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『「原因」と「結果」の法則② 幸福への道』 読書共有【第30弾】

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はじめに

今回はジェームズ・アレン『「原因」と「結果」の法則② 幸福への道』(坂本貢一訳、サンマーク出版、2004年)からの共有です(原題は“THE PATH OF PROSPERITY” 1907年)。

本書は読書共有【第28弾】で紹介した『「原因」と「結果」の法則』(原題“AS A MAN THINKETH ”1902年)の続編で、「人は心の中で考えたとおりの人間になる」という思考的枠組みを継承しつつ、それをより具体的に展開したような内容になっています。

「幸福への道」というサブタイトルの通り、「真の幸福とは何か」「それをどう実現するか」というテーマに焦点を当てたのが本書の特徴と言えます。

アレンの思想全体において、自らの思考が「原因」となって人生の諸々の「結果」が決定されるという考え方が貫徹されていますが、幸福に対する考え方も同様で非常にシンプルです。

つまり、幸福は外的な要因(地位や名誉、裕福さなど)からではなく、内面の状態(心の平穏と充足)から生まれるということです。

他人軸や他責で自分の幸福を決めてしまうようなことはせず、あくまで主体的で自責的、かつ創造的な思考と行動で自分や他者の幸福を実現していくこと。ここに、アレンの幸福論の真髄があると言えます。


他者と「引き寄せの法則」

最初に注目したいのは、前著作では積極的にはテーマ化されていなかった「他者と引き寄せの問題」についてです。まずアレンは、他者と引き寄せの問題について以下のように明快に語っています。

「人間は、自分が送り出す思いと同種の思いを自分に引き寄せ、その結果、自分とよく似た人たちと接するようになります。「類は友を呼ぶ」という古いことわざは、一般に考えられているよりもはるかに多くのことを語っています。思いの世界の中でも、物質の世界のなかでも、同種のもの同士はつねに引き寄せ合う傾向にあるのです」

アレンの基本的な思考の枠組みは、「人は心の中で考えたとおりの人間になる」というものでしたが、例えば自己や他者、世界、その他諸々の存在をどのように思い考えるかによって(「原因」)、それと同種のものが「結果」として引き寄せられることになり、当人の人生が形成されていくということになります。

良い思考は良い人格を育み、良い環境を整備し、良い人間関係を築き、良い世界観を醸成する一方で、悪い思考はこれらとは逆のものを引き寄せるということになると言えるでしょう。つまり、自らの思考の在り方によって、自分の人生が良くも悪くもなり、幸福にも不幸にもなるということです。

ここで特に注目したいのは、アレンが幸福をテーマとする本書において、「類は友を呼ぶ」ということわざを引き合いに出しながら、他者の問題を「引き寄せの法則」において理解している点です。これは、人間関係が幸福に大きく関わることを意味していると考えられます。

ごく簡単に言えば、他者の存在や人間関係を含めてどのように考え行動するかが「原因」として作用し、その「結果」として人間関係の良し悪しや幸不幸が決定されるということです。

人間関係も幸福もまずは自分からという、アレンらしい主体的・自責的な態度がここでも確認されます。もちろん人間関係が良好であれば問題はないでしょうが、中にはそうではない人間関係も現実にはあることでしょう。

そんなとき、お互いがこの場で引き寄せられている意味を考える機会を与えてくれるのも、「引き寄せの法則」だと私は思います。自分に合う人だけでなく、合わない人をも引き寄せてしまうこの事実は一体何を意味するのか。

それを考えると、その出会いは実は自分の成長のためであったり、自分の食わず嫌いや偏見に気づくきっかけになったり等と、実に様々な意味に開かれた出会いと言えるかもしれないのです。自分自身の思考を変えれば、その出会いに新たな意味を付与することもできるのです。

こうした思考の自由が私たちの日々の考えや行動に影響を与え、究極的には幸福を可能にするものであると言えます。「原因と結果の法則」というと何か固い印象を持ってしまうかもしれませんが、この法則は実のところ私たちの思考を自由に開放し、幸福も何もかも最終的には自分自身で決めることができる可能性を示唆していると考えられます。


他者への奉仕における幸福

もちろんアレンは良い思考を育むことに人間の可能性を見ているわけですが、その中で特に重要になってくるのが今回の著作でテーマ化されている他者への奉仕だと思われます。

この他者への奉仕について、アレンは幸福とも関連づけながら次のように述べています。

「もしあなたが私欲を放棄し、他の人たちへの奉仕に没頭できたならば、その努力に応じた規模の幸せが、あなたにもたらされることになります。その努力にあなたがつぎ込むエネルギーは、あなたが刈り取る幸せという収穫物として、あなたのもとに必ず戻ってきます」

