【 手法公開 】 【 中級者向け 】 アンビエント・エレクトロニカ | 音・演奏・映像を一つの作品として組み立てるコツ
※ 内容の充実を図るため、予告なく更新する場合があります。
※ この記事は大部分が中級者向けの内容です
アンビエントの要素を取り入れた、エレクトロニカな雰囲気の演奏動画を制作しました。
今回は複数の機材を使用し、これまでとは少し異なるアプローチを試しました。
本記事では、楽曲の紹介をはじめ、制作の裏側や撮影ノウハウなど筆者の制作手法の大部分について分かりやすく解説 しています。
とくにミックスで使用したプラグインや動画撮影について充実しています。
作品制作をひとつ上のレベルに上げようとお考えの方向けに有料級の内容になっていますので、ぜひこの機会にお読みください。
なお、内容はあくまでも筆者の主観的な考えや制作手法に基づいています。ひとつのアイデアとして参考にしていただければうれしいです。
【 目次 】
【 楽曲について 】

BPM:114
コード進行:
B♭ maj7 | B♭ maj7 | C add9 | C add9 |
Am7 | Am7 | B♭ maj7 | B♭ maj7 |
特徴:
・ノスタルジックな音の雰囲気
・2000年代初期の エレクトロニカ を彷彿とさせるリズムトラックやグリッチノイズ
・小鳥のさえずりや風などの 環境音 を重ねたエモーショナルな アンビエント / エレクトロニカ
使用機材:
・Bastl Instruments KASTLE DRUM( カストル ドラム )
・Torso S4
・SONICWARE LIVEN Evoke( イヴォーク )
・Elektron Digitakt( デジタクト )
【 方向性 】
Bastl Instruments の小型モジュラー・ドラム・シンセ KASTLE DRUM( カストル・ドラム )を Torso S4 に通して音の実験していたところ、偶然にも心地よい雰囲気のトラックを作ることができました。
そこで、この2つの機材だけを使ってジャムセッション動画を制作。
いい感じに撮影できたのですが、そのまま公開するにはあまりにもシュールすぎる と感じました。
とはいえ、お蔵入りにしてしまうにはもったいないと思い、他の機材も使ってアレンジを考えることに方向転換 しました。

▼ KASTLE DRUM とS4 については下記をご覧ください。
【 トラック構成 】
KASTLE DRUM を S4 に通してエフェクトし、さらに SONICWARE LIVEN Evoke と Elektron Digitakt のトラックを重ねて楽曲を制作しました。
それぞれのトラック構成は、以下の通りです。

▪︎ それぞれの機材のポイント

楽曲の核となるのは、コード、メロディー、ベース、シーケンスフレーズ を担当する Evoke です。
これらのトラックによって、楽曲のPOPな要素( 聴きやすさ )を生み出しています。

一方、Evoke では作ることができないリズムトラックは Digitakt が担当しています。

キック、スネア、グリッチノイズ、SE を軸に、楽曲全体の グルーヴ や フィルイン を作りました。
キックとスネアはノスタルジックな雰囲気にするために LoFiな質感 にしています。

また、S4 でエフェクトした KASTLE DRUM の音は、ハイハットの位置付けにしたため、Digitakt では打ち込んでいません。

▼ SONICWARE Evoke については下記をご覧ください。
▪︎グリッチノイズ
グリッチノイズは、S4 でエフェクトした KASTLE DRUM の音を Digitakt へインポートし、再生範囲をずらしたものを複数用意 して使いました。
トリガーキーごとに個別でパラメーターを調整し、ランダムに聴こえるようシーケンサーへ打ち込みました。
こうすることで、不規則な音の動きが生まれ、エレクトロニカ特有の質感と印象的なグルーヴ感 を作り出すことができます。

▪︎SE
没入感を高めるための フィルイン的なパッドSE は、Evoke のトラック2で使用している コードの音を、内蔵のGrain FXを調整して作り、Digitakt へインポートして使用しました。

