朗読動画#1 旧統一教会信者の医師が体験した「拉致・監禁による脱会強要」~NAは2世の会・小嶌希晶さん
1,小出浩久医師の体験記『“人さらい”からの脱出』朗読動画の公開
旧統一教会(世界平和統一家庭連合)信者の現役医師が、「拉致・監禁による脱会強要」という凶悪犯罪の被害体験を記した本があります。
タイトルは『“人さらい”からの脱出』(初版1996年、改訂版2023年刊、光言社)。私は3回読みました。
著者は代々続く天理教の家庭に育った方で、大学時代に伝道され、旧統一教会の信者となりました。
本書は、医師として病院で担当患者を受け持つ身でありながら、ある日突然、拉致・監禁され、密室で棄教を迫られ、実に2年近くも自由を奪われた被害体験を赤裸々に綴ったものです。
その内容は驚くべきもので、「拉致・監禁による脱会強要」が、表向き家族を前面に出しながら、実際には脱会請負人(いわゆる脱会屋。脱会カウンセラー)、キリスト教牧師、彼らが脱会させた元信者たちが仕切って行う、極めて組織的な工作活動であることを明らかにしています。
この活動によって脱会した元信者は、統一教会を相手取った裁判や調停、教団との返金交渉などを強制され、その際、彼らの代理人を引き受けるのが霊感弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会、全国弁連)の弁護士たちなのです。
裁判などを強制されるのは、脱会した元信者だけではありません。
棄教したと言わない限り、監禁を逃れるすべがないため、やむなく棄教を装った者、すなわち偽装脱会した信者も、「脱会したのなら統一教会を訴えられるよな」と脅され、裁判などを強制されます。
いくら「統一教会はやめた。だから監禁を解いてくれ」と頼んでも解いてはもらえず、本当にやめたのか確かめるため、踏み絵を踏まされるわけです。
霊感弁連の弁護士が「拉致・監禁による脱会強要」と見事に連動して動いていることも、本書では暴露されています。
2,「拉致・監禁による脱会強要」の実態を、2世の会の小嶌希晶さんが朗読
今回、この本の朗読動画の第1回分が公開されました。全7回で完結するとのこと。
朗読『人さらいからの脱出』#1https://t.co/g6wVh4ca2B
— 後藤 徹 (@gototoru) October 4, 2025
全7回シリーズ
ぜひ、ご覧下さい。
明日、第2回UP予定です。
統一教会の信仰をもつ青年医師と、その信仰を破壊し、統一教会壊滅を目論む“反統一教会グループ”との二年間にわたる壮絶な戦いを記録したノンフィクション。
amazon… pic.twitter.com/kIPZISxMri
動画は、「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」(後藤徹代表)が制作し、ナレーションを「信者の人権を守る2世の会」の小嶌希晶さん(宗教2世)が担当しています。
視聴したところ、重要な箇所をピックアップした抜粋版でした。丸ごと1冊朗読したのでは、長すぎるからでしょう。
3,有田芳生氏の「拉致・監禁は旧統一教会のキャンペーン」というデマ
ついでに、『“人さらい”からの脱出』に登場するお馴染みの人物たちについて少し触れておきます。
(以下に取り上げる人物の他、本書には平田広志弁護士、「週刊文春」記者、TBS「報道特集」ディレクター、「青春を返せ裁判」の原告元信者たち…が登場します)
反統一教会の人たちが「拉致・監禁」ではなく「保護・説得」だと言う旧統一教会信者に対する卑劣な犯罪行為(刑法第220条逮捕・監禁罪相当)と棄教の強要。
既に1991年京都地裁判決や2002年広島高裁判決など、数々の違法判決が出ているにもかかわらず、彼らは「拉致・監禁は統一教会のキャンペーン」(有田芳生氏)、「弁護士や牧師がかかわっているケースで拉致監禁はない」(紀藤正樹弁護士)などとデマを飛ばしてきました。
有田芳生氏の問題発言はこちら。
有田芳生氏「統一教会、関連組織から今の日本の状況を見ると政治家との関係や霊感商法が問題ではなく、拉致監禁や信仰の自由の弾圧だという捉え方。拉致監禁キャンペーンなんだ。MCという立場の太田さんが拉致監禁もあるでしょというのはやめていただきたい」#サンデージャポン pic.twitter.com/rKw4TH7GVh
— こむぎ (@mugichoko1616) October 2, 2022
本書を読めば、あるいは朗読を聞くだけでも、「拉致・監禁による脱会強要」が統一教会のキャンペーンなどではなく、頻発した凶悪犯罪そのものであり、被害者による魂の告発であることがわかるはず。
また、「保護・説得」が詭弁であり、悪質なデマだということも一目瞭然です(=保護・説得のウソ)。
4,紀藤正樹弁護士の「弁護士や牧師がかかわっているケースで拉致監禁はない」というデマ
2010年7月、紀藤正樹弁護士は、米ニュージャージー州フォートリーで開催された「ICSA(国際カルト研究協会)」の国際会議で、統一教会信者への「拉致・監禁による脱会強要(強制棄教)」について、次のように発言しました。
「親がやり過ぎるケースは世界のどこにでもある。日本にもそうしたケースはあるが、弁護士や牧師がかかわっているケースで拉致監禁はない。
霊感商法は教団による組織的な事件だが、拉致監禁は偶発的なもので、たまたま親がやり過ぎてしまったケースが違法行為として認められている」
この発言は、室生忠著『日本宗教の闇』(アートヴィレッジ、2017年)にも記録されています(p.313)。
紀藤弁護士は2010年に「弁護士や牧師がかかわっているケースで拉致監禁はない」と言い切ったわけですが、一体何の根拠があっての発言だったのでしょうか?
