「(325の3)普通自転車等及び歩行者等専用」の使い方の違い~歩道の「普通自転車歩道通行可」と「自転車及び歩行者用道路」
2026年4月1日より自転車の青切符制度が開始になり、読者の皆様の自転車の交通ルールに関する関心も高まっている。特に自転車が歩道を通行してもいいかは大きな関心事のひとつとなっている。この記事では、歩道に関係する「(325の3)普通自転車等及び歩行者等専用」の標識について掘り下げる。
設置場所で異なる(325の3)標識の意味
歩行者と自転車が描かれた青い標識「(325の3)普通自転車等及び歩行者等専用」は、歩道の脇に設置されている場合がある。一方、歩道のない生活道路などの道路脇に設置されている場合もある。
これらは一体何が違うのだろうか?


実は、この標識、設置場所によって2つの異なる意味で使われるのだ。警察庁が発行している「交通規制基準」では、以下の2つのケースが記載されている。
第1-15 特定小型原動機付自転車・自転車及び歩行者用道路
規制目的
特定小型原動機付自転車及び自転車(これらの車両で法第17条第3項の規定により自転車道を通行してはならないものを除く。以下この項において同じ。)以外の車両の通行を禁止し、特定小型原動機付自転車、自転車及び歩行者の安全な通行を確保する。
これは「特定小型原動機付自転車 (電動キックボード等)及び自転車」以外の車両に対しての規制で、主に生活道路でスクールゾーンの朝夕の車両通行止め規制や、終日の専用道路に対してかけられる規制である。

この規制は、「歩行者用道路」と類似しているが、自転車や電動キックボードが「特に歩行者に注意して徐行」する義務が課されず、歩行者等について右側端通行義務や横断歩道横断義務等が課されることに注意が必要である。
また、その他の車両でも指定車や許可車に指定されている車両は通行する可能性がある。

アーケード商店街の終日自転車歩行者用道路

繁華街にある時間限定の歩行者天国

道路管理者が道路法に基づいて定める自転車歩行者専用道路
最近は、スクールゾーンの規制は(325の3)でなく(325の4)で「自転車は通行可」とする規制に置き換わっている。何が違うかは以下の記事を参照されたい。
第59 特例特定小型原動機付自転車・普通自転車歩道通行可、特例特定小型原動機付自転車・普通自転車の歩道通行部分
規制目的
特例特定小型原動機付自転車及び普通自転車が、歩道を通行することができることとし、又は当該特例特定小型原動機付自転車及び普通自転車が通行すべき歩道の部分を指定することにより、特例特定小型原動機付自転車、普通自転車及び歩行者の安全な通行を確保する。
これは歩道を通る「特例特定小型原動機付自転車 (歩行者モードの電動キックボード等) 及び普通自転車」に対する規制であり、一定の基準を満たす歩道で自転車等が走行できることを明示するものだ。
電動キックボード等は、6km/h以下で走るかどうかではなく、モードを歩行者モードに明示的に切り替える必要がある。(ライトの光り方が「6km/hモード」の点滅へ変わる)

ただし、自転車等は中央から車道寄りの部分を相互通行可能 (逆走の概念なし)、歩行者の通行を妨げるおそれのない速度と方法で走行し、歩行者の通行を妨げることとなるときは一時停止する必要がある。
加えて、標識の中の自転車の記号が道路側に来るように、向きによっては図柄を反転表示しなければならないことも示されている。自転車及び歩行者専用道路と混同しない位置に設置することも定められている。
道路標識「普通自転車等及び歩行者等専用(325の3)」を設置する場合には、標示板の自転車の記号が車道側となるように設置すること。
また、同標識は「特定小型原動機付自転車・自転車及び歩行者用道路」規制の標識と同一の様式であることから、道路利用者が混同しない位置となるよう配意すること。
第59 特例特定小型原動機付自転車・普通自転車歩道通行可、特例特定小型原動機付自転車・普通自転車の歩道通行部分 設置方法第2項
また、以下の道路標示があるだけで標識がなくても効果があることも知っておきたい。

歩道の「自転車通行可」は、「歩行者用道路」の「自転車は通行可」とは別物である。以下の記事を参照されたい。
歩道の「普通自転車歩道通行可」を示す標識とその補助標識、都道府県別特徴
歩道の「自転車通行可」を示す標識の補助標識は、都道府県毎に表示方法が異なっており、中にはかなり紛らわしいケースも存在する。