ハードウェアを中心に楽曲を制作している場合、新しい音を加える方法のひとつは、すでに使用しているハードウェアの音をベースにして作ると、質感に統一感が生まれ、アレンジの中に自然に溶け込む のでオススメです。
【 アレンジ 】
当初は KASTLE DRUM と S4 のみで完結する予定でしたが、POPな方向へアプローチを変えました。
そこで、すでに Logic Pro へ録音していた S4 のトラックをベースに、Evoke、Digitakt を MIDIで同期 させながらアレンジを考えていきました。
MIDI とは
音楽機材同士に「いつ、どの音を鳴らすか」などの指示を送るための信号

まず、S4 の音を聴きながら Evoke で音作りをし、その後、コード進行を考えメロディーやベースなどの音を組み立てていきました。
つづいて、Digitakt でベーシックなリズムトラックを作り、スネアやSEなどのフィルインを調整しながら細かく作り込んでいきました。

これは、一般的にDAW(ダウ)内で音楽を作るような流れを、MIDI同期するためにDAWを使いながら、ハードウェアを軸にアレンジを考えるようなやり方です。
現在の音楽制作はDAWやソフトウェアが主流のため、この方法に不便さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、ハードウェア機材が好きな筆者にとっては、音楽制作を始めた頃にMTRへ録音していた感覚に近く、とても楽しく制作できるので気に入っています。
また、ソフトウェア上で細かな数値を追い込むのではなく、ダイレクトに音楽を作っている感覚を味わえることも、この方法の大きな魅力 だと感じます。

【 展開 】
展開は、以下の通りです。

▪︎各セクションごとの主な特徴

Outro( アウトロ )以外のセクションでは、S4 でエフェクトした KASTLE DRUM のトラックを常に鳴らしているため、Evoke と Digitakt のトラックを抜き差しすることで楽曲にメリハリ をつけました。
また、セクションの切り替わりや音を追加する場面 では、Digitakt に仕込んだ SE( Evoke の音をインポートしたもの )を手動で鳴らし、楽曲の展開をより印象的に演出 しています。
【 パフォーマンス 】
演奏動画を制作するうえで、ハードウェア機材には、楽曲制作だけでなくパフォーマンスがしやすいというメリットがあります。
本楽曲では、Evoke と Digitakt のシーケンサーをMIDIで同期 させながら、それぞれ個別にパフォーマンスを行いました。
その後、S4 を含む3つの映像を組み合わせて1本の演奏動画に仕上げています。
シーケンサーとは
入力した演奏データを記録し、自動で再生する機能。繰り返し演奏(ループ再生)も可能。
筆者が演奏動画を制作するときは、ほとんどの場合、使用する機材は1〜2台くらいです。
理由は、
・機材が少ない方がパフォーマンスしやすい
・個々の機材のポテンシャルを深掘りできる
からです。
今回は3つの機材を使ったため、全体のバランスを考えて、ダイナミックな音の変化はあえて控えめ にしました。
一方、1台だけで演奏する場合と比べると、音のバリエーションは華やか になりました。
アレンジを確定した後は、全体の流れを頭に入れながら、各セクションでどのような表現をするのか、どのトラックをミュートするのかなどを決めていきました。

その上で、各機材のパラメーターを自由に操作しながら、即興的な要素を取り入れたパフォーマンス をしています。
どのパラメーターをどの程度動かすかについては、「 いい感じに変化するパラメーターと値の範囲 」を事前に把握した上で演奏 を行いました。
こうすることで、即興性のあるパフォーマンスをしながら、同時に音楽的なクオリティも上げる ことができます。

