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【説明の指導】2つの言葉を教えるだけで算数授業が変わる方法

「一生懸命話しているのは分かるけれど、話が長くて着地点が見えない……」

算数の授業で、子どもが前に出て説明する時、こんな風にだらだらと長くなってしまうことってありませんか?

周りの子どもたちはだんだん苦痛な顔になり、鉛筆をいじったり手遊びを始めたり。

(あ、今この説明、大半の子どもが分かっていないな……)

前に立つ子も、座っている子も、そして見守る教師も辛い、あの独特の空気感。

そんな時、「〇〇さんが言いたかったのは、こういうことだね!」と、教師が一部だけを取り上げて分かりやすく「オウム返し」していませんか?

(少し前まで、私もついやってしまっていました……)

でも、この「教師の親切な翻訳」は、百害あって一利なしです。

聞き手は「どうせ先生が後でまとめるから、聞かなくていいや」と聞かなくなってしまいます。

発表者も「今の説明でよかったんだ」と誤学習してしまいます。

結果として、誰の説明スキルも伸びない負のループに陥るのです。

この状態から抜け出すために、私が実践している方法があります。

それは、子どもたちに「2つの言葉」を教え、システムとして教室に定着させることです。

明日からすぐに使える、具体的な指導技術をお伝えします。


💡 技術①:魔法の合言葉「ここまでいいですか?」

子どもが説明をする時、一気に最後まで話させてはいけません。

1つの作業が終わるごとに、「ここまでいいですか?」と全体に尋ねるよう指導します。

たとえば、「四角形の内角の和」を求める場面を想像してください。


児童:「対角線を2本引きます。ここまでいいですか?」

全体:「はーい」

児童:「三角形が4つできました。ここまでいいですか?」

全体:「はい」

児童:「三角形4つだから、180×4 = 720 ここまでいいですか?」

このように、細かく細かく区切って確認させます。

(最初は「多すぎない?」と感じるかもしれませんが、これでいいんです)

四角形の内角の和を求めるには、中心にできた360度を引く必要があります。


中心の青い360度を引きます。720-360=360

720 - 360 = 360 という、子どもたちが最もつまずきやすいポイントです。

児童:「四角形の内角を求めるために、720度から中央の360度を引きます。ここまでいいですか?」

教材研究の段階で「ここは難しいだろう」と感じていたポイントを子どもが説明し、周囲が「はい」と答えた瞬間。

……あなたは聞いている子どもの顔をじっと観察してください。

必ず、首を傾げたり、眉間にシワを寄せたりする子がいます。

すかさず、こう介入します。

教師:「みんな、今のこと本当に分かった?」

教師:「今のところ、難しいなと思った人?」(パラパラと手が挙がる)

教師:「じゃあ、この『360度を引く』ってどういうことか、もう一度説明できる人いますか?」

ここで別の子に説明を促します。

時には「今のところ、隣同士で確認してみて」とペアワークを挟むのも効果的です。

細かく確認することで、「どこでわからないのか」「どこがわからないのか」が明確になり、説明の序盤で分からなくなった子を置いてきぼりにせず、一つひとつ確実に理解させることができます。

また、その日の課題の「核心」に焦点を当てて、みんなで思考を深めることができます。


🤝 技術②:バトンパス「ここまでしか分かりません」

もう一つ、子どもに授けたいのが「分からないことを認める言葉」です。

算数の発表は、最後まで完璧に答えを出せた子だけのものではありません。

「途中までしか分からない子」も、どんどん前に出られる空気が不可欠です。

こんな発表を、クラスの当たり前にしましょう。

児童B:「僕は四角形に2本対角線を引きました。ここまでは分かりましたけど、ここまでしか分かりません。この後どうするか分かる人いますか?」

(こんな風に堂々とSOSを出せる子、本当に素晴らしいですよね)

あるいは、答えに自信がない子の発表です。

児童A:「四角形を三角形4つに分けて 180×4 = 720 になったけど、違う気がします。みんなどうですか?」

この発言を引き継いで、別の子が「あ、真ん中の360度を引けばいいんだ!」と気付いたとします。

その時こそが、教師の最大の出番です。

教師:「『なんか違う』と言ってくれたAさんのおかげで、みんなで正しい答えにたどり着けたね。Aさんのおかげって、具体的にどういうことか説明できる?」

このように、途中までの発表や、間違えそうな感覚(違和感)を大いに価値づけます。

「分からない時は、誰かが助けてくれる」

「途中まででも、みんなの役に立つ」

この安心感こそが、子どもたちの説明スキルを爆発的に伸ばす土台になります。


🏫 みんなで創り上げる算数

算数の授業を、わかっている子だけの場にしてしまうと、多くのわからない子にとっては、つまらないものになってしまいます。

「ここまでいいですか?」と立ち止まり、「ここから先、誰かお願い!」と助けを求める。そして、違う子どもが答え、
わからなかった子が「あ!そういうことか!」と見えなかった考えが見えるようになる。

そんなやり取りの積み重ねが、本物の思考力を育てると考えています。

明日の算数の時間、子どもが発表を途中で止めて、「ここまでいいですか?と聞いてみて。」と言ってみてください。

きっと、教室の空気が少しずつ、でも確実に変わっていくはずです。

応援しています。


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