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【旅日記#2-2】思い立ったら行くが吉!1泊2日札幌紀行(中編)

前回はこちら↓

網走からはるばる札幌に赴き、大都会の洗礼を受けながらも無事にホテルにたどり着いた私と母。まだ見ぬ楽しみを求めて、今度は夜の街を歩いてゆく。


2025年4月12日(土)

18:15 すすきので夕食

「あんまり出るのが遅くなったら勿体ないよ」という母の発言により、疲れを癒やすのもそこそこにホテルを発つ。荷物を置いて身軽になったこともあり、足取りは先程よりも確実に軽い。

昼は家から持ってきたパンだけだったので、まずは腹ごしらえが先決だ。札幌といえば味噌ラーメンということで、ホテルから徒歩5分ほどの所にあった「すみれ すすきの店」へ。

すみれ すすきの店に至る階段の写真
階段はやや狭い。すれ違いは慎重に

雑誌などで目にすることも多い有名店ゆえ並ぶことを覚悟していたが、幸いにも待ったのは1組だけだった。食券を買って中に入ると、サラリーマンから家族連れまでさまざまな人で賑わっている。案内から提供までの時間も早く、回転率は相当高いようだ。

すみれの味噌ラーメンの写真
シンプルな見た目ながら、
ワンタンがちょっとした特別感を与えてくれる

1964(昭和39)年の発祥から受け継がれるすみれのラーメンは、スープ全体に張った油の膜が特徴。そのおかげで冷めにくくなっており、最後まで熱々のまま食べることができる。いかにも味噌らしいパンチのある濃厚な味わいも相まって、外を歩いて冷えた体をたちまち元気にしてくれた。

しかしラーメン一筋60年あまりとは伊達ではない。味はもちろん、寒い北国という土地柄に合わせた工夫が人々の心を掴み、今日まで愛されるに至ったのだろう。
特に今のように温かいものを手軽に食べることができなかった時代、真冬の厳寒の中すするこのラーメンはさぞ格別だったに違いない。創業当時は私はおろか両親すらまだ生まれていないが、この一杯を通して、その時の温かな情景がありありと目に浮かんでくるようであった。


18:50 狸小路を散策

お腹も心も満たされ、店を後にする。すみれの面する都通りは比較的静かな路地だが、一方通行のこの道に逆方向から迷い込んだ車がいるらしく、クラクションの音が盛大に響き渡っていた。
今更ながら、都市部の自動車交通は実に難儀なものだ。こういう所は、却って徒歩の方が楽である。

それはさておき、続いては狸小路たぬきこうじを見てみよう。繁華街にとってゴールデンタイムとも言える土曜の夜、巨大なアーケードは人で埋め尽くされている。この空気感にも少しずつ慣れてきて、歩くのがさらに楽しくなった。

狸小路から見る観覧車の写真
「ノルベサ」屋上の観覧車を望む。
月が綺麗だと思ったら、どうやら明日が満月らしい

全長900mに及ぶ狸小路は、区画によってまるで異なる表情を見せる。前半は誰でも親しみやすい店が軒を連ね、特に私が最初に訪れた3丁目と4丁目は活気あふれる明るい空間となっている。

狸小路4丁目の賑わいを写した写真
店も人も多種多様で、いくら見ても飽きない

一方、後半は飲み屋などが増えてきて、終点の7丁目にもなると照明も薄暗く、かなりディープな雰囲気である。一度こういう所で飲んだくれてみたいという気持ちもあったものの、この後どうしても入りたい温泉があるため、今はお預けだ(泥酔しての入浴は非常に危険なので、皆様も絶対にやめましょう)。

狸小路市場内部の写真
6丁目で見つけた狸小路市場という脇道に入ってみた。
「焼肉キムチ」って、良い屋号だなあ

決して華やかとは言えない脇道からは、メインストリートを歩くだけでは見えない人々のリアルな息遣いが感じられる。見知らぬ土地に浮かれる我々の目には逆に新鮮に映る、路傍にあった生協宅配の見慣れた箱が、ここもまた誰かの日常の舞台であることを証明していた。
しかし、私も配達業の経験があるから分かるが、あの交通状況の中ここまで荷物を届ける苦労は相当なものである。物も店もサービスも、何でもあるのが当たり前だと錯覚しがちな都会だからこそ、それらを陰ながら支える存在に対する敬意を忘れないようにしたい。

商店街に戻り、今度は東に歩いていたところ、またしても気になる空間があったので覗いてみた。

狸COMICHI入口の写真
2丁目にある「狸COMICHI」。
1階と2階を合わせ、20軒もの店が一堂に会する

店と店の間に壁がなく、オープンなのが先程の狸小路市場と異なる点である。今日は下見のつもりで回っていたが、こうもたくさんの美味しいものを間近で見ているとさすがに口が寂しくなってきたため、2階にある「焼鳥 富士山フジヤマ 狸小路店」に寄っていくことに。