ここで注目すべきなのは、他者への「奉仕」が原因として作用し、その結果として「幸せ」がもたらされると言われている点です。換言すれば、まずは自分から他者に「与えること」が幸福をもたらすということです。

成功哲学の文脈では「与えること」が「成功」につながると説かれることが多いですが、アレンは特に「与えること」が「幸福」につながる点を強調しているように見えます。

この点を鑑みて、パーソナルトレーナーである私の場合について考えてみるならば、「奉仕」とはお客様へのサービスであり、またスタッフへの言動含めた思いやりであり、さらには社会への貢献でもあると言えるでしょう。

現在、私の人生のテーマはこの「奉仕」であり、役職があるがゆえの幅広い奉仕の可能性について考えています。つまり、役職が上がるにつれて他者に奉仕できる機会が増えるという可能性です。社内読書共有にしても社外読書共有(note)にしても、これらは奉仕の一環としての試みに他ならないと考えています。

アレンの思想に沿って言えば、まずは自らの思考を良きものに変え、そして実際に行動していくことが肝要になってきますが、この思考と行動の目的が究極的には他者への奉仕であり、まさにこの他者の存在が私たちの幸福にとって不可欠であるということです。

先述のように、お互いがこの場で引き寄せられている意味を考える機会を与えてくれるのも「引き寄せの法則」だと私は考えていますが、究極的にはどんな出会いにおいても他者への「奉仕」の可能性を考え実践することができれば、あらゆる出会いの中に幸福が見出されるかもしれません。

「奉仕」という言葉が難しく感じるならば、目の前の人に対して「自分が今できることは何か」を考え、たとえ小さなことであっても実践してみるというだけでも十分だと思うのです。人生の幸福は、そういった小さな試みの中にこそ潜んでいるのかもしれないからです。

なお私が日々実践している「与えること」に関しては、以下の記事の後半部をご参照くださいませ。

仮に同じ仕事であったとしても、仕事をする人それぞれの思考と行動で結果は大きく変わってくるでしょう。そしてこれは人生全体にも言えることだと思います。

そんな中で、アレンの思想はパーソナルトレーナーにおけるサービスの在り方においても、一石を投じる豊かな内容を提示していると考えられます。


幸せを感じる瞬間

最後に、私からのコメント付きでアレンの言葉を幾つか紹介することで、今回の共有を終わりにしたいと思います。

「これまでの人生を振り返ってみることです。そうすればあなたは、自分が最も大きな幸せを感じた瞬間は、他の誰かに、非利己的な姿勢で、愛に満ちた思いやりのある言葉を投げかけたときか、その種の行為を行ったときであったことに気づくでしょう」

「最も大きな幸せを感じた瞬間」とは、読書共有【第24弾】で紹介した「今、この瞬間」としての充実した「現在」とも考えられます。ただアレンの場合、特に他者との関係における「現在」の大切さが想定されているように思えます。ときに私たちの人生経験に訴えかけてくるのも、アレン思想の魅力だと感じます。

「自分の持ち物、知識、愛を与えることは、何物にも代えがたい喜びをあなたにもたらしてくれます。すぐにあなたは、受け取ることよりも与えることからのほうが、はるかに大きな喜びを手にできることを、改めて実感することになるでしょう」

「愛されることのなかではなく、愛すことのなかで、心は祝福を得ます。求めることのなかではなく、与えることのなかで、あなたは求めているものを発見します。あなたが待ちこがれるべきもの、あるいは必要とするものはみな、あなたが与えようとするものです」

まずは自分から「与えること」を重要視するアレンらしい主体的・自責的な態度がここに表れています。「与えること」を通して得られる人生の幸福が美しくシンプルに描かれた箇所として、今も私に影響を与え続けています。ときにこうしたフレーズに出会えるのも、アレン思想を読む楽しみの一つです。


おわりに

今回も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。
日々少しずつ閲覧数やリアクション数、フォロワー数も増えてきて嬉しい限りです。今後も最低週1回の更新を目指して頑張ってまいります。

あえて本の要約といったことはメインとせず、私なりの観点から面白いと思った箇所の共有という限定的な内容にしております。それが少しでも皆様の記憶に残り、日々の読書体験の深まりや具体的な行動・実践に繋がるのであれば幸いでございます。

それでは今後とも宜しくお願い申し上げます。

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