もちろん、目安となるパラメーター値を決めず、すべて直感的にノブを操作して演奏するのも面白いと思います。
一方で、音色のスイートスポット( いい感じに音が変化する範囲 )をある程度把握しておくと、演奏中の迷いが少なくなり、思い切りの良さも生まれます。
安定したクオリティを保ちやすくなるので、おすすめのアプローチ です。
【 ミックス 】
今回のセッション動画では、以下の 3つの録音素材 を使用しています。
・KASTLE DRUM & S4
・Evoke
・Digitakt
それぞれを2ミックスの状態で Logic Pro にレコーディングしました。( Digitakt は Overbridge を使用することで、パラアウトも可能です )
以下では、各トラックのミックス前後の周波数特性( MeldaProduction MMultiAnalyzer を使用 )と、使用したプラグインについて解説します。
S4

ミックスの方向性
・EQで不要な低域をカットする
・小鳥のさえずりなどの環境音や金属的な質感を強調するため、高域をブースト
・音をタイトにするため、19kHz以上をカット

1. Gain( Logic Pro内蔵プラグイン )
録り音のゲインが -4.5dB 程度だったため、ヘッドルームを確保する目的で-6.0dB程度まで下げました。
ヘッドルーム
音量の余裕(空きスペース)
2. Brainworx bx_saturator V2
サチュレーターを少しかけて倍音を調整しています。( プリセット「 01 Gentle Saturator 」を使用 )

3. FabFilter Pro-Q3
不要な低域と高域の周波数帯をカットし、音をタイトにしています。
4. FabFilter Pro-C2
OPTタイプのコンプレッサーで、音の減衰部分 を持ち上げています。
5. FabFilter Pro-C2
アタックの速いFETタイプのコンプレッサーで、大きな音の部分だけを圧縮しています。
Evoke

ミックスの方向性
・ベースをブースト
・Digitaktのキックと重なる周波数帯をカット
・高域をブーストして音抜けを良くし、きらびやかさを加える
・中域のこもりをおさえ、音の輪郭をはっきりさせる

1. Brainworx bx_saturator V2
サチュレーターを少しかけて倍音を調整しています。( プリセット「 01 Gentle Saturator 」を使用 )
2. FabFilter Pro-Q3
ベースをブーストしながら、Digitakt のキックと重なる周波数帯をカットしています。
また、高域をブーストして音抜けやきらびやかさを加え、中域のこもりを抑えることで音の輪郭を整えています。

3. WAVES REQ 6
アナログ的な質感を加えるために使用しています。
4. FabFilter Pro-C2
OPTタイプのコンプレッサーで音の減衰部分を持ち上げています。
5. WAVES PuigTec EQP-1A
アナログ的な質感を加えながら、60Hzをブーストしてベースの存在感を強調しています。
Digitakt

ミックスの方向性
・ベースと重なる帯域をカット
・キックの存在感と輪郭が出るようにブースト
・スネアのパンチ感を強調
・グリッチノイズやパッドSEの質感が印象的になるよう高域をブースト

1. FabFilter Pro-Q3
ベースと重なる帯域や不要な低域をカットしています。
また、スネアのパンチ感や音の太さが感じられる帯域を、Q幅を狭くしてブーストしています。
さらに、グリッチノイズの質感やパッドSEのきらびやかさが印象的になるよう、サイド成分のみ高域をブーストし、音をタイトにするため20kHz以上をカットしています。
2. WAVES PuigTec EQP-1A
アナログ的な質感を加えながら、キックの存在感が出るよう30Hzを大胆にブーストしています。
さらに、グリッチノイズとパッドSEの質感が際立つよう、8kHz付近も少しブーストしています。

