カナダの昔ばなし⑤ 森のなかのマニトゥ 【読み聞かせ】
むかしむかし、北の森では、木にも、風にも、水にも、
マニトゥ とよばれる“ちから”が宿っていると、人々は語り伝えていました。
マニトゥは、目で見えるものではありません。
けれど、森の中を歩くと、そっと耳にふれるように感じられるのです。
ある日、ひとりの子どもが、村のはずれの森へ木の実をひろいに行きました。
森の道を歩いていると、木々の葉がふわりとゆれました。風が吹いたのではなく、まるで木が「あいさつしている」ようでした。
子どもは立ちどまりました。
すると、どこからともなく、カサ、カサ、と小さな音が聞こえました。
動物の足音ではなく、森そのものが、なにかを伝えているようでした。
子どもは、そっと言いました。
「こんにちは。」
すると、森がゆっくりと静かになり、
葉のゆれる音も、土のにおいも、
すべてがやさしく感じられました。
子どもは気づきました。
これが マニトゥ なのだと。
姿は見えなくても、
森が生きていると教えてくれる力なのだと。
子どもは木の実をひろい、
「ありがとう」
と森に向かって言いました。
すると、またカサ、カサ、と小さな返事のような音がしました。
村に帰ると、子どもはお年寄りに話しました。
「森が話しかけてきたよ。」
お年寄りはにっこり笑って言いました。
「それはマニトゥだよ。森に耳をすませた者だけが、
その声を感じることができるんだ。」
今でも、人々は森に入るとき、しばらく立ちどまり、そっと耳をすませます。
森のすべてのものにマニトゥ が宿っていることを忘れないために。
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この「森の中のマニトゥ」のお話を読んでいる動画もYouTubeで公開しています。
カナダについて:
「森のなかのマニトゥ」は アルゴンキン族の先住民の間で語り継がれてきたお話です。
アルゴンギン族の先住民について:
カナダの先住民に伝わるお話を集めたのは、
Chaiさんによる「真実と和解の日 」の投稿がきっかけになりました。
そして、「カナダからこんにちは。Chai」のChaiさんが、この「世界 昔ばなしの森」とのコラボ企画として、カナダの先住民の方々のアートが展示されている「オタワの国立博物館」、さらに「モントリオール美術館」も紹介してくれました。昔ばなしとも共通する、自然とひとつになって暮らしてことを感じられると思います。先住民の方々がつくるアートも圧巻でした。
https://note.com/noble_macaw8127/n/n922181398fe7?from=notice
『世界 昔ばなしの森』では、世界各地で語り継がれてきた昔話をお届けしています。
また、読み聞かせ用の原稿にもなっており、スマホやタブレットでご覧いただけますので、お子さんの寝かしつけの時にも、明かりを消して、読み聞かせすることができます。
ひとつひとつの物語のおもしろさはもちろん、それぞれの地域ごとの文化や知恵が詰まっています。 その国の人や暮らしに思いをはせながら、昔ばなしの世界への旅をお楽しみください。
原典:カナダの民話 /リサーチ:ChatGPT
