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飛んで行った多肉たち

私はバルコニーで花や多肉を育てている。

多肉を育て始めたころ。

管理が簡単だと聞くが
過保護にしすぎるせいなのか
うまくいかず、枯らすこともしばしば。


多肉を増やせること知り
チャレンジしてみることにした。


最初は卵のパックを利用して、
植えてみて土ごとひっくり返した。


小分けになってて結構よかったんだけど…


そして、多肉は室内だったせいか
赤ちゃん多肉は全滅した。


(今回は室内ではなく、屋外にしよう)



なんにしても、やろうと思ったら
すぐに実行にうつしたい。


3月の終わり。
東京もだんだんと暖かくなる季節。

だんだん暖かくなるとは言え、寒い日もある。



(あれしかない…)
外で使うと寒さを防げる最強アイテム。



私はスーパーへ向かった。
積みあがる廃棄予定のアレ。
そう、最強アイテムは「発泡スチロール」


お尻の下に引けば断熱してくれる。
ディズニーカウントダウンのとき
自分の身体で実証済み。



これをもらって、多肉を育てることにした。



浅めの発泡スチロールを1つ。
中に入れる小さな鉢がないな…



(うーん…)




目に入ったのはペットボトルのふた。



(あれ、いいかも!)





ペットボトルのふたに
土を入れ、小さく切った名札をつける。



「おぉ!」



廃材利用だけれど、なんだかかわいい。
早速1つ1つちぎった多肉の葉を置いた。


欲張って、ちょっと多めにちぎった。



「これ、全部育ったら寄せ植えにしよう」




屋外にしたかったが、まだ寒い日もある。
今回は、外に出したり、家に入れたりすることにした。




____数日たったころ。



(今日はちょっと寒いな…)


でも、お天気はすごくいい。
陽に当てようと外に出すことにした。



時計を見ると、幼稚園に行っている
息子のお迎えの時間だ。



お迎えの場所に行き
暖かいけど、強い風につつまれる。


「春一番だね」


と、ママ友と話しながら帰宅した。



陽が落ちる前に
多肉をしまわないと‥‥



って、あれ!?

部屋から窓の外を見ると、置いていた場所に
多肉の箱がない。


慌てて窓に駆け寄る。



まるでマンガのように
点線で囲まれた箱のあとが見える気がした。


「え??どこいった…ん…」


(‥‥‥‥)



‥‥あった。
よく見たら「箱」は、あった。


ただ、
縦になっていた。

私の目に入ったのは箱の底。




慌てて元の位置に戻した。



(‥‥‥‥)



中身がほとんどいない。
いる子たちも、すべてひっくり返ったせいで
シールも取れどの子か全く分からない。



「あ、春一番…」



そう、春一番が吹いて
みんな行方不明になってしまったのだ。


それからというもの。
私は、多肉を増やす際には
植えている鉢の脇に置くことにした。


もちろん、春一番が吹く季節が終わってから。


あの時飛んで行った多肉ちゃんたち。
誰かの庭で育っていることを願っている。


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