以下は通常の場合の表示方法および設置方法だ。
北海道: 縮小版+「自転車通行可」。自立なら標識柱直付け、信号柱等への共架なら直接共架。郊外の旧式は車両用標識とダンゴになっている場合あり。
青森: 縮小版+「自転車通行可」or 標準版+「自転車歩道通行可」。信号柱等への共架なら直接共架で設置。片面のみの標識もある。
岩手: 縮小版(補助標識なし)。信号柱等への共架なら直接共架で設置。
宮城: 👓標準/縮小版(補助標識なし)。自立なら標識柱直付け。
秋田: 標準/縮小版(補助標識なし、一部「自転車通行可」)。自立なら標識柱直付け(他の標識との併設あり)。車両用標識とダンゴになっている場合あり。片面のみの標識もある。
山形: 縮小版(補助標識なし)。自立なら標識柱より長めのアームで突き出して設置、信号柱等への共架なら間接共架アームで設置。
福島: 標準/縮小版+「自転車通行可」。片面のみの標識もある。自立ならセミ・オーバーハング式または標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架で設置
茨城: 標準/縮小版(補助標識なし)。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら間接共架アームで設置
栃木: 👓縮小版(補助標識なし)。自立なら標識柱より長めのアームで突き出して設置、信号柱等への共架なら長めの間接共架アームで設置
群馬: 縮小版+「自転車歩道通行可」。自立ならセミ・オーバーハング式、信号柱等への共架なら長めの間接共架アーム2本で設置
埼玉: 縮小版+「自転車歩道通行可」or 補助標識なし。自立ならセミ・オーバーハング式、信号柱等への共架なら長めの間接共架アーム2本で設置
千葉: 👓縮小版+「自転車通行可(歩行者優先)」or 「この歩道は自転車もとおれます」。古いものは標準板の大きさ(+前述の補助標識)もある。単独自立ならセミ・オーバーハング式、もしくは標識柱直付け。
東京: 縮小版+「歩行者優先」 (一部「自転車通行可」) 自立なら標識柱より長めのアームで突き出して設置、信号柱等への共架ならセミ・オーバーハング式で設置
神奈川: (一部👓) 縮小版+「自転車通行可」。単独自立ならセミ・オーバーハング式(他の標識との併設あり)、信号柱等への共架なら長めの間接共架アームで設置
新潟: 標準版(補助標識なし)。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架で設置
富山: 標準/縮小版(補助標識なし)。古いものは「自転車歩道通行可」が添付されているものも見られる。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら間接共架アーム2本で設置
石川: 縮小版(補助標識なし) (一部「自転車通行可」)。信号柱等への共架なら直接共架アーム2本で設置、単独自立ならセミ・オーバーハング式。
福井: 縮小版+「歩行者優先」or「この歩道は自転車も通れます」。信号柱等への共架なら直接共架で設置。片面のみの標識もある。
山梨: 👓縮小版+「自転車通行可」。単独自立なら標識柱直付けまたはセミ・オーバーハング式。信号柱等への共架なら直接共架またはセミ・オーバーハング式で設置
長野: 縮小版(補助標識なし)(一部「自転車歩道通行可」or「自転車通行可」)。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架で設置
岐阜: 縮小版(補助標識なし)。セミ・オーバーハング式(他の標識との併設あり)。古いものは標準版の大きさ、「自転車歩道通行可」が添付されているものも見られる。
静岡: (一部👓) 縮小版(補助標識なし) (一部「自転車通行可」)。他の標識との併設なら間接共架アームで設置。単独自立ならセミ・オーバーハング式。信号柱等への共架なら直接共架で設置
愛知: 👓縮小版(補助標識なし)。自立なら標識柱直付け(他の標識との併設あり、ダンゴになる場合もある)。信号柱等への共架なら直接共架で設置
三重: 縮小版(補助標識なし)。単独自立ならセミ・オーバーハング式or標識柱直付け(他の標識との併設あり)、信号柱等への共架なら直接共架で設置
滋賀: 縮小版+「自転車通行可」。単独自立なら標識柱直付け。旧型は標準版+「じてんしゃもとおれます」、単独自立ならセミ・オーバーハング式。
京都: 👓縮小版(補助標識なし) (一部「自転車通行可」or「電動キックボードは点滅モード」)。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架で設置
大阪: 👓縮小版+「自転車通行可」。自立なら標識柱直付け(他の標識との併設あり、ダンゴになる場合もある)。
兵庫: 縮小版(補助標識なし)。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架で設置
奈良: 縮小版(補助標識なし) (一部「自転車通行可」)。自立なら標識柱直付け(他の標識との併設あり、ダンゴになる場合もある)。信号柱等への共架なら直接共架で設置
和歌山: 縮小版+「自転車歩道通行可」。信号柱等への共架なら標識の下側を短い直接共架金具で設置、もしくは長い間接共架アーム2本で標識の上下を固定して設置。
鳥取: 👓標準/縮小版(補助標識なし)。単独自立ならセミ・オーバーハング式(他の標識との併設あり)。信号柱等への共架なら直接共架もしくは長いアームで設置。
島根: 👓縮小版(補助標識なし)(一部「自転車通行可」)。信号柱等への共架ならセミ・オーバーハング式もしくは直接共架アーム2本で設置
岡山: (一部👓)縮小版(補助標識なし)。信号柱等への共架なら直接共架で設置
広島: 標準/縮小版+「自転車歩道通行可」。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架で設置
山口:👓縮小版+「自転車通行可」。自立ならアームで設置。信号柱等への共架なら直接共架で設置 (旧式はセミ・オーバーハング式。)
徳島: 標準/縮小版(補助標識なし)(一部「自転車歩道通行可」)。自立なら標識柱直付け(他の標識との併設あり、ダンゴになる場合もある)。信号柱等への共架なら2本の直接共架で設置。片面のみの標識もある。
香川:👓標準+「自転車歩道通行可」。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら2本の直接共架で標識の上下を固定して設置。
愛媛: 縮小版+「自転車通行可」。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら2本の直接共架で設置。
高知:👓縮小版(補助標識なし)。1枚の標識板の両面に図柄が印刷され、これを保持する特殊金具で標識柱と接続。自立ならセミ・オーバーハング式、信号柱等への共架なら専用アームで設置。
福岡: (一部👓)縮小版+「自転車通行可」。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架で設置。
佐賀: (一部👓)縮小版(補助標識なし)。自立なら標識柱直付け(他の標識との併設あり)。信号柱等への共架なら直接共架で設置。
長崎: 👓縮小版(補助標識なし)(一部「自転車通行可」)。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架ならセミ・オーバーハング式。
熊本: (一部👓)縮小版/標準+「自転車通行可」。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら2本の直接共架で設置。
大分: 縮小版/標準(補助標識なし)(一部「自転車通行可」「自転車歩道通行可」)。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架で設置。
宮崎: 縮小版+「自転車歩道通行可」。自立ならセミ・オーバーハング式、信号柱等への共架なら2本の直接共架で設置。
鹿児島: 👓縮小版+「自転車歩道通行可」。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架で設置
沖縄: 縮小版(補助標識なし) (一部「歩行者優先」)。自立なら標識柱直付け。信号柱等への共架なら直接共架アーム2本で設置。片面のみの標識もある。
反転表示については、東京都をはじめ多くの都道県で準拠していないことがわかる。
直接共架、間接共架の詳細については以下の記事を参照されたい。
歩道標識の紛らわしい設置例
「歩道の普通自転車歩道通行可」標識は、「自転車及び歩行者用道路」と標識が同じであるため、道路利用者が混同しない位置となるよう配意すること、とされている。前述の都道府県毎の標準的な設置方法を守っていれば問題は起きないが、時々紛らわしい設置例が見受けられる。
一番紛らわしいのは、補助標識がない「歩道の普通自転車歩道通行可」標識が、車両用の標識の上下に並べられてダンゴになって設置されている例である。

