量が少ない都道府県 Bottom10(1人当たり年間消費量)
38位 大阪府 外食文化が強く、家庭での海藻使用が少なめ。
39位 奈良県 内陸部で海藻の流通が限定的。
40位 滋賀県 湖魚文化はあるが、海藻はやや少なめ。
41位 三重県 伊勢志摩の海産物は豊富だが、海藻消費は控えめ。
42位 岐阜県 内陸部で海藻の使用頻度が低い傾向。
43位 愛知県 味噌文化はあるが、海藻はあまり使われない。
44位 香川県 うどん文化が中心で、海藻は脇役的存在。
45位 徳島県 海産物は豊富だが、海藻の家庭使用は少なめ。
46位 高知県 鰹中心の食文化で、海藻はあまり登場しない。
47位 沖縄県 モズクなど特産はあるが、全体的な消費量は少なめ。
これは、だし文化の違いが大きく関係しています。東日本では昆布だしが主流ですが、西日本では鰹節だしが好まれるため、昆布の使用頻度が下がるのです。また、都市部では外食が多く、家庭で海藻を調理する機会が減っていることも一因です。
海藻は健康だけじゃない!
海藻は「身体に良い」と言われる理由は、栄養価の高さにあります。
食物繊維:腸内環境を整える
ミネラル:カルシウム、マグネシウム、ヨウ素などが豊富
低カロリー:ダイエットに役立つ食品の一つ
昭和世代の方なら、「ひじきは鉄分が豊富」と教わった記憶があるかもしれません。実は、昔の鉄鍋で煮たひじきには鉄分が多く含まれていましたが、現在の調理器具ではそこまでではないという説もあります。それでも、海藻はミネラルの宝庫であることに変わりはありません。
さらに、最近では美容や腸活、免疫機能をサポートする可能性などの観点からも注目され、若い世代や海外でも海藻人気が高まっています。
海藻をもっと楽しむ食べ歩き&家庭アレンジ

全国には、海藻を使ったご当地グルメがたくさんあります。
富山の昆布締め:刺身を昆布で包んで熟成させる伝統料理
沖縄のもずく天ぷら:外はふんわり、中はトロッの絶品
三重のめひび汁:細かく刻んだめかぶを入れた郷土の汁物
千葉のあさりとわかめの味噌汁:千葉の漁村では、朝ごはんの定番
家庭でも、海藻は手軽に取り入れられます。乾燥わかめを味噌汁に、ひじきを煮物に、昆布を煮物やおでんに。最近では、海藻サラダや海藻スナックも人気です。
昭和風のアレンジとしては、ひじきの五目煮や昆布と大豆の煮物など、懐かしい味を再現してみるのもおすすめです。
海藻は文化! 文学・習慣・ことわざにも登場

海藻は単なる食材ではなく、日本文化の一部でもあります。 俳句や短歌にも登場し、例えば「磯の香や わかめ揺れる 春の潮」など、季節感を表す言葉として使われることも。
また、「昆布」は「喜ぶ」に通じることから、結婚式の縁起物としても使われます。おせち料理の「昆布巻き」もその一例ですね。
外国人にとっては、海藻を食べる文化は驚きでもあり、興味深いもの。日本の“海藻のある暮らし”は、健康だけでなく、季節や人とのつながりを感じる文化的な体験でもあるのです。
まとめ:ひじきの日に、海藻を食べてみよう

9月15日は「ひじきの日」。今年2025年は敬老の日(9月第3月曜日)と重なります。この機会に、ぜひ海藻を食卓に取り入れてみませんか?
ひじきの煮物を作ってみるもよし、昆布だしで味噌汁をひと工夫するもよし。海藻は、地味だけどすごい日本の宝。
長寿の象徴として、そして文化の味わいとして、今日の一皿に海藻を添えてみましょう。(千里ふうた)
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