晩秋の終わりにヒーリングピアノ 枯葉 & エディット・ピアフを讃えて
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はじめに
病院ロビーでピアノボランティアをしています。毎月、季節に合った曲を選び、ロビーで患者の皆様がくつろげるよう、無償で演奏しています。

11月のテーマは、「秋旅」。秋深まる季節こそ、旅に出たい。
紅葉も終わりのこの時期、フランスのシャンソンからアメリカのジャズまで、世界中で人気のシブい曲「枯葉」と、それにまつわる曲をご紹介。
Autumn Leaves(枯葉)/ Joseph Kosma
もとは、1945年に作られた、フランスのバレエ音楽。それが、歌詞を得て映画音楽~シャンソンへと変遷し、フランスでヒット。さらにアメリカに渡り、コード進行がジャズ即興演奏との相性にぴったりだったため、ジャズスタンダードとして大人気になりました。
もとの「枯葉」は、今の定番の歌よりも長かった。その前半部分が省略されて、後半のサビ部分だけが取り上げられているのが、現在の形です。歌詞は、フランス語と英語が混ざり、全体としてはざっくりこんな感じ。
舞い落ちる 赤と金の枯葉
あなたの唇と日焼けした手の色
あなたが去って 一日が長い
もうすぐ冬 でも
一番あなたが恋しいのは
枯葉が落ち始める頃
この歌は愛し合った私たちそのもの
人生は 愛する二人を引き裂く
音もなく 砂浜の足跡が消えるように
歌がお好きな方、エディット・ピアフのシャンソンでどうぞ。↓
ジャズピアノを習い初めの頃、単純な「茶色の小瓶」を何ヶ月も弾かされて退屈していたら、「じゃ次は枯葉やりましょう」と言われ、音楽の落差に呆然としたのを覚えています。
「枯葉進行」とも呼ばれるコード進行、Ⅱ-Ⅴで短調と長調が繰り返す構成(ハ調で言うと低音がレソドファシミラとジグザグで降りていく構成)には、ジャズ理論が凝縮されているのだと思い知らされました。
枯葉進行はジャズやポップスで多用されていますが、これをそのまま使ったクラシック曲もあります。
エディット・ピアフを讃えて/プーランク
この曲をよく歌っていたシャンソン歌手のエディット・ピアフに、曲を捧げた人がいました。フランスの作曲家、フランシス・プーランクです。
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彼の「15の即興曲」の最終曲、「エディット・ピアフを讃えて」が、その曲です。これはピアフの歌う「枯葉」をモティーフに作られたもので、調こそ違いますが、コード進行が全く同じ(枯葉進行)、そしてメロディーの出だしも同じです。
聴き比べていただくのも、面白いかもしれません。(枯葉のアドリブに一瞬だけ、ピアフを讃えてのメロディを入れてみました)
そしてもちろん、シャンソン歌手に捧げられるにふさわしい、秋の終わり(=人生の集大成)の哀愁を感じさせる曲です。
枯葉進行をばっちり使っているクラシック曲は、他には「カッシーニのアヴェ•マリア」くらいでしょうか… → 12月のヒーリングピアノ曲 カッチーニのアヴェ・マリア|風ひかる
お耳直しに、ジャズ・スタンダードとしての演奏例をひとつ。ちょっぴりクラシカルなアレンジが私好みの、Eddie Higgins Trioです。
枯葉を演奏しないジャズミュージシャンはいませんので、今の季節、世界にたくさんの枯葉が舞っています。皆様のお気に入りは、どの枯葉でしょう。
参考~11月のセットリスト「秋旅」全演奏曲目詳細
アレンジャーに敬意を表して明記します。(場の雰囲気に合わせるために、楽譜から外れることもあります…)
小さな旅~光と風の四季~ (大野雄二作曲、石川芳編曲)
里の秋 (海沼実作曲、深見麻悠子編曲)
紅葉 (岡野貞一作曲、轟千尋編曲)
Indian Summer〈冬の陽だまり〉 (ウォン・ウィンツァン作曲)
intermezzo (坂本龍一作曲、Kayoko Kishimoto採譜)
アダージョ(ピアノソナタ悲愴第2楽章) (ベートーヴェン作曲)
Danny Boy (アイルランド民謡、Nikki Iles編曲)
枯葉(Joseph Kosma作曲、Massimo Farao・Alfonso Gugliucci両氏演奏を参考にアレンジ)
Yesterday (ビートルズ作曲、David Escher氏の演奏を耳コピ)
掲載音声は渋谷ホール(ファツィオリ)でのもの
晩秋にお勧めの曲はこちらにも↓
晩秋にしみじみヒーリングピアノ Danny Boy |風ひかる
晩秋に陽だまりヒーリングピアノ Indian Summer〈冬の陽だまり〉 / ウォン・ウィンツァン|風ひかる
ピアノボランティア日日 初日は褒美を取らす(モチベの話)|風ひかる