3. FabFilter Pro-C2
キックやスネアなどのアタックを潰さないようにしながら、全体の減衰部分を持ち上げ、タイトな音になるよう圧縮しています。(コンプタイプはCleanを使用)
SEND BUS
Digitakt で鳴っている パッドSEの高域にだけリバーブをかける ため、SEND BUS を使用しています。
4. FabFilter Pro-Q3
SEND BUS に音が送られた直後に EQ を通し、パッドSE を印象的に聴かせるために 必要な帯域以外をカット しています。
こうすることで、必要な周波数帯域だけを後段のリバーブへ送ることができます。
5. FabFilter Pro-R
不要な低域をカットし、高域にのみリバーブがかかるように調整 しています。
▪︎ ミックスをうまく行うコツ
・それぞれのトラックで不要な周波数帯域を見つけてカットする
( Q幅を狭くし、10dB程度ブーストした状態で周波数を動かしながら、耳に痛く感じるポイントを探す )
・そのトラックの特徴的な音色がより際立つ帯域をブーストする
・使用するプラグインの数を絞り、高品質なものだけを使用する
・2ミックスの素材を扱う場合は、コンプレッサーでアタックを潰しすぎない
・明確な意図がない場合は、余計な処理を加えない
( 必要に応じて、あえて プラグインを使わないという選択をすることも有効 です )
よろしければ参考にしてください。
【 映像について 】
最初に撮影した S4 の筐体がブラック だったため、他の機材も使おうとなった時に、演奏動画を前提としていることもあり、音の方向性と同じくらい機材の色も考慮 して Evoke と Digitakt を選びました。
ブラックを印象的に見せるため、明度差(明るい部分と暗い部分の差)が大きくなるよう、背景にはホワイトを選びました。( 大理石のような雰囲気の撮影用背景シートを使用 )
また、余計な光を入れたくなかったため、部屋のシーリングライトは消灯し、撮影用の照明だけで明るさをコントロール しました。
撮影後は FCPX(Final Cut Pro)でコントラストを強めに調整し、ブラックに重量感をもたせながら、各機材の質感も感じられる ように映像を仕上げています。

まずは KASTLE DRUM & S4、Evoke、Digitakt の3つの動画素材をそれぞれ カラーコレクトし、ハイライトやシャドウなどを調整 しました。
次に、全体の色調を整えるため、Adjustment Layer(アジャストメントレイヤー)を使用し、LUT を適用しながら作品の雰囲気が出るように仕上げました。( カラーグレーディング )
カラーコレクト(Color Correction):
映像の色や明るさを自然な状態に整える作業
→「 修正・補正 」が目的
具体例:
・明るすぎる映像を適正な明るさにする
・白色が黄色っぽく写っているのを正しい白色に戻す
・カメラごとの色の違いを揃える
カラーグレーディング(Color Grading):
映像の雰囲気や世界観を作るために意図的に色を演出する作業
→ 「 演出・表現 」が目的
具体例:
・映画のような雰囲気にする
・ノスタルジックな色味にする
・黒を重く見せる
FCPX の RGBパレード の 波形の変化 は以下の通りです。
RGBパレード
3つの波形が並び、ビデオが赤、緑、および青の別々の成分として表示されます。波形には赤、緑、青の色が付いているので、簡単に識別できます。
素材そのままの状態
全体的に明るさが100を超えており、暗い部分もわずかに0より上にあります。

そこで、ハイライトとシャドウを調整し、明るさと暗さのバランスを整えていきます。
カラーコレクトした状態
明るい部分が100程度、暗い部分が0付近に収まっていることが分かります。

