12月のヒーリングピアノ曲 カッチーニのアヴェ・マリア
よろしければ、こちら聴きながらどうぞ↓
はじめに
病院ロビーでピアノボランティアをしています。毎月、季節に合った曲を選び、ロビーで患者の皆様がくつろげるよう、無償で演奏しています。

12月は「世界平和を祈る」をテーマに、二か国語版セットリストを作成。

クリスマスの月です。今回は、セットリストから、イエス誕生にまつわる美しい曲をご紹介。
カッチーニのアヴェ・マリア/ ヴァヴィロフ
イエスを懐胎した母マリアを祝福する祈りの歌、アヴェ・マリア。
カッチーニのアヴェ・マリアは、世界の三大アヴェ・マリアのうちの一曲です。ほかの2つは、グノーとシューベルト。さて、一番古い曲は、どれでしょう?
カッチーニは、イタリア・ルネサンス時代、バロック初期の作曲家です。この三人の中では一番古いです。が…
この曲が世に出たのは、20世紀後半。ヴァヴィロフという旧ソ連の作曲家が、「作曲者不詳のアヴェ・マリア」として、16-17世紀のリュート音楽というテーマのアルバムの中で「紹介」したものです。
ヴァヴィロフはほどなく亡くなり、アルバムのレーベルがなぜか「カッチーニのアヴェ・マリア」として再発表。それが世に広まり、多くの人気歌手が歌って有名になりました。「カッチーニの」というタイトルが独り歩き。
この曲の出自に関して、いろんな議論が起き、結局現在は、ヴァヴィロフ本人が作曲したもの、ということで、決着がついているようです。
まず、ヴァヴィロフが、自作を古典作曲家の名前を借りて発表する事がよくあったということ。変な趣味ですね。
次に、歌詞が、「アヴェ・マリア」を連呼するだけで、全然バロックぽくないということ。(私見ですが、コード進行も、前に紹介したこともある、「枯葉進行」。これは、20世紀に顕著となった独特のエモい進行です。)
その記事は→ 晩秋の終わりにヒーリングピアノ 枯葉 & エディット・ピアフを讃えて|風ひかる
そして、当時のソ連はキリスト教の音楽の作曲を禁止していたこと。弾圧を避けるため、自作を隠していたのではないか、という推測。
などなど、様々な状況証拠で、その結論に。
そんな謎多きアヴェ・マリアですが、お聴きの通り、心を揺さぶる素晴らしいメロディー。(まあ、枯葉進行の力も大きいですが…(*^^*)) 世界の三大アヴェ・マリア入りするのも、当然かと。
(補足:冒頭音声のアヴェ・マリアは、途中、ヴァヴィロフと同じくロシアの作曲家ラフマニノフ作曲、ヴァカリーズのフレーズが絡んできます。これは編曲者、加羽沢美濃さん独自のアレンジ。私の好きな編曲です。)
ということで、最初のクイズの答えは、古い順に、シューベルト→グノー→カッチーニ(実はヴァヴィロフ)となります。
歌がお好きな方、こちらどうぞ。↓
ちなみに、三大アヴェ・マリアについて、とても面白く解説しているYouTubeがありましたので、こちらもご紹介します。三曲のことがよくわかるだけでなく、実は三曲とも純粋な宗教曲ではない、というオチも、興味深いです。
参考~12月のセットリスト「世界平和を祈って」全演奏曲目詳細
アレンジャーに敬意を表して明記します。(場の雰囲気に合わせるために、楽譜から外れることもあります…)
Put Your Hands Up (坂本龍一作曲、青山しおり採譜)
Golden Slumbers for piano(ビートルズ作曲、武満徹編曲)
星に願いを(Harline作曲、上田浩司編曲)
カッチーニのアヴェ・マリア (ヴァヴィロフ作曲、加羽沢美濃編曲)
まきびと羊を(讃美歌、上田真樹編曲)
Amazing Grace (ゴスペル、上田浩司編曲)
Happy Xmas (War is over) (Lennon&Ono作曲、K. Kobayashi編曲)
川の流れのように(三岳章作曲、Jacob Koller編曲)
Imagine(Lennon&Ono作曲、Hans Piano 編曲)
12月のおすすめ曲はこちらにも↓
クリスマスのヒーリングピアノ曲 First Noel(まきびと羊を)讃美歌|風ひかる
年末のヒーリングピアノ曲 Golden Slumbers for piano / ビートルズ=武満徹|風ひかる
