子どもたちよ、それに手を出すにはまだ早い
畑1年目のとき、私は紙とネットを前に
自分の欲望で悩んでいた。
畑に植える組み合わせは、まるで野菜のパズル。
春と秋で一部入れ替える。
同じ科の組み合わせを、連続して植えると
成長が悪くなったりする。
トマトとじゃがいも、パプリカはナス科らしい。
理科で習った…??記憶がない。
だから、年間計画で考える。
そこにプラスして、コンパニオンプランツ。
うん、やっぱりパズル。
食べたい+やってみたい野菜。
もう無限に出てくる。
じゃがいも、にんじん、トマト
ルッコラ、シソ、バジル、かぼちゃに
とうもろこし…
植える前に畑の配置を紙に書く。
うーん…
畝を多く使うツル系は考えないと…
他を植えるスペースが減るし…
芋掘りはさせたい。
母の欲望は止まらない。
私がこんなに好きなのは、母方の祖母が
畑で色々植えていたのもあると思う。
腰が曲がったおばあちゃんはスタスタと歩き
畑からスッと採ってくるトマトやマクワウリ。
あの味が忘れられないのだ。
夏休みになり、母の実家に行くと
タネのカタログがあった。
私は、それを眺めるのが好きだった。
あの頃よりも種類が
豊富になった野菜のタネたち。
だから、1つの野菜を植えるのにも
タネから選んで、楽しんでいた。
畑をやるからには子どもにも
楽しんでもらいたい。
「ねぇ。2人は何を植えたい?」
子どものリクエストは
「すいかとメロン!」
「・・・」
子どもたちよ。
それに手を出すにはまだ、早い。
いや。
母も実は狙ってはいた。
でも、確実に難易度が高い。
すいかとメロンの価格が高いのは
絶対に作るのが大変だからだ。
母はそうだと信じている。
だから、畑1年生が手を出すには
難易度が高すぎる。
それは、来年にしよう!と何とかなだめた。
田舎のおばあちゃんがよく作ってくれた
マクワウリならいけるか…??
さっぱりした甘さのメロンのような記憶。
でも子どもが期待しているのは
網目のメロンだ。
(・・・・・・)
やっぱりやめておこう。
こうして畑1年目はスタートした。
結局、この年に植えたのはマクワウリではなく
子どもたちになじみのない「落花生」だった。
落花生は花が咲いた後、土にもぐり、
そのまま土の中で実ができる。
子どもより驚いていたのは、実は親のほうだった。
毎年ひとつくらい「おもしろい!」と
印象に残る野菜を植えるのも、
畑の楽しみ方なのかもしれない。

他の畑のエピソード
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