【高校受験:息子|ep12】頑張っているのに届かない
前回のお話
進路のことで夫と意見がぶつかりました。
「甘い」
「楽な方に流れているだけじゃないのか」
そんな言葉を聞きながら、
私は息子の頑張りを思い出していました。
実はその頃の息子は、
私の知らないところでも少しずつ変わり始めていました。
「めんどい」
から始まった受験生活。
一学期の息子は、
今までにないくらい勉強を頑張っていました。
中間テスト。
そして期末テスト。
家でも机に向かう時間が増え、
私から見ても本当によく頑張っていたと思います。
けれど、
受験生が頑張っているのは息子だけではありません。
今まで勉強を避けてきた時間は、
そう簡単には埋まりませんでした。
結果は思うように伸びず、
息子は目に見えて落ち込んでいました。
「頑張っても無理なんかな」
そんな言葉も聞くようになります。
正直、
「あんなに頑張ってたのになぁ」
と、私も悔しかった。
ここで結果が出ていれば、
息子の自信につながったかもしれない。
そんな気持ちもありました。
でも同時に、
以前なら投げ出していたかもしれないことに向き合っている息子が、
なんだか頼もしく嬉しくも思えました。
夕食の時。
娘と三人で、
「残念だったけど、よく頑張ってたよ」
と話すと、
息子は力強く頷いて、
「二学期も頑張る」
と言いました。
その姿を見ながら、
中学一年生の頃を思い出していました。
学校へ行くことさえ苦しかったあの頃。
「行きたくない」
と階段の上で泣き叫ぶ息子と向き合っていた毎日。
朝が来るのが怖くて、
私も何度も悩みました。
そんな日々を思い出すと、
なんだか少し泣けてしまいました。
そんな頃、
通級の先生とのやり取りの中で、
私はあることを知ります。
先生から届いた記録には、
「勉強を頑張っている」
「お母さんから教えてもらうことは断り、自分で頑張りたいと話していた」
と書かれていました。
私は思わず何度も読み返しました。
家では見せない姿だったからです。
特に、
『自分で頑張りたい』
という言葉に驚きました。
以前の息子なら、
きっと出てこなかった言葉でした。
私は先生へ、
テストの結果が思ったほど伸びず落ち込んでいたこと。
それでも今までで一番頑張っていたこと。
ここまで成長できたことが嬉しかったことを伝えました。
すると先生からのお返事には、
こんな言葉が書かれていました。
「結果よりも、頑張ろうとする気持ちが大切」
「自分の好きな道、自分に合った道を探しながら進めばいい」
そう伝えると、
息子くんは頷きながら聞いていました。
そして、
お母さんの思いを伝えると、
照れながらも喜んでいました。
テストの結果だけを見れば、
思うように進んでいないように見える。
そんなふうに感じてしまうこともある。
でも、
ちゃんと見てくれている人はいる。
息子の頑張りを、成長を
ちゃんと知ってくれている人がいる。
それだけで、
少し肩の力が抜けた気がしました。
一方で、
二学期に入った息子は、
少しずつ不機嫌になることも増えていました。
朝はなかなか起きてこない。
起きても機嫌が悪い。
「早くしなさい」
そんな何気ない一言で、
言い合いになることもありました。
私は、
受験のストレスかなと思っていました。
朝起きないこと。
機嫌が悪いこと。
言い返してくること。
あの頃の私は、
そんな息子の姿ばかり見ていました。
その奥にある気持ちには、
まだ気づいていませんでした。
それを知るのは、
もう少し後のことです。
息子の行き渋りについての記事はこちら
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