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【創作大賞応募作品】「人格者」による10年の予言


13連勤、手残り10万円、20時50分
そこには残高10万円の自分の通帳があった。

低予算のまま繁盛させ続けた罰のように配置人数を削られ、
雇われ店長には何も変えられない。

業績低迷の責任をとる。
それは建前の理由だが、独立に向けて
動き始めていた。

独立を決意して半年前に退職の意思を表明するも、
辞めると決めた瞬間から会社は
人材を使い潰しにかかる。

そんな疲れ切った店長の前に現れたのが、
閉店間際に飛び込んできた一人の女性だった。

受付は終わっているけど、
そう思わせる幸薄い顔立ちの疲れ切った様を見たら
「放っておいたらマズイ!」そう感じてしまった。
今の彼女に店長自身を重ねたからかもしれない。

最短コースの20分だけという約束で
施術を始めた。

施術後、程なくして急に泣き出す女性客。
力加減を間違えたのかと、寄り添ったとき
彼女は胸に飛び込んで号泣してしまう。

会社の規定を無視して迎えた女性客を
閉店後まで抱きしめてしまった。

もはや罪悪感しかなかった。
まともな施術もしていないからと
施術料を受け取らずに帰したはず。

…だったが、ジャケットのポケットから
名刺と一緒にその一万円札が!

名前は克子さんというらしい。
その夜から、彼の心の中で何かが変わり始める。

2週間後、再会し一万円を返すはずだったが、
どういう訳か施術を受けることになった。

誰かの施術を受けるのは久しぶりだが、
日々の激務の疲れから爆睡してしまう。

ふと唇に柔らかい感触が触れたが
驚きながらも抗わなかった。

翌日からの生活は一変。

公園でコンビニおにぎりを一緒に食べる。
そんなささやかなデート、隙間を縫うような逢瀬。
それでも心は確実に交際へと傾いていく。

ついに告白したが、返事は後日
ある神社でという謎の返事をもらうことに。

告白の返事を聞くために向かった神社で、
彼女は「これから十年、恋愛にうつつを抜かす場合ではない」と告げる。

恋愛と引き換えに仕事運を上げるという、
温かくも冷たくもない、ただひたすら寂しい何かが
体に流れ込んでくる。

そして、そこで初対面と同じ人格戻って
はっきりこう告げた。
「私、結婚しています」

心の中を吹き抜ける突風。儚い恋の終わり。

退職の日、見送るスタッフは誰もいない。
失恋と疲労、どちらがどちらか分からなくなるほど
混ざり合った最終日。

いつも通りの手順でシャッターを閉めても、
涙が出るものだと思っていたのに、何もなかった。
いや、感じないように淡々と最後の業務を遂行したのだ。

振り返ったら泣く気がしたから。

そして物語は、巫女モードの克子の言葉と共に、
10年の意味を答え合わせする
そんな道のりへと続いていきます。

※続きは今後掲載予定です

#創作大賞2026 #マンガ部門


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