カラーグレーディングした状態
さらに、LUTを適用して映像全体の雰囲気を作ったものが以下です。

LUT( ラット / Look Up Table ):
映像の色味や雰囲気をで変換するための「 色のプリセット 」のようなもの

複数のLUTを適用する割合を変えて使用しています。
アングルの切り替え( 素材の切替 )は、FCPX に搭載されているマルチカム編集を使うと便利だと思いますが、素材を個別に並べながら編集する方が自分には合っているため、時間がかかってもこの方法で作業をしています。
▪︎動画撮影のポイント
以前の記事内の「 動画撮影のコツ 」でも触れましたが、動画撮影をするときに意識しているポイントは、以下の3つです。
・色を少なくする
・照明
・構図
の3つです。
・色を少なくする
ほとんどの電子楽器にはLEDが搭載されており、カラフルなものが多いですが、使用する機材の色( 機材のメインカラー )をできるだけ統一し、全体の色数を少なくして撮影するのがオススメ です。
理由は、
・映像に統一感が生まれる
・動画編集がしやすくなる
からです。
演奏動画を撮影していて、「 なんだか映像がイマイチだな 」と感じる原因の多くは、映像の中に色が多く入りすぎていること にあります。
そのため、映像に含まれる色の数をできるだけ減らし、メインカラーを2色程度に絞る ことで、この問題は解決することが多いです。
今回の動画では、機材の黒と背景の白をメインカラー( 全体の80%くらいを占める ) とし、その他の色は腕の肌色やボタン、LEDの色だけです。
色数を制限することで映像全体が引き締まり、自然と洗練された印象が生まれます。

・照明
たとえば屋内で撮影する場合、LEDシーリングライトの光だけでは、ぼんやりとした映像になってしまう可能性があります。
撮影用の照明を使う ことで、被写体の輪郭や色味がはっきりとし、映像編集の際にもイメージした色調を作りやすくなります。
ボーカル・レコーディングで例えると、
・安価なマイクを使用
→ 録音後にDAWのプラグインなどで しっかり編集する必要 がある
・良質なマイクを使用
→ 録り音が良いため、大幅な編集作業が不要 になる
撮影用の照明が使うことで、質の高い素材を撮ることができ、その後の編集作業の負担を大幅に減らせます。( 超重要! )
結果として、クオリティの高い作品へとつながります。

右上の画像はONの状態で最大の明るさ
筆者は以前購入した小型の照明を使用しています。
例えば、グルーヴボックス1台だけを手元で撮影する場合であれば、このサイズでも十分 だと感じています。
照明を使う時は、三脚など位置を固定するものも必要です。筆者はマイクスタンドを使っています。
2台以上の機材を並べたり、演奏者も含めて撮影したりする場合は、もう少し大きな照明が必要 になると思います。
また、撮影用の照明があることで、カメラのISO感度を大きく上げる必要がなくなります。( ノイズを抑えられる )
もし映像編集に興味があり、少しでも作品のクオリティを上げたい場合は、安価なものでもいいので、撮影用の照明を用意されることをオススメ します。
・構図
「 色を少なくする 」とも関係しますが、撮影範囲にできるだけ余計なものが映り込まないようにする ことも、映像作品のクオリティを上げるうえで重要なポイントです。
筆者が行なっている構図を決める手順は以下の通りです。
① 被写体が主役だと分かるように配置する
② 被写体以外のケーブルや関係ないものができるだけ映り込まないように調整する
③ 被写体が良い雰囲気になるよう、照明の位置を決める
④ 立体感や奥行き感が出るように、被写体の位置や照明を微調整する
小物など、意図して構図に取り入れるもの以外は、できるだけ映り込まないようにすることをおすすめします。▪︎演奏動画撮影のコツ

慣れないうちは、撮影する機材を1台に絞る のがおすすめです。
そうすることで、色数や構図の問題を自然に解決 しやすくなります。
筆者の演奏動画が1台の機材を使うことが多い理由のひとつも、この問題をシンプルに解決できるからです。( 撮影時間の短縮にもつながります )
1台の機材のみで演奏動画を撮影するメリット
・色数を抑えやすい
・構図を決めやすい
・小型の照明でも十分対応できる
・広いスペースがなくても撮影できる
・動画編集がしやすい
・動画の主役がはっきりするので、視聴者の印象に残りやすい
例:Digitaktを被写体として撮影
Digitakt の立体感をより印象的に見せるため、奥行き感のある構図 にしました。
① 余計なものが構図内に映り込んでいる場合

