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11 【自己】【意識】【思考】について再定義する。私たちはなぜ自己を感じるのか?

なぜ人間には意識があり、自己があり、思考しているのであろうか?

それはどこから来ているのか?

「人間」は関与体の構造化による高度な【構造体】であると主張する。

【自己】や【意識】については「生物」としての
一般的な記述も可能とみているが、
より哲学的な立ち位置から、
あえて対象は「人間」についてのみを扱う。


人間という構造体

人間という構造体の成り立ちを
順にひも解いてみる。

・まず最小単位である「関与体」があり、
 それは意図、法則性のない関与の連鎖を生む。

・関与の連鎖の中で、「意図しない」一定の
 傾向としての【癖】が出てくる。

・この【癖】により次第に関与体は、
 反復が繰り返し生じ、構造体となる。
 関与の連鎖が強固になり構造体となる。

・構造体は、さらに他の関与体、構造体との関与
 により、その性質が複雑化してくる。

この複雑化の過程で構造体は、
固定された応答パターンの反復と関与の傾向に
ついて、あらかじめ定められた応答様式を持たない為、数多の関与の応答の中から
「内部フィードバックを行う」という関与の形態を取る事も想定される。

この内部フィードバックという関与の応答をとった構造体が「意識」を持つと論じる。

【意識」は継続的に内部フィードバックを行うという関与を取る。それは、内部と外部の識別をする事と繋がる。


なぜ、継続した内部フィードバックなのか?

例えば、あなたが読んだ事が無い絵本がここにあるとする。

その絵本には文字はないが、最初から順にページをめくっていけば、その絵だけでストーリーを
一般的に理解できるものであるとする。

次に、まだ見ていないその絵本の冊子を外して、ランダムに床にばらまいてみる。あなたはその床に散らばった状態を見て、どのようなストーリーを理解できるだろうか?
人間の想像力なら、もしかしてある程度繋がりを推測することはできるかもしれないが、ストーリーの全容を完全に「理解」することはできない。

上述は人間の認識の例だが、構造体における内部フィードバックが断続的で、つながりの全くないものであれば、それは参照ではなく、瞬間的反応に過ぎない。

意識に必要なのは継続した内部フィードバックである。
そして、それは、長さはどうであれ、
記憶として保持されると考える。


自己は存在するのか

日常的に私たち人間に自己は明確に存在しているように感じられる。

思考し、判断し、行為を選択している「私」がいるという感覚は非常に強固である。

しかし、この自己を詳細に検討すると、一定の中心や不変の核を見出すことは難しい。

私の体を離れた腕は「私」か?

記憶を完全に失った「私」は「私」か?

遺伝子情報が全く同じクローンは「私」か?

「自己」は単一のものではなく、複数の要素の集合として立ち現れる。

身体感覚、言語、社会的役割、記憶の連なりが
相互に関係し、一貫しているように見えて、実際には常に再構成され続けていると言える。

【意識】は継続した内部フィードバックが必要と記述した。
これは「自己」と認識している状態を指さない。
構造体はすでに存在として内部フィードバックを含めて在るが、
その構造体がその構造体自身を「自己」と認識しているかどうかは別の話であるからだ。

【自己】の定義

その構造体自身が、
継続した内部フィードバックにより、
自身を次なる関与の条件として、
取り込んでいる状態
を指す。

ここまで【関与体】も【構造体】も目的も主体性もないとしてきた。
しかし、ここで内部フィードバック、
つまり自身を前提条件として、
主体的に関与の連鎖と関係性を持とうとする。

もう一度詳細に順番を書いてみる。

  • まず前提として、構造体の存続を持続させようとする働きがある。
    関与体の「存続圧」がかかっているともいえる。【存続圧】は関与体の存続持続性という性質が、構造体のレベルで集積された結果として生じる構造維持の傾向。

  • 継続した内部フィードバックが起こる。(意識の発現)

  • 内部フィードバックした構造体が内部を保持しようと、他の関与と関係性を築こうとする。(自己の発現)

今まで意図も目的もなかった構造が、ここで主体性を手に入れる。
この主体性こそが「自己」である。
但し、ここでの主体性とは、内的状態を関与の条件に取り込む機能的な働きを指す。
主観的経験の起源については本体系の扱う範囲外とする。

このようなプロセスを得て、人間は高度な構造体として「意識」と「自己」を手に入れたのだ。

先述した問に答えるとするなら、

〇私の体を離れた腕は「私」か?
 →「腕自身」が「私」として自己参照していない  
 為、「私」でない。
 (例としては腕だが、部位の程度の問題として  
「自己」条件不達成とみる)


〇記憶を完全に失った「私」は「私」か?
→記憶がその時期を境に完全に全く戻らないなら、前と後では別々の「私」。
(意識の断絶と「自己」条件不達成とみる)


〇遺伝子情報が全く同じクローンは「私」か?
→構造体それぞれが別々の「私」
(「意識」が共有されているわけではない。また同じ遺伝子情報を持っても、関与の影響は揺らぎや癖をもつ為、不達成とみる)


思考とは

「意識」のあとに「自己」が発現した。

【自己】は
その構造体自身が、
継続した内部フィードバックにより、
自身を次なる関与の条件として、
取り込んでいる状態

と記述した。

しかしこれだけでは固定した応答パターンである。
つまり構造体ZはAという関与においては必ずBという反応をする。
またCの関与に対して、取り込む。
あるいはDの関与に対して、反発する、といった単一で一方的な反応といえる。

しかし、この固定した応答パターンだけでは、構造存続維持が困難である場合がある。
この時、構造体は「存続圧」により戦略的に持続する関与を選び取ろうとする。
ここで固定されたパターンではなく、内部フィードバックした結果と外部からの関与を突き合わせて、応答のパターンを増やし、あるいは都度変更するという方向性を持った関与の仕方が現れることが想定される。

つまりAという関与において、必ずしもBではなく、CやDの選択肢を含むということになり、関与の仕方がより複雑化する。

この複雑な選択肢を準備するという働きこそが【思考】であると定義する。

順番は常に意識→自己→思考 であるが、
人間は原則、これらの3条件がそろっている構造体と考える。

ここでは、人間の意識、自己、思考の立ち上がりまでを捉えてみた。

当体系に興味をもっていただければ、目次から、番号順に読んでいただけますと、
より深く検証していただけると考えています。フォローしていただけますと幸いです。

動画解説も少しづつUP予定ですので、わかりにくい方は、
ぜひ見ていただければと思います。


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