そもそも紀藤正樹弁護士は、過去何千件と発生した旧統一教会信者への「拉致・監禁による脱会強要」という凶悪犯罪の1つ1つを、きちんと調査したのでしょうか?
していませんよね。
ろくに実態調査もしていないくせに、よくもまあこんな口からでまかせを言えたものだと思います。
2010年の時点で、既に「拉致・監禁による脱会強要」の被害に遭った信者の体験記は書物でいくつも出ていました。
今回、朗読動画になった『“人さらい”からの脱出』もその中の1つです(初版1996年、改訂版2023年刊、光言社)
小出氏の拉致・監禁には日本同盟基督教団・新津福音キリスト教会の松永堡智(やすとも)牧師が関わっていました。
松永牧師は、12年5カ月監禁された後藤徹氏の裁判で、監禁を教唆(きょうさ)し、棄教の強要を幇助(ほうじょ)したとして、共同不法行為を認定、損害賠償支払いを命じられた人物です。(2015年最高裁確定)
なお、被害者だけでなく信者と元信者、監禁する側の牧師にも取材したルポライター米本和広氏の『我らの不快な隣人』(情報センター出版局)が出たのは2008年です。
5,紀藤正樹氏は、監禁され棄教を強要されていた著者の代理人弁護士だった!
小出氏の被害体験記は1996年に刊行されたもの。
これを読めば、拉致・監禁に牧師が関わっていることは明々白々なのに、紀藤正樹弁護士は、被害者の書いた本を確かめもせず、堂々とウソをつきました。
さらに驚くべきは、紀藤正樹弁護士(と山口広弁護士)は小出浩久氏の代理人弁護士となり、打ち合わせのため、小出氏が監禁されていた新潟市の現場近くまで来ていたことです。
小出氏は拉致・監禁され棄教を強要されていたとき、監禁から逃れるには脱会したと言うしかないと腹をくくり、「もう統一教会はやめる。教義も信じられなくなった」と宣言します。
しかし、そう宣言しても監禁を解いてもらえません。
拉致・監禁を実質的に取り仕切った荻窪栄光教会の宮村峻(たかし)は、
「本当に統一教会をやめたのなら、統一教会にした献金やら物品購入費やらを全部取り返せ」
「勤め先の統一教会系病院に対し、勤めていた2年間、正当な賃金が支払われなかった。その分を払わせろ」
などと命令してきました。
命令に従わなければ監禁から解放される見込みはないため、小出氏はやむなく言う通りにし、勤務先病院を相手取っての調停を都内の簡易裁判所に起こします。
この時の代理人弁護士が、なんと紀藤正樹氏だったのです。
小出氏は後日、監禁場所から脱出に成功した後で、紀藤正樹弁護士と山口広弁護士に解任通知を送りました。
それからこの本(『“人さらい”からの脱出』)を執筆し、刊行したのです。
6,紀藤氏は、自分の元依頼主が「拉致・監禁による脱会強要」の被害体験を公表しても、連絡1つ取らなかった
普通の神経の持ち主なら、自分が代理した人物が「私は拉致・監禁による脱会強要の被害者だった」という趣旨の本を出したら、驚いてすぐにでも取り寄せて目を通すのではないでしょうか?
読めば、自分の元依頼主が「拉致・監禁による脱会強要」という凶悪犯罪の被害者だったことは明らかですから、「これは本当にあったことなのか?」と本人に直接尋ねてもよさそうです。
ところが、小出氏によると、紀藤氏や山口氏からは何の連絡もありませんでした。
自分の元依頼主が拉致・監禁されていた。「事実とすれば、誰がそんな非道なことをしたのか? 本当に脱会したかどうかを見極める、いわば踏み絵のために弁護士を使って調停を起こさせるなんて言語道断。許せない」と思うのがまともな感覚です。
ところが、紀藤弁護士は「拉致・監禁による脱会強要」の実態を調べようともしませんでした。
小出氏に連絡することも、ヒアリングすることさえしなかった。
首謀者や関与した人物らを告発することも、非道な犯罪と人権侵害をやめさせるために行動を起こすこともしなかった。
それどころか、小出氏の拉致・監禁を実質的に取り仕切った脱会支援者の宮村峻と連携し、彼から紹介された訴訟がらみの案件を、その後も引き受け続けたのです。
なお、宮村峻は、12年5か月監禁された後藤徹氏の裁判で、監禁と棄教の強要を幇助したとして共同不法行為を認定、損害賠償支払いを命じられたいわく付きのワルです。
紀藤正樹弁護士は「拉致・監禁による脱会強要」に直接手を染めたわけではありません。しかし、明らかに見て見ぬ振りを続けました。
これについては、霊感弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会)の初期の幹部で、紀藤正樹、山口広両弁護士らと行動を共にした伊藤芳朗弁護士の法廷証言があります。
ただの証言ではなく、法廷で証拠採用された信憑性の高い証言です。以下のnoteで詳しく書きました。
#2へ続く