被写体自体ははっきりしていますが、余計なものが映り込むことで視線が分散し、全体の印象も薄れてしまいます。
また、不要な色が増えることで、映像の統一感も失われやすくなります。
② 被写体のみの場合

余計なものが映り込んでいないため、Digitakt に視線を集中 させることができます。
また、色数も限られるため、全体として洗練された印象 になります。
③ 被写体のみで、かつ照明を使用した場合


コントラスト( 明るい部分と暗い部分の差 )が強くなることで、Digitakt の輪郭がよりはっきり とし、照明がない場合よりも 被写体が印象的 になります。
構図内に余計なものを映り込ませない
撮影用の照明を活用する
この2つのポイントは、演奏動画のクオリティを大きく左右する重要な要素です。ご自身で撮影するときは、ぜひ取り入れてみてください。
▪︎動画編集のポイント
はっきりとした狙いがない場合、動画編集で大幅な修正をすることは避けた方が良い です。
例:黒を白に変えるような極端な色の変更など
ソフトによっては、AIの機能を使って違和感なく修正できるかもしれません。
しかし、AIを活用する場合でも、事前に色のバランス感覚があってこそ、その効果を十分に引き出せる と思います。
撮影時に色を統一したり、照明を使って明るさを調整したりして、素材そのもののクオリティを少しでも高めることにエネルギーを使う方が、編集作業に時間をかけるよりも結果的に楽 になります。
色がもっている方向性
本動画では、機材の黒色をメインカラー にしています。
色に対する感覚は人それぞれですが、今回の動画の黒色からは、個人的に以下のような印象を受けました。
・重量感
・陰陽の「 陰 」
・没入感
・影
そのため、これらの要素をより強く感じられるように 動画編集を行いました。
具体的には、
・機材の黒色に重量感が出るようにする
・光が当たっている部分とのコントラストを際立たせる
・吸い込まれるような黒色に仕上げる
・影になった部分でも、ノブを操作している感覚が伝わるようにする
といったことを意識しました。
ポイントは、それぞれの色から受ける印象を「 さらに強調する 」こと です。
そうすることで、映像がもつ雰囲気を自然に広げることができ、編集の方向性も決めやすくなり、失敗する確率がグッと下がります。
やらない方がいいこと
たとえば、今回の演奏動画を編集する際に、晴れた日の屋外で撮影したような雰囲気に仕上げようとすると、違和感のある映像になってしまう可能性があります。( 高度な動画編集スキルがあれば実現できると思いますが )
理由は、黒がもつイメージの中に、晴れた日のような明るい要素があまり含まれていないから です。
必要以上に明るくすると、白との明度差が小さくなり、全体的にぼやけた印象になってしまいます。
また、背景の白を緑に変更するような 極端な編集もオススメしません。
そもそも機材や背景に緑色の要素がほとんど含まれていないため、違和感だけが大きくなり、結果として映像全体の洗練された印象が失われてしまいます。
大切なのは、構図に含まれている被写体のメインカラーから連想されるイメージを、さらに強調する方向で編集すること です。
そうすることで、被写体の魅力がより引き出され、視聴者の印象にも残りやすい作品に仕上げることができる はずです。

【 おわりに 】
本記事では、環境音を取り入れたエモーショナルなアンビエント/エレクトロニカの演奏動画について、
・アレンジや楽曲の展開
・パフォーマンス
・各トラックのミックス
・演奏動画を撮影するコツ
など、筆者が普段行っている手法をご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
内容の中に少しでも参考になる部分がありましたら、大変うれしく思います。
また、記事内で分かりにくかった点や、追加してほしい内容などがありましたら、下記までお気軽にご連絡ください。
可能な範囲で追記させていただきます。
ハードウェア機材を使った音楽制作は、その時々で新しいアイデアが生まれることも多く、これからも楽しく続けていきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
タテミズ
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よろしければチップで応援していただけますと、これからも良質な内容の記事を書く励みになります。😃