フジヤマの焼き鳥の写真
今回はカウンターへ。
テーブル席もあるので、ある程度の人数でも対応できる

お店の方は非常にフレンドリー。「いらっしゃいませ」ではなく「こんばんは」という挨拶からも、心の距離の近さがよく分かる。
目の前で焼き上げる焼き鳥は絶品で、1時間前にラーメンを食べたばかりなのに結構頼んでしまった。胃袋が心配になってくるものの、こうした良い店との思いがけない出会いがあるから、気ままに歩くのは面白い。


20:40 札幌駅近くの温泉へ

狸COMICHIを出ると、時刻は20時を回っていた。そろそろ温泉に入りに行こう。
札幌駅までは地下鉄に乗ってもいいけれども、大通とさっぽろ(ややこしいが、JR札幌駅は漢字なのに対し、地下鉄さっぽろ駅はひらがなである)は1駅しか離れていないため、今回は腹ごなしを兼ね地下街を歩いて行った。まっすぐ北に進むだけなので迷う心配はないうえ、信号とも無縁で快適だった。

さて、札幌駅北口からは初めて出たが、高い建物こそ多いものの、人と車の量は私の知る南口と比べて劇的に少ない。目立った店屋もあまりなく、全体的に静かな印象である。同じ駅でも南北でここまで違うものなのかと妙に感心した。

札幌駅北口付近の写真
建物はホテル、車はタクシーが大半を占める。
繁華街への距離さえ気にならなければ、
この辺りに泊まるのもありだろう

そこから東に進むこと数分、目当ての温泉「札幌ホテル by グランベル」に到着。ここは先月開業したばかりで、日帰り入浴でも3,300円と非常に高額だが、設備やサービスの質は折り紙付きである。
また、都市部では珍しい高濃度の源泉も魅力のひとつ。詳細は以前の記事にまとめてあるので、興味のある方はそちらを参照していただきたい。


23:00 夜中の街で飲み処を探す

実に素晴らしいお風呂だった。まるで生きる世界が変わったかのような体験が味わえ、奮発した甲斐があったというものだ。

駅に戻ると、道行く人はすっかり減っていた。道内最大級のターミナル駅は四六時中賑やかなのだろうという勝手なイメージがあったが、どうやらそれは誤りだったようである。

夜11時のJR札幌駅構内の写真
がらんとした駅構内は、昼間以上に広く見える

とはいえ列車はまだ動いている。入浴も終えたことだし繁華街で一杯やろうという流れになり、地下鉄に乗り再び狸小路へ向かう。
だが期待とは裏腹に、あれだけ飲み屋が並んでいた7丁目や狸小路市場も含め、ほとんどの店が既に営業を終えていた。日付を跨ぐことなく明かりを消された赤提灯の列が、あまりにも虚しかった。

それでも諦めきれずに彷徨っていたところ、煌々と輝くビルが目についた。すすきのの象徴・ニッカ(旧名:大汁)おじさんの登場だ。この辺りはさすがの盛況ぶりで、街が眠る気配はまだ微塵も感じられない。

すすきのの繁華街の写真
狸小路からは目と鼻の先だが、
この時間帯の人出は雲泥の差である

これだけ栄えた街を探索していると次々現れる店に目移りしてしまう中、今回は「居酒屋 寅」を一日の締めくくりの場とした。店内は賑わっていながらもそこまで騒がしくなく、空気感がちょうど良い。

注文はQRコードを読み取ってスマホから行う。箸やおしぼりはテーブルの側面に入っているのだが、その引き出しがあまりにデザインに溶け込んでおり、初見で見つけるのは至難の業であった。

居酒屋 寅の料理の写真
ここでは日本酒を頂いた。
母と2人きりで飲むという夢が叶った、記念すべき瞬間である

先程食べたばかりだが、やはり焼き鳥は外せない。ここの串物は変わり種が多く、ジンギスカン串なんてものもある。また上の写真にもある油淋鶏は1個1個が大ボリュームながらさっぱりしており、見た目にこそ圧倒されるものの、意外なほど軽々と平らげることができた。
明らかに食べ過ぎなのは否定しないけれども、たまにはこんな夜も良いだろう。

それにしても、未だ訪れる人は絶えないが、この街の賑わいはいつまで続くのだろうか。日頃これほど遅くまで出歩くことなどまずあり得ない田舎育ちにとっては、想像もつかない世界である。


2025年4月13日(日)

1:00 ホテルに帰還・就寝

気付けば日付は変わり、酒が入ったこともあってか眠くなってきたので、およそ7時間ぶりにホテルに戻る。0時以降はフロントの方が席を外すため、エントランスもカードキーがなければ解錠できないようになっていた。
部屋に入ると疲れがどっと出てきて、二人ともすぐに寝支度を済ませた。今日(厳密には昨日だが)はとんでもないスケジュールになったが、最後までこの旅を元気に楽しむために、明朝は自然に目が覚めるまでゆっくり心身を休めるとしよう。

というわけで、次回は2日目の朝から帰宅するまでを一気にまとめる完結編である。


今回は以上になります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
北海道を拠点に旅や温泉の記録などを書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。

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