見方によっては、道路自体が「自転車及び歩行者用道路」と捉えることもできる。

歩道の標識と車道用標識がダンゴになっており、車道も歩行者及び自転車専用の規制があるように見えてしまう。

単独設置だが、この場所も歩道の標識が「自転車及び歩行者用道路」にも見えてしまい紛らわしい。

ここでも歩道の標識と車道用標識がダンゴになっている。 ここでは「自転車及び歩行者専用」のみ両面標識となっている。

「(507-C)終わり」の下に配列されてしまっているので、「自転車及び歩行者専用」も解除になってしまう…しかもここの「自転車及び歩行者専用」は片面のみ。 これはさすがに酷いのでは!?
歩道がある道路の場合は、車両走行部分が「自転車及び歩行者用道路」となる例はあまりないと思われるため、車両用の標識と並べて設置されている歩行者と自転車が描かれた青い標識は、善意に解釈すれば「歩道の普通自転車歩道通行可」標識と考えることもできる。
しかし、一般の道路利用者がそこまで一瞬で推理することは難しいだろう。
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加えて、歩行者天国や平日朝夕のスクールゾーンの車両通行止めの標識は、近年では「(325の3)普通自転車等及び歩行者等専用」ではなく「(325の4)歩行者等専用」を使うようになってきているが、かつては(325の3)も使われていたため、極稀に、歩道標識と至近距離に設置されてしまうケースがあり、紛らわしかった。

2018年頃までは、スクールゾーンの車両通行止めに(325の3)が使われており、かつ自転車通行可の歩道があったために2つの標識が並んでいた。現在は前者の規制は(325の4)に変更されている。
紛らわしい設置例は以下の記事でも紹介されている。
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